2010年2月25日木曜日

Former Sox Prospect Review: Peter Hissey, OF

第5回目は08年ドラフトのOF Peter Hisseyです。BOSの大好きなアスレティック5ツールタイプのOFで、Ryan Westmorelandと同期かつ指名順位も近く(08年4巡目と5巡目)、すでに全体でも上位にランクされる彼に負けないようガンバって欲しいProspectです。今のところそこまで目立つ選手ではありませんが、BAのJim Callisさんを始め、各誌のライターがこぞってBOSで来年ブレイクしそうなProspect No.1に挙げているので早めに取り上げてみました。


Photo from SoxProspect.com

[Paleyer Data]

Name: Peter Hissey (ピーター・ヒッシー)
Full Name: Peter McLoad Hissey
Positions: CF/RF/LF
Born: January 17, 1990
Birthplace: West Chester, Pennsylvania
Height: 6-1
Weight: 180
Bats: Left
Throws: Left
Drafted: 4th round, 2008
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $1,000,000
High School: Unionville HS (PA)
How Left: Minor league free agency (November 2014)
Player Link: MiLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, Baseball Cube, SP.com


[Scouting Report]

タイプ的には元々Ryan Kalishに比較されていたように、コンタクト、肩、スピードと満遍なくツールを揃えた5ツールのアスリートタイプで、選球眼がとてもいい点も共通している。ただKalishよりも体格で劣り、パワーポテンシャルに関してはうまく育っても平均レベルに達するかどうか。スムーズなスウィングで広角に打ち分ける。スピードは最高クラスではないにせよしっかりしており、レンジ的にも現時点ではCFになれると言われている。ただこれ以上筋肉が付くと両翼に回らざるを得ないかも。肩は悪くないが、MLBのRFとしては平均以下。インテリジェントなプレイヤーだ。


[Background]

ドラフト時のランキングはBA #136。兄のDavid Hisseyは09年にPHIからドラ50で指名されて、1年だけプロでプレーした。HS時代はバスケットボールでもスターだった。Virginia大にコミットがあった。


[Profile]

08' : GCLとSS-A Lowellでプレー。

09' : 初のフルシーズンをLow-A Greenvilleで過ごしました。プロ入りして以来、まだ1本もHRを打っておらず、パワー不足がやや印象を悪くしているが、若い選手は比較的じっくり育てるBOSの中では高卒ドラフト組で、翌年からLow-AというのはLars AndersonやAnthony Rizzo、Casey Kellyなど、限られた選手のみだし、数字的には目立っていないが、後半戦は.300を超えるAVGを残しています。

10' : High-A Salemに昇格。リーグでも最も若い選手のカテゴリーに入るため、仕方ない面もあるが、かなりコンタクトに苦しみ、彼のようなタイプとしては三振も多過ぎる。BBはそれなりに選んでおり、ディシプリンを持って打席に臨んではいますが、簡単に追い込まれる場面も目立つ。

11' : 再びHigh-Aに戻ったが、あまり向上の跡が見られず。三振こそ少し減ったが。

12' : STで身体が強くなっており、良い状態と聞いていたが、AA Portlandで、開幕から数試合打てずで、その後DL入り。復帰後6、7月と打てていたが、最後は尻すぼみ。二塁打は少し増えており、向上した面も感じなくはないが、やはり本来の期待にそうことはできず。

13' : AAでプレーもケガで多くの試合には出られなかった。相変わらずスピードはあるけど、非力な選手としては三振が多すぎる。

14' : 開幕はShane Victorinoの離脱による玉突き人事で急遽AAA Pawtucketへ。その後はAAに戻ってプレーし、アベレージ .287を残したが、ケガで多くの期間を離脱。

14' Nov. : 結局期待されたようには伸びず、MiLFAで退団。


[Comemnt]

肉体的にも成熟してくるだろうし、今後は少しパワー面で進歩を見せたいのと、やはりRFとしてはやや価値が下がってしまうので、できればレンジ、ルート取りなどを向上させて、CFとして見れるようになってくれるといいかなと思います。

