2020年7月18日土曜日

20' Draft Results

20年のドラフトの最終契約結果です。太字が契約者。( )内は契約額で、+/-は-がスロットより浮いた分、+がオーバースロット分の額です。COVID-19の影響とドラ2の剥奪の中で、難しいドラフトだったのは間違いないですが、ドラ1でスロットを浮かせる指名をしたのがどう出るか。


[20' Draft Signing Result]

1 (#17). Nick Yorke, 2B ($2.7M (-$909.7K))
3 (#89). Blaze Jordan, 3B/1B ($1.75M (+$1.0821M))
4. Jeremy Wu-Yelland, LHP ($200K (-$287.9K))
5. Shane Drohan, LHP ($600K (+235.6K))
UD. Merfy Andrew, RHP ($20K)
UD. Jacinto Arredondo, RHP ($20K)
UD. Maceo Campbell, RHP ($20K)
UD. Casey Cobb, RHP ($20K)
UD. Jordan DiValerio, RHP ($20K)
UD. Graham Hoffman, RHP ($20K)
UD. Robert Kwiatkowski, RHP ($20K)
UD. Cole Milam, RHP, RHP ($20K)
UD. Henry Nunez Rijo, RHP ($20K)
UD. Joey Stock, RHP ($20K)
UD. Nate Tellier, RHP ($20K)
UD. Brian Van Belle, RHP ($20K)
UD. Jose Garcia, C/1B ($20K)
UD. Juan Montero, C ($20K)
UD. Cuba Bess, 1B ($20K)
UD. Jake MacKenzie ($20K)

Total Bonus Spending - $5,250,000 (+$120.1K)
Total Bonus Pool - $5,129,900
Pool +5% overage - $5,386,395


[20' Draft Summary]

上述した通り、サイン盗みのペナルティーでドラ2を喪失。COVID-19の影響で、最も大事なドラフトイヤーのパフォーマンスをスカウティングすることができず、例年以上にランキングはあてにならないのは間違いない。

そんな中、BOSはドラ1でHSでもトップを争う投手だった、Mick Abel (PHI)に狙いを絞っていたようで、ある程度ボーナス面でも合意していた様子だったが、2つ前の#15でPHIが指名。指名の順が回ってきた直後の情報でも、フロントの戦略が混迷を極めているなんてツィートも出ていて、Abelが残っている計算が狂った雰囲気が出ていた。

クロックタイムが刻まれる焦りの中で正常な議論、判断ができたのかは何とも言えないが、最終的に各誌でTop 100外、各チームドラ3~4という評価がメインだった、Nick Yorkeを指名。再三書いているように、特に今季はランキングが全てではないと思うが、現時点の感想としては、Nick Bitsko (TB)やTyler Soderstrom (OAK)が残っていた中で、この選択は微妙。

BOSの次のピックがドラ3で、そこまでに残っていないと判断したということであるが、それならそもそもドラ1で獲るしかない訳で、「ドラ1に相応しい選手と判断したから獲った」と言い切るべきだと思うし、なんとなく釈然としない。ボーナスを削って下のラウンドにも回せる、というメリットも、上記のもっと評価の高い選手と数100Kしか違わず、最終的なボーナスの配分からしても十分に削れたようにも見えない。

そしてドラ1で指名順位よりもかなりランキングの低い選手を選んだことで、後ろのラウンドでスリップした選手を指名できることになったが、ドラ3のBlaze Jordanのセレクトも個人的にはさほど気に入っていない。パワーのあるC-IFで上限は高いが、実質パワーのみの1ツールで、3Bに留まる可能性は低く、Triston Casas、Bobby Dalbecなど近年多く指名しているポジションでもあり被り感が否めない。

ドラ1でAbelを狙っていたように、今季は上限の高い投手がどちらかと言えば優先だと見られていたし、1日目が終わった後でも、浮いたボーナスでドラ3~5は投手を狙うとの噂だったことから、目ぼしい投手が残っておらずの消去法という感が強い。粗削りでリスクも高く、ピック数の少ないチームにはリスクが高すぎるというのもある。

Jeremy Wu-Yellandにしても優れたアームで例年なら指名位置的にはリリーフになれば十分というところではあるが、ドラ1でアンダースロットにしたのなら、もう少し上の選手を狙うべきだっただろう。

ドラ5のShane Drohanは指名自体は悪くないと思うし、今年のピックの中では今のところ一番気に入っている。ただ指名順位相応くらいの評価にしては$600Kは高い。ドラ4級のボーナスならわかるが。ただドラ2~3の上限はあると思うし、上手く伸びるならスカウティングの功績となるだろう。

と、ここまでネガティブなことを多く書いたが、あくまでスカウティングレポートの不十分な年の不確実なランキングに基づく部分も多い感想にはなっているし、ポジティブな面でいうと、ドラ4、5の両左腕は昨年までかなりの制球難だったが、今季の少ないサンプルではやや改善が見られ、奪三振も多く取れている。特にDrohanは先発で17 IP/27 Kとかなりの成績で、シーズンが普通にあればドラ2くらいの評価になっていたかもしれない。

Yorkeも打撃の評価の高い選手で、小柄な点やケガとその影響で2B転向の可能性が高いことからランキングは低かったが、実力はそれ以上の可能性も十分にある。2BとしてはDustin Pedroiaや、何と言っても各誌のランキング圏外だったMookie Bettsをオールスターまで成長させたチームのバックグラウンドに期待したいところである。20/100としておくが、不確定要素と伸びしろは十分にある。

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