2020年2月5日水曜日

19'-20' Offseason Boston Red Sox -Feb.-

2月です。ピッチャーキャッチャーレポートの前週まで来て、とうとうMookie BettsとDavid Priceを放出。寂しいですし、今年はPOは厳しそうですが、その先に向けて舵を切ることになりました(前記事はこちら)。


[Transaction]

〇 2/3
Outrighted RHP Denyi Reyes to AAA Pawtucket.

D. Reyesがウェーバーを通過してAAAへ。AAAで開幕予定なんですかね?


Signed an international free agent LHP Stiwar Adames.

17歳のドミニカンレフティーと契約。


Minnesota signed Jhoulys Chacin.

Jhoulys ChacinがMINへ。先発・リリーフと使いまわしがきくので比較的人気があった。


〇 2/8
Signed LF/CF Andrew Benintendi to a two-year deal.

Benintendiと調停を回避して2年契約で合意。今季が$3.4M、来季が$6.6M。$3.4MはBOSの調停申請額。Benintendiは初調停なので、この2年契約が終わっても最後の調停がありますが、来季の$6.6Mは$3.4Mから普通にプレーして上がる幅に達するかどうか、というくらいに思うし、結構割安な印象がありますね。

Benintendi側がこのままだと調停に負けそうなので、折れたという感じなんだろうか。一方で、贅沢税へは平均の$5Mずつで計算されるので、M. BettsとD. Priceのトレードが成立する前提で空いたペイロールで、一部前倒し気味でカウントさせることで、来季以降のフレキシビリティーを出したいということだろうか。


Signed IF Ryder Jones to a minor league deal.

R. Jonesと契約。High-Aあたりの3Bが薄いのでその辺かな?


〇 2/10
Acquired OF Alex Verdugo, C/IF Connor Wong, and SS/2B Jeter Downs from Los Angeles Dodgers for LHP David Price, RF Mookie Betts, and cash.

三角トレードでのMookie Bettsの放出が決定。行先はLADで、David Priceと2人と、Priceの契約をある程度カバーするキャッシュを送る。見返りのメインピースはOFのVerdugo。一方で、投手の見返りでお互いの妥協点が見つからなかったが、Win-NowのMINが絡んで、LADが前田健太をそちらに送り、MINから投手有望株のGraterolを獲得。

事前に噂のあった、Jeter Downsなどを含めたパッケージと比較すると、人数が減った代わりに、質は上がったという評価になるだろうが、どちらもややケガと実績の懸念があり、失敗すると見返り人数が少ないだけにダメージが大きくなるので、良い方向に転んで欲しいが。

Verdugoは23歳。14年のLADのドラ2で、HS時代は二刀流として有名な選手だった。左腕として買っていたチームの方が多いような印象だったが、LADはOFとして指名。結果としては良い感じに出ており、昨年まで全体ランキングの常連の有望株だった。

17年と早くにMLBデビューしたが、最初の2年はLADの層の厚さもあり、十分な機会を得られず、今季ようやくMLBに定着。ケガで離脱するまではレギュラー格を務めた。パワー、スピードはトップクラスとは言えないが平均以上だし、何より打てる。守備もBettsのRF守備は別格だが、CFをある程度守る能力があり、FenwayのRFでもプレーできるだろう。

あと5年雇え、調停期間までもまだ少しあるということで、現在の評価価値としては非常に高い状態。一方でMLBでの実績はまだ1年程度だし、現状でケガの後遺症が完全に抜けた確証がなく、その面では少しリスクがあるが、それらを考慮しても一般的な感覚では残り1年の選手の見返りとしては破格か。

Graterolは常時96~98 mph、最速102~103 mphの速球を持つ、有数のファイヤーボーラーで、19年のMLB昇格では平均99 mphと圧倒的な球速を見せた。上背はあまり無いが、シンプルなメカニクスとキレのあるスライダーも持ち、先発上位を狙える器だが、懸念としては16年にTJを受けており、キャリア5年で18年の100 IPが最高と健康、耐久性に不安がある点。