10' Top100 Prospect Ranking by Baseball America

BAからとうとう全体Top100が出ました。注目していたNo.1はATLのJason Heyward。Stephen Strasburgは2位。この2人はやっぱり抜けてますね。Fernando Martinez (NYM)が低すぎるとか、色んなところで、色々言われていますが、個人的には順当なRankingに見えます。ただいつも思うけどBAは球威への評価が高いProspectは高めにつきやすいかなと。


[BA: 10' Top100 Prospects]

1. Jason Heyward, of, Braves
2. Stephen Strasburg, rhp, Nationals
3. Mike Stanton, of, Marlins
4. Jesus Montero, c, Yankees
5. Brian Matusz, lhp, Orioles
6. Desmond Jennings, of, Rays
7. Buster Posey, c, Giants
8. Pedro Alvarez, 3b, Pirates
9. Neftali Feliz, rhp, Rangers
10. Carlos Santana, c, Indians

21. Ryan Westmoreland, of, Red Sox
24. Casey Kelly, rhp, Red Sox
75. Josh Reddick, of, Red Sox
87. Lars Anderson, 1b, Red Sox


BOSからは4人がランクイン。TBの6人が抜けていて、4人は3位タイ。TEXとかには劣るんでしょうけど、まずまずかなと思います。Kalishのランク外はちょっと残念ですけど、Larsが入っただけでもよしとすべきなんでしょうね。

2010年2月15日月曜日

09'-10' International FA - BOS Signing Information

BOSのInt. FA契約情報まとめ。


[09'-10' BOS International FA Signing]

☆ SS Jose Vinicio (6/9) : 今季の市場で最も注目されているのは、Miguel Angel Sanoというドミニカ人の大型SSで、PITが$4Mほどで獲得するのではと予想されていますが、BOSはSanoではなく、Jose Gregorio Vinicioという別のドミニカ人SSを$1.5~2Mほどで獲得するのではないかと言われています。7/10に16歳になるそうで、契約するならそれ以降。Sanoほどの体格とパワーはありませんが、将来的には15-20本打てると言われています。両打ちで、守備も良く、将来的にもSSに残れると言われています。Edgar Renteriaと比較する声があり、傘下で言うと、Tejedaと似たカンジの選手だと思いますが、獲得できるなら期待したいですね。

☆ LHP Victor Payano (6/20) : Vinicioに続いて、左腕のPayanoもBOSが契約を勝ち取りそうという噂です。長身(6' 3")の左腕で80 mph後半の重いシンカーにスライダーとチェンジアップを投げるようです。制球もまずまずとは言われていますがスカウティングビデオでは今イチ。変化球も今のところ特に素晴らしいというほどでもないみたいですが、体格がいいので、成長して球威が上がってくればいい投手になるかも。当初は$0.6Mくらいと評価されていたみたいですが、BOSは$0.9Mほど払うのではないかという話で、順調に行けば、7月2日に契約できるでしょう。

☆ RHP Raul Alcantara (6/30) : 7/2の契約解禁日(日本時間で今日の夜)を控え、もう1人、すでに契約がほぼ決まったという情報が出ています。ドミニカンライティのAlcantaraと言う選手で、$0.5Mほどで7/2に契約するだろういうこと。ボーナスはさほどでもないですが、6' 3"と長身で、今季のInt. FA市場では最大のスリーパー(実力の割に評価や人気が低い選手)と言われています。あるスカウトによると、これまでで最高のボーナス($4.25M)となった昨季のMichael Ynoa (OAK)よりも良いとか。90 mphほどの速球とチェンジアップに素晴らしいパワーカーブを投げます。さすがにYnoaよりも上とは考えづらいですが、ポテンシャルが高そうですし、いい契約だと思います。

