2021年2月3日水曜日

20'-21' Offseason Boston Red Sox -Feb.-

2月です。先発2枚に2Bを立て続けに契約し、先発、レギュラー陣は固まったかなという印象。Bloomさんの責任じゃない部分も多いけど、今年も贅沢税ギリギリになりそうな割には二線級の選手が多くてパッとしない。マイナー組織の軽視と、FA・トレード大盤振る舞いの爪痕はまだ残っています(前記事はこちら)。


[Transaction]

〇 2/1
2B Dustin Pedroia retired.

ついにこの時が来ましたが、Dustin Pedroiaが引退。自分がBOSファンになり始めた頃の07年のWS優勝は売り出し中の若手として、そして13年のWS優勝はチームのリーダーとして、それぞれ貢献。Theo Epsteinさんが就任直後にバンビーノの呪いを解いた04年にドラフトされた選手で、その後Epsteinさんの下、マイナー組織の充実+FAという戦略で3度のWSを勝ち取ってきた黄金時代の中心と言える選手でした。

職人的気質というイメージのある選手で、ケガした後、すぐに復帰しようとして失敗することがちょこちょこある点は気にはなりましたが、そういったファイティングスピリットがチームを頂点に導く原動力の一つだったのも間違いないでしょう。17年に引退の原因となる悪質なスライディングをしたManny Machado (SD)が未だにのうのうとプレーしているのが許しがたいし、それがなければHOFも可能性があったのかな?

とにかく、まずはお疲れ様でした、ありがとうございました。


〇 2/2
Signed UT Enrique Hernandez to a two-year deal.

噂になっていたE. Hernandezと2年$14Mで合意。29歳。元々HOUのドラ6だが、二度のトレードで行きついたLADで開花。小柄な割には意外とパンチ力があるが、純粋なオフェンス面の能力というよりは、UT性を買われての人選という面もあり、LADはCHCと並んで、主力でも複数ポジションを守る選手が多く、そういったロスター構成の恩恵を受けていた選手。

ここ2年は.230台のアベレージに留まり、出塁も平凡。いくらチームでやや薄いもしくは弱いCFや2Bを含む複数ポジションをこなせて、CFあたりも含めて守備への評価は悪くないとは言え、オーバーペイという印象は否めない。

2BはArroyoやChavisでは心もとないのはわかるが、どこまで上積みと言えるか微妙だし、昨年のJose Perazaと似たような香りがする。CFはJackie Bradley, Jr.が抜けた穴をC-OFのRenfroeで埋めてしまったことで、現状VerdugoをCFメインに持ってくるしかなく、経験面を含めて不安があるということだと思うが、それはRenfroeを契約する際に考慮すべき事柄だった気はする。

しかも揃いも揃って皆右打ち。いくら本拠が右打ち優位とは言え、さすがに加えるなら左打ちを選びたかった感。サイバー指標等を含めて、自分には見えていない要素もあると思うし、現状のロスターからするとフィット感はあるが、そもそものこれまでの動きと併せて、今一つ個人的にはピンとこないチーム作りに思える。

(2/2追記)Dustin Pedroiaの引退で枠が空いたため、正式発表に。


〇 2/3
Signed RHP Garrett Richards to a one-year deal.
Designated RHP Joel Payamps for assignment.

M. Perezで先発補強は終わりかと思ったが、Richardsと1年$10M+$10Mオプションで合意。インセンティブも付くよう。32歳。LAAで速球派の有望株として鳴らした選手で、故障やコマンド、変化球などの不足で、先発としての十分なキャリアを築くに至っていない。

球速の低下があまり見られないのが人気なのか、実績の割には市場では割と引き合いの多い選手ではあるが、キャリア10年で170 IP以上が6年前の15年の一度きり。ここ5年は100 IPも投げられていない選手に$10Mはこれも高いとしか思えない。

球威はあるのでC. Saleの復帰や、Prospectの昇格に伴ってリリーフ行きというのも選択しやすいとは思うし、短めの契約とオプション付きはのはPerezもそうだったが、夏のトレードを睨んだ場合にメリットが多いのはあるが。

(2/3追記)PayampsをDFAして枠を空け、Richardsとの契約を正式発表。


Baltimore signed RHP Konnor Wade.

Konnor WadeがBALへ。AAレベルのスウィングマン。


〇 2/6
Arizona signed IF Ryder Jones.

Ryder JonesがARIへ。契約したものの、傘下でプレーするチャンスはなかった。


〇 2/8
Minnesota signed RHP Robinson Leyer.

