不定期ですが久しぶりに。Yovani GallardoがMILからTEXへ。見返りにMLB到達済みのLuis Sardinas、Corey Knebelに、13~14年の海外FA市場でNo.1投手だったMarcos Diplanを受け取る。個人的にDiplanを少し気にしてることもあって書いてみました。どちらにとっても会心というトレードには見えないけど、それなりにリーズナブルなムーブに見えます。
[Transaction]
☆ TEX Acquired : RHP Yovani Gallardo, $4M cash
☆ MIL Acquired : SS/2B Luis Sardinas, RHP Corey Knebel, RHP Marcos Diplan
[Player to Texas)]
☆ Yovani Gallardo, RHP
MILの04年ドラ2。MILの右腕らしく、さほど上背は無いが、高い奪三振力を誇り、エースの器として大きな期待をされていたが、07年の好デビュー後、6年間しっかりローテを守ってはいるが、今一つブレイクし切れていない。現在28歳で、現行契約は10~14年の5年$30.1M。14年は$11.25M、15年は$13M/バイアウト$0.6Mのオプションだったが、トレードされると$14Mに増額される条項があったよう。また14年の年俸の内$4MはMILから負担される。
速球は11年あたりは平均で93 mphと先発投手としては平均以上だったが、ここ2年は2 mph程度失って平凡な領域に。カーブとスライダーの二種類のブレイキングボールをほぼ均等に多く投げる一方、先発にしてはチェンジアップの比率が極端に低い。ブレイキングボールで三振を奪える投手だったが、ここ2年は速球の威力低下に従い、奪三振率も大きく低下している。現状では平凡なローテ中位から下位という選手。
[Player to Milwaukee]
☆ Luis Sardinas, SS/2B
TEXの09年の海外FA契約。Jurickson Profarと同期で同ポジション。ちなみにBOSのJose Vinicioも同期同ポジションで契約前の評価はこの2人より高かったのだが...。素晴らしいスピードでマイナーを駆け上がったProfarにはやや遅れを取って来たものの、優れたSS守備と安定したコンタクトを武器に、マイナー全体でもTop 100級の評価を受けて来た。
Profarの全休もあって、控えとして今季MLBデビューを飾っている。数年前は引く手数多だったElvis Andrusが成績降下と巨額の契約で放出できなくなっており、Profarも15年は復帰。2Bとしてはより打撃の上限に勝るRoughned Odorがいることから、15年開幕MLBはやや厳しい状況にはなっていた。守備・コンタクトは十分も、パワー・選球眼に欠け、基本はIF控えタイプ。ただSSの弱いチームならレギュラーで起用してもおかしくはないかも。
☆ Corey Knebel, RHP
DETの13年ドラ1s (#39)。Texas大時代からリリーフ一本の典型的なカレッジリリーバーで、このタイプを比較的上位指名するDETが指名・契約後、DETらしくスピード昇格で14年には既にMLBデビューを飾っている。夏にPOを諦めたTEXがJoakim Soriaを放出した見返りとして地元のTEXへトレード。しかしこのオフにMILへ移ることになった。
常時90 mph中盤の速球に大きなカーブのほぼツーピッチ投手。体格の良さも含めて、典型的なテキサンファイヤーボーラー。リリーフ専門の投手だけど、カレッジの実績も十分で、既にMLB到達済み。しっかり適応すれば最低限ミドルリリーフ、上限はセットアップからクローザーも可能かも。また保有期間もオプションもフルに近く残っているということで、パッケージの2枚目として悪くない価値がある。ただ腕の故障でシーズンを終えているのは少し不安。
☆ Marcos Diplan, RHP
TEXの13年の海外FA契約。先発投手としては、身長はかなり低めながら、そのマイナス面を補って余りあるスタッフと完成度で、13'~14'の海外FAで#1の投手と見なされていた。この年大盤振る舞いで、スロットを大きく超えて契約しまくったTEXの契約選手の中でも目玉だった。速球は90~94 mph。この年齢にしてはカーブが素晴らしい。