☆ Other Player in Interest (7/1) : 他に契約がおそらく決まりという段階の情報ではないものの、BOSが興味ありと言われているのがドイツ人のCF Max Kepler。16歳で5ツールタイプだそうです。ついこの間、オランダからKortstamという選手を獲得したばかりですが、最近はヨーロッパでも積極的にスカウトしてますね。

あとは競合している選手が何人かいて、RHP Chris Cabrera、OF Jose Pena、SS Jose Iglesias、RHP Chax Tomosina、RHP Rafael DePaulaなどの名前が上がります。CabreraはNYYなどど競合してますが、BAのLatin Prospectのランキングにも名前が挙がるレベルの投手。PenaもTop10に入るOFですし、今季はかなり積極的なように映ります。Iglesiasはスカウティングで20-80の80がつく守備が売りの選手です。

DePaulaは昨季すでに契約可能だったのが、Michael Ynoaとの競合を避けるために、今季市場に出ることにしたみたいです。ただ今はサスペンション中らしく、契約はまだできないみたいです。他のチームや選手の動向についても少し。Top ProspectのSanoは相変わらずPITがフロントランナーですが、興味を示すチームは多いのでまだどうなるかは未定。G. SanchezはNYYが結局$3Mくらいまで出しそう。W. Mateoは$3.1MほどでSTLにほぼ決まった模様です。あとはWBCでも話題になった、Cubaの100 mph左腕Aroldis Chapmanが亡命する(した?)みたいです。これはスゴい争奪戦になるんでは...


☆ 7/2 - SS Jose Vinicio, LHP Victor Payano, RHP Raul Alcantara and RHP Mario Alcatara : あくまで合意(メディカルチェックやドラッグチェックを通過したあと、正式にサインするはずです)ですが、上記の4選手と契約です。ランキングの上位に名前を連ねる中から数人穫れたのは嬉しいですね。OFは興味を示していた選手を他クラブに獲られたので、あとはOFを狙いに行きそうです。


☆ 7/9 - SS Jose Iglesias : キューバのSS J. Iglesiasと契約をかわしたようです。$6Mのボーナスを含めた4年$8.2Mの契約だそうです。守備はすでにMLBクラスに近いレベルで、将来的にはゴールドグラブの候補ですが、問題はMLBに定着できるほどに打撃が伸びるかということで、体格的にもかなりこれは微妙なところです。現在はHigh-Aクラスの完成度と言われており、4年でMLBに到達するかも怪しいです。AAにはA. Diazもいますし、正直この契約はあまり高く評価しない人が多いでしょう。


☆ 8/4 - Won't sign LHP Victor Payano : 7/2に$0.9Mで契約合意と言われていた左腕のPayanoですが、メディカルをパスできなかった模様で、契約しないということです。左腕なので残念ですが、先は長いですし、ケガの不安が大きい選手を獲るのも微妙ですしね。Int. FAではもう少し良い動きができると思っていたんですが、今のところ想定通りに運んでません。


☆ 8/16 - LHP Richardo Betancourt, RHP Iago Januario : 7/2に左腕のR. Betancourtと、7/9に右腕のJanuarioと契約をしたみたいです。ポテンシャルが高いと嬉しいですね。あまり情報はないので、来季のDSLを楽しみにしたいです。


☆ 8/28 - C Jair Bogaerts, SS Xander Bogaerts : オランダ領アルバ出身のBogaerts兄弟と契約。オランダは最近注目されている若手の産地ですし、積極的に開拓したいですね。DSLが濃厚。

2010年2月13日土曜日

Former Sox Prospect Review: Drake Britton, LHP

第4回目の今回はTJ(トミー・ジョン手術)から復帰した、パワー左腕のDrake Brittonを紹介します。そういやSP.comの方でもProspectの今季のOutlook(展望)が始まってまして、第1回がKyle Weiland & Tim Federowicz、第2回がAlex Wilson & Will Middlebrooks、第3回がRoman Mendez & Derrik Gibsonでした。ちなみにウチは第1~3回がR. Mendez、Weiland、Middlebrooks...マイナーリーグを追いかける記者になれるかも(笑)。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Drake Britton (ドレイク・ブリットン)
Full Name: John Drake Britton
Positions: LHRP/LHSP
Born: May 22, 1989
Birthplace: Magnolia, Texas
Height: 6-2
Weight: 215
Bats: Left
Throws: Left
Drafted: 23rd round, 2007
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $700,000
High School: Tomball HS (TX)
MLB Debut: July 20, 2013 (Boston)
How Left: Claimed off waivers by Chicago Cubs (February 2015)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