スタッフは文句なしだが、健康面でのリリーフ行きもありえる選手ではある。と言う感じで、リスクは多少あり、もう一人くらい上位のProspectを引き出したかったし、Priceの金銭負担の額にもよるが、競合が少なく、足元を見られやすい状況では、まぁボチボチよくやったかなとも。ただLADがBettsと延長するようなことがあるのなら、もっと見返りを獲っておくべきだった、ということにはなろうが。

(2/10追記)Graterolのメディカルに結果で話がこじれ、最終的には三角トレードの形ではなく、LADと単体で取引。ただし、Graterolと前田のトレードも同時に成立はしているが。新たなパッケージはVerdugoに加え、M-IFのJet. Downsと捕手と内野を守るWong。ちなみにBOSからのキャッシュは、D. Priceの年俸総額のちょうど半分の$48Mで決まった。

Downsは元々BOSが興味を示したいた選手で、17年のCINのロッタリーピック。BOSのマイナーで1B控えをやっている、Jer. Downsの実弟。兄が平凡なマイナーリーガーなのに対し、HS時代から有名な選手で、現在もMLB傘下全体でTop 100に入る有望株。HS時代からSSとしては非常にパワーがあり、5ツールタイプと見られていて、個人的にも17年のドラフトでBOSが指名して欲しい選手の一人だった。

昨季もHigh-Aでトップクラスのパワーを見せた。ただ、やや引っ張り好きで、アベレージは.269と、文句なく打っているというほどではない。肩、レンジとピュアなSSと比べると少し足りず、18年には多くプレーした2Bが最終ポジションになる可能性が高いと見られるが、スピード的にはCFでも良さそう。BOS的にはPedroiaの引退が秒読みな感度だし、Chavisも2Bを軸にするような雰囲気はない。21年の2Bをある程度想定した獲ったような部分はありそう。

もう一人のWongの方はLAD生え抜きで、17年のドラ3だが、カレッジ出身で現在23歳。LADは比較的運動能力の高い捕手を育てるのか好きな印象で、かつてのRussell Martinを筆頭に、近年ではAustin Barnesなど、捕手だけでなく内外野守る選手が多く、現在の傘下のトップ捕手のKeibert Ruizも運動能力の高い選手だ。

Bettsの見返りにRuizの名前が挙がることも多かったし、傘下の捕手Prospectは壊滅的なので、三番目のパッケージとしてRuizからはグレードダウンするが捕手を得たのも悪くはない気がする。Wongはパワーのある選手だが、三振が多く、19年はなかなか打ったものの、アベレージは下振れする可能性が高そう。

捕手経験が浅いだけに、守備スキルも完成しておらず、リスクは高めだが、上手く打てるなら、攻守にレベルが高く、しかも同じく守備位置のフレキシビリティーのあるC. Vazquezとコンビを組ませながら、徐々にタスクを増やし、Vazquezの負担を軽減できる可能性はありそう。

気になる点としてはあれだけ拘った割には投手を得られなかったこと。まぁしかし、どこもローテ上位候補はおいそれと出してくれないし、特に今回は傘下のOF事情も加味して、Verdugoをショーケースに並べたLADをトレードパートナーにまず決めてしまうのは仕方ないかと思う。

その状況でLADがDustin MayやJosiah Grayを2番目のパッケージで出さないことからすると、パッケージ二枚目は野手のDownsで妥協した上で、中途半端なパッケージ三番手の投手を選ぶよりは早めに戦力になれて傘下に足りない捕手を選ぶのは理にはかなっている。

OFの見返りが必要ない状況なら、それこそSDからLuis Patinoをせしめた方が少なくとも額面上は良かったと思うが、OFありきならVergudoはベスト解だろう。一方で、健康面からリリーフ行き濃厚と見て断ったGraterolだが、個人的には近年の傘下にはいないハイシーリングな選手だったし、リスクはあっても三枚目にボチボチの野手をもらえるならアリかなとも思ってはいたが。


〇 2/11
Signed OF Cesar Puello to a minor league deal.