Robinson LeyerがMINへ。昨季MLBデビューしましたが、やはり球威だけでは通用しなかった。


〇 2/10
Agreed to acquire RHP Josh Winckowski (from New York), OF Franchy Cordero (from Kansas City) , and three PTBNLs (two from Kansas City, one from New York) in a three-way trade with Kansas City and New York Mets for LF Andrew Benintendi, Kansas City send OF Khalil Lee to New York.

ST間際になって、Andrew BenintendiをKCへ放出。3チームトレードになる見込みで、BOSはOFの代役としてF. CorderoをKCから受け取り、NYMからも投手ProspectのWinckowskiを得る。NYMはWinckowskiの見返りで、KCからOF有望株のKhalil Leeを受け取るよう。あと何人か絡むかもしれないという話だし、Benintendiの年俸の一部をBOSが負担する可能性も高そう。

19年もキャリアハイの18年からはダウンイヤーだったが、昨年は開幕から調子が上がらず、ケガで離脱してシーズンエンド。ただ不運なケガのせいというよりも、パワー、スピードといったツール面の劣化傾向が顕著に表れており、リバウンドできるのかが不安視されていた。

打撃もそうだが、守備面でも元々CFだったが、Jackie Bradley, Jr.がいるからLFに回って、そちらでは素晴らしい守備者だったはずが、昨年はLFとしても平均以下のレベルに。まだ老け込むような年齢のはずがなく、以前のDaniel Bardしかりで、例えば睡眠障害のようなトラブルに起因したパフォーマンス降下という可能性もある気がするが。

明らかにSell Lowになってしまっており、そういった身体面や精神面でのカウンセリングをして復活を図って欲しいというのが個人的な希望ではあったが、一方でそれがもし無理だった場合、今季$6.6Mという安くはない額で雇った上で、オフにノンテンダーとなりかねないことから、何らかの見返りが得られる内に損切するのも一つの考え方かも、というのは少し前の記事で書いた通り。今季の贅沢税を考えれば、代役の年俸にもよるが、多少は削減効果も出てくるかも。

見返りとしてはCorderoはSDのマイナーで有望株として知られていたが、身体能力はあるとは言え、あまりにも磨かれていない状態でAAA-PCLからPetco Parkという厳しいジャンプを経験させたこともあり、適応に失敗。19年前にはDFAされてKCへトレードされたよう。

左打ちのOFという点はフィットするものの、レギュラーとしては厳しい。スプリットは右投手に対して打てている傾向なので、Renfroeとプラトーン気味に使うなら多少底上げできるだろう。これは現状憶測だが、4年契約希望と強気で行先の見つからないBradley, Jr.が2~3年$12~$20Mくらいで戻って来るのを想定しているのではないかという気がする。

Bradley, Jr.が入るなら、対右でLF Cordero、CF Bradley, Jr.、RF Verdugo、対左ではLF Verdugo、CF E. Hernandez/Bradley, Jr.、RF Renfroeで、2BにArroyo/Hernandezという変則気味のプラトーンを敷くことができる。

最後にWinckowskiはTORの16年のドラ15だが、この1月にSteven MatzのトレードのピースでNYMへ移ったところ。すぐにNYMが出したことからして、価値を釣り合わせるためのわずからスローインという扱いだったのだろう。MLB公式ではNYMの#26とされている。BOSでもTop 30に入るかどうか微妙なラインの選手になるだろう。

93 mph前後のシンカーがメインのピッチで最速は97 mphまで出たことがあるようだが、速球で押せる選手ではなさそう。スライダーとスプリッターを投げるようだが、キャリアでさほど奪三振率は高くなく、上手くいってスウィングマンからバックエンドスターターだろう。

(追記)BOSからKCへBenintendiの年俸の半分弱、$2.8Mを渡すようです。またBOSはKCから2人、NYMから1人のPTBNLを受け取るとのこと。20年にマイナーリーグが無かったことでスカウティング実績が不足していることから、21年シーズンが始まってから獲得することで合意したようで、少なくとも一人は最近のドラフトや海外FA契約などの将来の伸びしろの大きな選手になるかもしれませんね。


TOR Claimed RHP Joel Payamps off waivers.


DFAしたJoel PayampsをTORがクレーム。オフのある程度の期間を無駄に40人枠を占めただけになりました。


Tampa Bay signed RHP Stetson Allie.


Stetson AllieがTBへ。ドラフト時は二刀流で著名な選手だったので少し注目していたけど、BOSではチャンスなく終了。


〇 2/12
Re-signed LHP Martin Perez to a one-year deal.
Designated RHP Chris Mazza for assignment.