Brittonの現在の球威は常時92 mph以上で、最速は97 mphにも達しています。若い選手がTJを受けて球威が上がるのは、たまにあることですが、TJ前は92~94 mph程度だったのでかなり大きく上がっていると言える。更にプラスから将来的にはプラスプラスかもしれないと、高い評価をされる、70 mph中盤の12-to-6カーブがあるのも魅力。球威だけならJon Lester級で、今やBOSにおいてフロントラインクラスになりうる最右翼のProspectかもしれません。 メカニクスもLesterに似ていると言われ、比較的評価が高い選手だが、制球自体はTJもあったけど、ここまであまり良くないので、ここをまず磨くことが重要。 また80 mph前後のチェンジアップも発展途上。これをしっかりしたサードピッチとして確立することも、先発になるための重要な要素。


[Profile]

08' : 08年にSS-A Lowellでデビューし、8試合ほど投げたが、やや制球に苦しみ、成績は平凡。この時にはすでに腕に違和感があったようで、そこでシーズンエンド。TJとなった。

09' : 当初の予測では09年を全休と言われていたが、思ったより早く、ショートシーズンクラスが始まってしばらくしてGCLで復帰。GCLとSS-Aで、7 G/11.2 IPに投げただけだが、ケガ前より腕の強さが上がったと本人も認めるように、球威が上昇し、19 Kを奪った。

10' : Low-A Greenvilleで開幕。TJで少し昇格が遅れたこともあり、早めにHigh-Aに上げるかとも思ったけど、TJ後ということで、ムリはさせず、IPもかなり絞っています。被打率、K/9等はいいものの、開幕前の評判からするとちょっと物足りない感じに。

11' : High-A Salemで、いよいよ本格開花の期待が高まったシーズンだったが、まさかの大暴落。球威が出ていない訳ではないが、コマンドが安定せず、簡単に打たれ続けた。

12' : 失望のシーズンとなった前年から一転、High-Aでしっかり投げると、AA Portlandでも大崩れすることなく、しっかりとローテで投げた。まだ制球にはやや不安を感じたが、そこそこ三振も奪えており、ゴロも打たせていた。ただ速球のコマンドを優先し、ややアームスロットを下げたそうで、かつてプラス以上になるかもと言われたカーブは平凡以下のピッチに。

13' : STでDUIで逮捕。AAで順調なシーズンを送り、AAA Pawtucketに昇格。1試合に先発した後、Andrew Millerが故障したこともあり、リリーフとしてMLB昇格。7/20のホームNYY戦の8回ノーアウト1、2塁の場面でMLBデビュー。最初の対戦打者はイチローだった。昇格後はしばらく無失点を続け、しっかりした左腕リリーフの可能性を見せている。

14' : 全く言い訳しようのない最悪なシーズンだった。ST序盤でJohn Farrell監督を唸らせる好投を見せたが、後半になって打たれ始めると、初めてリリーフに専念したシーズンで全く良いところが無かった。四球が多く、K/BBは1を切る始末。被打率も高く、左もあまり抑えられなかった。ただAAAで最終盤少し調子を取り戻すと、セプテンバーコールアップでもまずまずの投球。

15' Feb. : Alexi Ogandoとの契約によりDFAされてTheo Epsteinさん率いるCHCがクレーム。

15' : CHC-AAAでスウィングマン的に投げるもさっぱり。

16' : DET傘下AAAで投げたが、三振もほとんど取れず。

17'~18' : 独立リーグでプレー。


[Comment]