プロデビューとなった14年はUSではなくドミニカのRkリーグでプレーしているが、格の違いを見せ付ける、文句無しの投球。BOSが14'~15'の海外FAで契約したAnderson Espinozaも同様にやや小柄な選手ということで、比較対象としても個人的に注目している選手。まだ原石だけに将来は全く読めないが、当然上に振れた時はTEXの痛手となる。
[Team Analysis (TEX)]
近年でも類を見ない大量の故障者を出し、失意のシーズンとなった14年だったが、15年は再建期に入るのではなく、再び戦えるチームにしようとしているようだ。ただローテの構築は非常に難しい。Colby Lewisも故障後、元の投球を見せられていないし、Martin Perez、Derek Hollandは開幕には間に合わなそう。ダルビッシュ有まで14年はケガを経験した。
現状のローテでは、ダルビッシュ、Nick Martinez、Lewisがいて、Ross Detwiler、Nick Tepechなどもカードとしてはあるが、やや弱い。経験のあるGallardoはかつてのようなローテ上位の可能性はもう無さそうだが、比較的健康だし、いて困るカードではない。ただPOを目指すにはダルビッシュが本来の状態に戻るのと、もう1人ある程度軸となれる選手が欲しい。それになってくれるという希望でGallardoを獲ってはいるのだろうがどうか。
出したものは、ローテ中盤から後半の選手1枚との引き換えと考えると、若干だがオーバーペイにも見える。SardinasはTEXとしては多少浮いているが、それなりに有用でトレードバイトとしてはまずまずの価値がある。Knebelもリリーフではあるが、フロアーは高いし、クローザーの可能性も無くはない。Diplanは当然どうなるかまだ予想が付かないが、上への振れ幅も大きく、パッケージの3枚目で付けるには若干もったいない感を受ける。
ただ実質1年$8Mで健康でそれなりに計算できるローテ投手を雇えると考えれば、FA投手市場が高騰している現状ではそれなりにリーズナブルだし、ひょっとしてそれ以上に投げるようであれば、もう1年そのクラスの選手を$14Mで雇える。場合によってはドラフトピックが入って、Knebel程度の選手を得られる可能性もあるし、Gallardoが14年よりもう少し良く投げるようなら妥当なトレードかも。
[Team Analysis (MIL)]
再建期に入るためのファイヤーセールというよりは、やや先の見えてきた選手を若手に置換しつつ、ペイロールを空けるというような意味合いか。Gallardoは安定してローテを守れる選手だが、リプレース不可能なエースではない。一方、実績のあるKyle Lohse、Matt Garzaに加え、若手のWily Peraltaまではローテ確定。Mike Fiersもやや不安はあるが、14年は少ない機会ながらもスタッツ上は素晴らしい投球を見せている。
14年にMLBデビューしたJimmy Nelsonはまだ証明され切っておらず、その点でややリスクも伴うが、ある程度そこはグローイングペインがあってでもNelsonを時代の柱へと育てて行きたいということなのだろう。もちろんGallardoで空けたペイロールを他に回すことも、このトレードの意味合いには含まれているだろうけど、それよりも前者の意味合いが大きい気はする。Rubby De La RosaやAllen Websterに賭けて失敗するのを恐れたウチのGMとは対照的。
デプスはやや薄くはなるが、Taylor Jungmannもようやく元のフォームを取り戻して来ており、そのあたりで何とかなると踏んでいるのだろう。得たものとしては、Sardinasは、SSにJean Segura、2BにScooter Gennettがいるし、まずはIF控えを争うカードとなるだろう。傘下上層はM-IFのProspectに欠けるし、Seguraが離脱した際にも取りあえず守備面ではSSを埋められる。フィットしている選手と言えるだろう。
KnebelもJonathan Broxtonがクローザーと、強くは見えないブルペンで比較的早く使えるカードということで悪くない。ただ腕の故障があったので、開幕から上で使うことはできなそうだが。Diplanはロッタリーピックだが、大きく化ける可能性ももちろんあるし、まだ非常に若いだけに今後のトレードバイトとしての価値も高い。ローテはデプスを含めて多少薄くなったし、Nelsonの適応が成功するのか、若干不安要素もあるけど、それほどペイロールの大きくない球団としては正しい方向のトレードに見える。
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