色々探し回った挙句、先発はM. Perezと元鞘の結末に。単年$4.5M+$6Mオプション/$500Kバイアウトという内容。元々21年は$6.25Mのオプションがありますが、行使せず$500Kのバイアウトを払っており、AAVはともかく、確定額としては22年のバイアウト$500Kを含めると$5.5Mになり、散々時間を掛けて$750Kを浮かしたという形ではある。

まぁ元々個人的にはオプション行使で良いかとは思っていたし、Perezも結構誘いがあった中で、BOSを気に入ったのか戻ってきてくれたようで、BOS側も他の選択肢を色々検討した上でベストの選択肢ということで、ここに落ち着いたのなら悪くはないか。

22年のオプションまで付くことで、22年の先発の選択肢も増えるし、夏にチームが不振で売却となる場合も半年レンタルよりも付加価値を出せるだろう。21年か、もう少し良いくらいで投げてくれるなら満足な内容かと思う。

(追記)やたら時間がかかったけど、MazzaをDFAしてロスター枠が空き、正式発表になりました。


Signed C Chris Herrmann.

捕手のHerrmannと契約。AAAのデプス。


〇 2/16
Signed RHP Hirokazu Sawamura to a two-year deal.
Designated LHP Jeffrey Springs for assignment.

沢村と2年契約が正式発表。2年$3Mがギャランティーで、3年目はパフォーマンス等でオプションの内容が変動し、最大3年$7.65M?くらいになるようです。32歳。名前の点を含めてエースの期待を持って読売ジャイアンツに入団しましたが、メイクアップと制球等で先発としては大成せず。リリーフでも良い時と悪い時の波があるような状態で今日まで来ていますが、先日書いた通り、昨夏の千葉ロッテマリーンズ移籍後は良い投球だった。

精神的な部分がもろに投球に出るタイプで、その意味で額は小さいとは言え、2年契約というのも若干不安はあるが。これも先日書きましたが、球速はあるとはいえ、ムーブのない速球はともかく、スプリッターを含め、変化球は質があるので、MLBでも伸びしろはあると思いますし、額からしても賭けとしては悪くない印象はありますが、如何せん贅沢税ギリギリ、かつ40人枠のやり繰りに苦しんでおり、更には不確実な選手が先発、ブルペン、野手を見渡しても多い中で、更にギャンブルになるような加え方をする必要があったかはやや疑問ですが。

まぁとは言え、決まったものは決まったものですので、上手くいく方向に出てくれるのを期待するのみ。枠はSpringsをDFAして確保。この選手をここまでロスターに置いておくこと自体が個人的には非常に大きな疑問ではあったが。


〇 2/17
Acquired C Ronaldo Hernandez and IF Nick Sogard from Tampa Bay for RHP Chris Mazza and LHP Jeffrey Springs.

DFAしていたChris MazzaとJeffrey SpringsをパッケージにしてTBへトレード。タダでも獲れなくもなさそうな状況で見返りが得られたのも驚きだが、それ以上に驚きなのが、見返りが18~19年あたりには全体Top 50~100の有望株と言われていた、R. Hernadezがやって来たこと。更にマイナーデプスで終わる可能性もあるが、少なくともマイナー下層では文句なしの成績を残しているSogardまで付いてくる。BOSはわずかに金銭を送るのかも。

Hernandezは、1年目の15年はイマイチだったものの、16年に開花。17、18年とLow-Aまでのクラスでパワー面を中心に素晴らしい打撃を見せて高い評価を得た。ただ19年のHigh-Aでは失速。コンタクトは悪くないものの、ハイボールヒッターで低めに弱く、非常にアグレッシブなヒッターのため、三振自体は非常に多くないものの、ハイレベルの投手には苦戦する傾向が見られる。

肩は強いが捕球など、守備全般の動きは未成熟でツール自体への評価もイマイチ。育てばGary Sanchez (NYY)タイプという評判は端的に言い表しているように思う。育成巧者のTBがこの程度の選手の見返りにあっさり出したのも、昨年のATSでのプレーぶりでフロント内部の評価が大きく下がったのではないかという予想もされている。

BOSとしては、NRIを含め、STに呼ばれているマイナー選手としては、Pereda、Wong、Rei、Baldwin、Cottamとおり、AAの捕手が非常に込み合うことになりそうだし、上記のように打撃に関してやや疑問符も付くものの、そもそもDFAした選手たちだし、見返りを得られるだけでも儲けもので、TBでTop 10~15、BOSでも現状としてはまずはそのくらいにランキングされるだろう選手を得られたのはたなぼたと言える。