それにまだ長い回をそこまで投げていない選手なので、球威の維持やシーズンを投げるスタミナなども付けていかなくてはなりません。左腕でパワーアームだから、そこまで大きな問題にはしばらくはならないでしょうが、できればチェンジアップも少し改善させたいところ。貴重な左腕だし、これ以上ケガしないように、気をつけて育てたいですね。Brittonは、あんまし世間的には評判のよろしくないBOSの07年組ですが、個人的にはこの年くらいから、bmbさんとこのブログに触発されて、Prospectやドラフトに興味を持ち出したこともあって、結構思い入れのある世代です。それに07年は高校生を多くピックした年で、カレッジ出の選手が嫌いなわけではないんですけど、やっぱ高卒選手の方が、どうなるかわからない危うさもあるけど、伸びしろが大きくて長い目で見れるから面白いってのもあります。

(15年追記)左腕エースの期待が、左腕先発、左腕セットアップと下がり、最終的には左のリリーフにもなれず他チームへ。本人のメイクアップの問題もあったけど、Rule 5ドラフトやマイナーオプションの問題が無ければ、もう少しガマンできたのかなと思うとちょっと残念。

2010年2月9日火曜日

Former Sox Prospect Review: Will Middlebrooks, 3B

第3回はBOSのNo.1 3B ProspectのWill Middlebrooksです。先にDrake Brittonなんかを取り上げたかったんですけど、投手ばっかだったので、野手Prospectでは一番好きな彼を先にしました。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Will Middlebrooks (ウィル・ミドルブルックス)
Name: William Scott Middlebrooks
Positions: 3B/1B/SS/2B/(RHSP)
Born: September 9, 1988
Birthplace: Texarkana, Texas
Height: 6-3
Weight: 220
Bats: Right
Throws: Right
Drafted: 5th round, 2007
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $925,000
High School: Liberty-Eylau HS (TX)
MLB Debut: May 2, 2012 (Boston)
How Left: Traded to San Diego for Ryan Hanigan (December 2014)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

5ツールタイプのバランス型3B。高校時代はSSでしたが、6'4"と非常に大柄で、BOSもSSで起用するか悩んだみたいだが、将来的には3Bになると見られており、最終的には3Bとして育てることにした。 選手としての特徴は、打力そのものよりも、傘下のIFで最高といわれるキャノンアームと、元々SSだったことを伺わせる守備力などを併せた総合力と言える。体格の割には信じられないほどスピードがあると言われ、走りまくる選手ではないにしろ、3Bとしては平均以上。MLBでも3Bとして十分な守備者になれると見られている。コンタクト能力はすごく高いわけではないですが、スウィングスピードは早く、プラスのパワーの持ち主。ディシプリンには未だ難を抱えるが、この部分が磨かれてこれば、3Bとしても平均以上のパワーを示すだろう。また年々引っ張りだけでなく、広角へのパワーを発揮できるようになっている。


[Background]

ドラフト時のランキングはBA #36。07年にBOSが指名した中では最高の選手と言われていた。HS時代は投手やフットボールもプレーするアスリート。Texas A&M大との2スポーツのコミットがあった。08年のSTではSSとしてプレーするが、ここでBOSは3B転向を決断。XSTで3Bにコンバート。


[Profile]

08' : 満を持して向かえた08年のデビューではSS-A Lowellで、コンタクトに苦しみ、209 ABで73 K。期待していたファンを大きく失望させたが、最後の1月ほどは適応を見せた。

09' : Low-A Greenvilleで、フルシーズンクラスデビューを飾り、ここでも前半戦はやはり苦しんだものの選球眼ではやや改善を見せ、後半戦はOPS .800以上をキープ。まだまだ三振は多いものの、期待されたパワーも少し見せ始めています。

10' : High-A Salemで、過去2年とは異なり開幕から絶好調。OPSが1.000を超え、また守備力でもスカウトを驚かせた。すぐにAAに昇格して、Top Prospectに名乗りを挙げると思ったんだけど、All-Starの辺りから調子が下降。前半改善が見られた選球眼も後退した。最終的には、前年より成績を引き上げたし、12 HRと期待のパワーも見せ始めたが、AVG、OBPなどは平凡。またK/BBが落ちていることを懸念する声も。