OFのPuelloと契約。 NYM傘下ではそこそこ有望と見られていたかと思いますが、MLBに適応できておらずジャーニーマンになっている。AAAでの実績は確かなので、4th OF候補として安上がりな選手を選んだのかと思ったが、Kevin Pillarと合意間近らしいので、デプスもしくはロッタリーチケットとしての契約のよう。MLB昇格で$650Kだそう。


〇 2/13
Signed LHP Eduardo Rodriguez to a one-year deal.

Bloomは低予算チームから来たからなのか、調停に進むのをあまり嫌がっていない印象で、E. Rodriguezとはチーム側の主張が通り$8.3M。今季はチーム側が調停に勝っているケースがほとんどだけど、MLBTRとかでもかなり精度の高い調停額が出てきている時代なので、チーム側は勝てるギリギリを狙って額を出しやすい環境なのかなと。


〇 2/14
Signed OF Kevin Pillar to a one-year deal.

Pillarとは1年$4.25Mで確定。Verdugoが背中のケガで開幕アウトの可能性が高まっており、レギュラーとしてもそれなりに通用する可能性のある選手という意味ではちょうどよかったか。$5M以下ならボチボチと思っていたので、額もまぁそのレンジ。


〇 2/17
Chicago White Sox signed OF Gorkys Hernandez.

Gorkys HernandezがCWSと契約。


〇 2/18
Milwaukee signed UT Brock Holt.

比較的人気が出ると言われながらも市場に残っていたBrock HoltがMILへ。恐らくですが、BOSと再契約の可能性を考えていてくれたのではないかと。$3.25Mに打席数のインセンティブ、21、22年に$5Mのオプション。

Perazaを$3Mで獲るくらいなら実績とBOS愛の強いHoltと再契約してもらった方がよっぽど良かった気もしますが。左打ちでChavisとの相性も基本的には良いはずだったし。Mookie Bettsのトレードに時間を掛け過ぎて、PerazaやらM. Perezなど、少し実力に疑問のある選手を先に抑えざるを得なかったのが原因かと。


〇 2/19
Signed RHP Stetson Allie, C Jonathan Lucroy 1B/OF Joey Meneses, OF Johan Mieses to minor league deals.

Lucroyとマイナー契約。MLB昇格で$1.5Mだそう。Lucroyは少し落ち込みがあるものの、数年前まではMLBトップクラスのバランス型捕手だった。控えにはPlaweckiがいるが、新監督のRon RoenickeとCIN時代の師弟の間柄で開幕は何もなければPlaweckiで行きそうだが、Plaweckiの打撃が伸びず、Lucroyがマイナーで打っていれば、その内Lucroyの方を使うことになりそう。

またAllie、J. Meneses, Miesesの3人とも契約。AllieはHSからのドラフト時に二刀流かつ100 mph近い剛球を投げることで有名だったが、ノーコンですぐに野手転向。それもあまり上手く行かずにここ数年は再び投手にチャレンジしていた。


Signed an international free agent RHP Yordanny Monegro.

17歳のドミニカンRHP。


Released C Justin Qiangba and 1B Keibert Petit.

下層の選手をリリース。Justin Qiangbaはチベットからの初めてのMLB傘下入りでしたが、ほとんどプレーせず。



〇 2/23
Claimed RHP Phillips Valdez off waivers from Seattle.
Transferred 2B Dustin Pedroia to the 60-day IL.

SEAをDFAされていたValdezをクレーム。28歳。TEXをDFAされてSEAに移ったばかりだった。マイナーでは先発だったものの平凡な奪三振率でMLBではリリーフに。見どころの少ない選手ですが、マイナーオプションが2つあるのでデプスとしては、というレベルか。STが始まったので60日ILが可能になったことから、Pedroiaを60日ILに登録して枠を作っています。

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