パワーのツールは文句なしだし、開花できればC/DH等で大きな選手になりうる。ほとんどタダで確率は低いが大当たりが入ったくじを買ったようなもの。もう一人のSogardは19年の下位指名。以前にOAKなどでプレーしたEric Sogardの従兄弟になるよう。SS-Aまでしか実績がないが、コンタクト、選球眼は素晴らしい。ただカレッジ通算2 HR、プロで0 HRのパワーレス度は顕著で上のクラスを生き抜いてMLBまで来る可能性は低そうだが。

TBが何を思って、わざわざ見返りまで払ってMazza、Springを獲ったのか疑問で、Bloomへの忖度じゃないかとも思ったけど、そこはTBだし、上手く使いこなしたりすることもあるのかも。それならそれで、BOSのコーチングなど、どこかに欠陥があることがわかるので、改善につなげて欲しいが。


〇 2/18
Claimed RHP John Schreiber off waivers from Detroit.
Placed LHP Chris Sale on the 60-day IL.

DETからSchreiberをクレーム。横投げで軟投派の選手で、日本には多い対右専門の変則リリーフ。昨年のこういった獲得は、P. Valdez以外ほぼ結果が出ていないし、ワンポイントリリーフが難しくなった時代に、ただでさせ厳しいロスター枠を割くのは無駄にしか思えませんが。


〇 2/22
Claimed RHP Joel Payamps off waivers from Toronto.
Placed OF Franchy Cordero on the COVID-19 IL.

DFAした後、TORにクレームされていたPayampsを今度はTORがDFAしたところをクレーム。...そこまで力入れるような選手だろうか。CorderoがPlaweckiに続いてCOVID-19陽性でILへ。ただでさえ薄い捕手やOFが出遅れている中、M. Gonzalezを正式発表もせず、いつでもどうとでもなりそうなリリーフの獲得に力を費やしていていいものなんですかね...。


Re-signed C Jett Bandy to a minor league deal.

Bandyと再契約。Plaweckiの出遅れに備えてということなのか?NRIに呼ばれているので、とりあえずの数合わせなのかも。


〇 2/24
Signed UT Marwin Gozalez to a one-year deal.
Designated RHP Marcus Walden for assignment.

UTのM. Gonzalezと1年$3M+$1Mインセンティブで合意したようです。31歳。以前の記事にも書きましたが、CHCでキャリアをスタートした選手ですが、11年のRule 5ドラフトでBOSが指名してHOUへそのままトレード。それがキャリア開花のきっかけになり、HOUで固定ポジションではないレギュラー~半レギュラーのような扱いで活躍。17年にはMVP投票でも票が入る成績を残した。

18年オフに2年契約でMINへ迎えられましたが、ここ2年は成績ダウン。17年もHOUがサインスティールで摘発された年なので、そういったゲタをはいた数字の可能性もあり、不調だった20年から多少戻したとしても、.250/.320/.400程度が関の山というところだろう。

守備の方は、元々はSSだったが、近年ではC-IF/C-OF/2Bという負担の小さめなポジションを無難に守る程度になっている。BOSの狙いとしてはDalbecのサポートだろうから、どちらかと言えば打力優先で選びたかったが、一方でOFもAndrew Benintendiの放出で、Verdugo以外確実な選手がいなくなり、ヘルプが必要になる場面もあるし、2BにしてもE. HernandezやArroyoが共に右打ちなので、対右投手ではGonzalezを使う場面も出てくるかも。UTであって損はない。

Gonzalez自体は両打ちで、年によってスプリットがバラつき、あまりどちらが得意とも言えない選手ではある。Dalbecが右打ちなので、左打ちを控えに、と考えるのが自然な流れではあるが、一方でDalbecがそもそも対左にすら苦戦する可能性もあり、場合によってはレギュラーに近い起用をする可能性があるので、その場合を想定すると両打ちという点が生きるかもしれない。

(追記)WaldenをDFAして、Gonzalezとの契約を正式発表に。良い時のWaldenは長いイニングも勝ちパターンもこなせる有用なリリーフだと思うのですがね。


IF Garrett Benge retired.

マイナーのロスターフィラーのGarrett Bengeが引退。


〇 2/27
Acquired RHP Zach Bryant from Chicago Cubs as a PTBNL of Josh Osidh Trade.

フラッグディールでJosh OsichをCHCへ送った際の見返りはPTBNLとなっていましたが、ようやく決まり、右腕のBryantを獲得。22歳。19年のドラ15で、リリーフ専業の選手。速球は最速95 mph程度。動画を見た感じは悪くない印象だけど、レポートや過去のスタッツで見ると、長々と引っ張った割には平凡と思えてしまいますが。

まぁでも元手がタダで、Osichも全く働かなかったので、CHCとしても文句を言われても、という話ではある。CHCは度々Kris Bryantのトレードが話題になりますが、別のBryantを先に出すことに。

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