11' : 序盤からAA Portlandで絶好調。MLB全体にも名前が知られるようになり、Futures Gameにも出場。終盤AAA Pawtucketに昇格後はやや苦しんだものの、トータルで23 HR(+AFLで4 HR)。広角に長打を放てる能力も見せ始めた。ただやはりK/BBはイマイチで、スタッツ重視のファンからは育って平均レベルのレギュラーとも言われはしたが、BAなどから傘下でNo.1のProspectとされるように。

12' : 開幕からAAAで猛烈なスタートダッシュ。たったの24 G/93 ABで9発を放ち、絶好調で4月を終えると、5/2にKevin Youkilisの離脱したMLBにコールアップ。デビュー戦で二塁打を放つと、2試合目には早くもMLB初HR。次の日にはRF、LFに2本のHRを打ち分けるなど、瞬く間にチームの主軸打者と言えるほどに。

13' : 前年の手首のケガの影響に、STで肋骨を痛めた影響もあったのか、春先から調子が上がらず、見事なほど二年目のジンクスに嵌った。一旦DL入りして復帰も、Jose Iglesiasの台頭もあり、とうとう再びマイナー行きを告げられた。これには本人もショックを受けたようですが、IglesiasがDETにトレードされたこともあり、再昇格すると打撃爆発。前年の成績がフロックでないことを証明している。また一時期は2B控えがいなかったこともあり、HS以来の2B守備に就いた。

14' : Stephen Drewと再契約せず、SS Xander Bogaerts、3B Middlebrooksでスタートし、飛躍を期待されたものの、またもケガも少しあり、伸び悩むシーズンに。

14' Dec. : Pablo Sandovalとの契約により、3Bのポジションを失い、Ryan Haniganとの交換でSDへトレード。

15' : 開幕時レギュラーを務め、しばらく打っていたが、徐々に成績を落とした。控えに降格し、プロで初めてSSを守ったりもしたが、最終的にはマイナーに降格。マイナーでもイマイチ打てていない。

16' : MILへ移り、リビルドチームでの再起を喫したが、開幕から全く打てず、マイナーに降格。PCLの環境もあり、AAAでは打っているが。

17' : TEX傘下のAAAでまずまず打ってアピールし、終盤戦に機会を得て、しばらく打っていたが、結局は数字を落とし、アピールできず。


[Comment]

10年は、開幕ダッシュでいよいよ本格開花、と期待したけど、結果的には期待通りには行かなかった。ただ攻守で、着実に成長の気配を見せており、来季こそは。攻守に優れた素晴らしい3Bになれると思っているし、来季を楽しみにしたい。

(12年追記)マイナー下層では苦しんでいた選手で、決してトントン拍子で上がってきたわけではないですが、BOSらしく、じっくり磨きあげて、攻守ともに隙のない、素晴らしい選手になってきていると思います。自分的には平均以上のレギュラーどころか、十分に何度もAll-Starに選ばれるだけのポテンシャルがあると思います。今後何年もBOSの3Bは任せました!

(14年追記)ハムストリングを中心にケガも多かったし、本人にも原因はあったと思うけど、Ben Cherington GMの一貫しないチーム作りにも多大な被害を蒙ったと思う。マイナーに落とすなら落とすで、中途半端にすぐに上に上げたりしないで、何が問題でブレイクし切れないのか追求すべきだったと思う。まだ若いし、パワーは疑いがない。新天地でブレイクし、MLBのスター3Bになっていくことを願っています。

2010年2月8日月曜日

Former Sox Prospect Review: Kyle Weiland, RHP

Prospect紹介の第2回は、個人的なお気に入りのKyle Weilandです。ズバ抜けたエース級という訳ではないですが、重い速球を軸に、あと1、2年でBOSのマウンドで活躍してくれるかもしれない選手。しかし、思ったよりいいペースで書けてますね(何でも最初は調子いいんですが(苦笑))。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Kyle Weiland (カイル・ワイランド)
Full Name: Kyle Edward Weiland
Positions: RHSP/RHRP
Born: September 12, 1986
Birthplace: Albuquerque, New Mexico
Height: 6-4
Weight: 195
Bats: Left
Throws: Right
Drafted: 3rd round, 2008
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $322,000
College: Notre Dame
High School: Eldorado HS (NM)
MLB Debut: July 10, 2011 (Boston)
How Left: Traded to Houston with Jed Lowrie for Mark Melancon (December 2011)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

投手として理想的な体格だ。メカニクスは、バックモーションがやや大きく、ランナーを出すとよく走られるし、コマンドも悪くなる。それなりに成功を収めているから、BOSはフォームをあまりいじっていないが、少し整えた方がいいようには思う。彼の最大の武器は最速で96 mph程度の重く沈む速球で、これは失投も少なく、プロ1年目は80%がこの球種だったように、非常にいい球種だ。フォーシームとツーシームのどちらも投げる。セカンドピッチは70 mph後半のカーブで、スリークォーターくらいのスロットから投げるため、クラシックな12-to-6ではなく、どちらかと言うと、スウィープするような変化をする。これと79~83 mphのチェンジアップを持ち、いずれもプラスのポテンシャルがありますが、速球と異なりややコマンドに難があり、すごく三振を奪ってはいない。11年はカレッジ時代に使っていたカッターを再びレパートリーに加えた。BOSは彼のカッターをあまり見たことがなかったが、メインの3つのピッチに集中して欲しいと、封印していたようだ。


[Background]

ドラフト時のランキングはBA #88。カレッジではクローザーだった。この年のドラフトではドラ1sでBryan Price(Victor MartinezのトレードでCLEへ)、もう1つのドラ3でStephen Fifeと3人のカレッジピッチャーを上位指名した。特徴的なのは彼ら全員が、カレッジでは先発よりもリリーフ経験が深かったこと(Fifeのみはジュニアーのシーズンから先発転向)。Justin MastersonやNick Hagadoneもそうでしたが、カレッジのリリーバーをスターターにコンバートするのはBOSが近年好んで用いる作戦で、契約金が比較的抑えやすいのもメリット。


[Profile]

08' : ドラフト後、SS-A Lowellでプロデビューし、素晴らしい投球を見せた。特に終盤5試合ほどは失点0で、ノーヒッターも記録した。

09' : PriceやFifeと異なり、Low-AをスキップしていきなりHigh-A Salemでスタート。6登板ほど打ち込まれ続けて、ちょっと失望しかけたが、その後は急速に内容を改善。高いGB%を示し、K/BB%がイマイチな以外は全般的に優れたスタッツを残した。

10' : AA Portlandで開幕、1年を過ごした。前年と同じく、序盤はやや適応期間を要したものの、以降はソリッド。いくつか酷い登板があったが、クラスが上がったにも関わらず、K/BBは向上。被安打もIP以下。フォーシームの割合を少し増やしたらしく、GO/AOが下がったのと、被HRが増えたのはマイナスだが。

11' : AAA Pawtucketで開幕。過去2年より素晴らしいスタートを切り、前半戦は傘下でも最高の成績。カーブの進歩に加えて、カッターをレパートリーに戻し、対左の成績を向上。奪三振率もさらに上昇して文句なし。MLBデビューを飾るが、やや疲れもあったのか打たれた。ただリリーフではMLBでも結果を残した。

11' Dec. : 見る目のないBen Cherington GMにより、Jed Lowrieと共に、平凡なリリーフMark Melanconの見返りでHOUに放出。

12' : HOUで開幕ローテを掴むが、3試合に投げたところで、肩を痛めシーズンエンド。11月にDFA。

13' : ケガで全休。

14' : 終盤戦にやっと実戦復帰。

15' : 前年は実戦に復帰したが、今季はまた全休。


[Comment]

将来はリリーフと見られているし、フロントラインクラスになるのは難しいとも思うが、先発でソリッドにやれるだけの素質はあると思う。Mastersonのように、先発・リリーフで戦力になってもらいたいですね。

(12年追記)リリーフとしてでも、Melanconよりずっと良いと思っているんですがね。見る目のないGMが就任するとホントに迷惑。BOSよりは有利な環境には間違いないし、HOUでしっかりと成長し、見返してやって欲しいです。

10' BOS Prospect Ranking by Baseball America

そろそろBAも10年のProspect Rankingがでそうです。こちらもちょっと予想してみます。ここはやっぱりツール重視でWestmorelandを1位にするかなと。BAは多分Kalishの守備をあまり評価していないのでReddickが上かな?あとはIglesiasを高くしそうだけどどうか?

[BA: 10' BOS Top10 Prospects]

1. Ryan Westmoreland, OF (予想: Ryan Westmoreland, OF)
2. Casey Kelly, RHP (予想: Casey Kelly, RHP/SS)
3. Josh Reddick, OF (予想: Josh Reddick, OF)
4. Lars Anderson, 1B (予想: Ryan Kalish, OF)
5. Ryan Kalish, OF (予想: Jose Iglesias, SS)
6. Junichi Tazawa, RHP (予想: Lars Anderson, 1B)
7. Reymond Fuentes, OF (予想: Anthony Rizzo, 1B)
8. Anthony Rizzo, 1B (予想: Stolmy Pimentel, RHP)
9. Jose Iglesias, SS (予想: Junichi Tazawa, RHP)
10. Derrik Gibson, 2B/SS (予想: Luis Exposito, C)

Top10はこんな感じでした。予想通りWestmorelandがNo.1。昨年もNick HagadoneをNo.3にしてたBAだけあって、今季不振だったLarsをNo.4と比較的高い位置に。田澤、Fuentes、Gibsonの評価が予想より高くなっていますね。逆にJ. Iglesiasは思ったほどではなかったです。Jim Callisさんは全体のTop100にはReddickまでは入るだろうと言っているようです。


[Best Tools]

Best Hitter for Average : Ryan Westmoreland
Best Power Hitter : Lars Anderson
Best Strike-Zone Discipline : Che-Hsuan Lin
Fastest Baserunner : Wilfred Pichardo
Best Athlete : Ryan Westmoreland
Best Fastball : Casey Kelly
Best Curveball : Casey Kelly
Best Slider : Alex Wilson
Best Changeup : Casey Kelly
Best Control : Casey Kelly
Best Defensive Catcher : Tim Federowicz
Best Defensive Infielder : Jose Iglesias
Best Infield Arm : Will Middlebrooks
Best Defensive Outfielder : Che-Hsuan Lin
Best Outfield Arm : Josh Reddick

ほぼ順当ですが、FastballがKellyというのはちょっと驚き。球威にはそこまでの評価がなかったはずですが、ムーブやコマンドがいいのと、他に候補があまりいないからか。


[Projected 2012 Lineup]

Catcher : Victor Martinez
First Base : Lars Anderson
Second Base : Dustin Pedroia
Third Base : Kevin Youkilis
Shortstop : Jose Iglesias
Left Field : Jacoby Ellsbury
Center Field : Reymond Fuentes
Right Field : Ryan Westmoreland
Designated Hitter : Josh Reddick
No. 1 Starter : Jon Lester
No. 2 Starter : Josh Beckett
No. 3 Starter : Clay Buchholz
No. 4 Starter : Casey Kelly
No. 5 Starter : John Lackey
Closer : Jonathan Papelbon

捕手とクローザーは怪しいけど、ローテは壮観ですね。OFはKalishを外して、FuentesがCFになっていてかなりの高評価ですね。Ellsburyタイプだけど、守備・打撃とも上とも。ReddickがDHというのはどうかと思いますが...


[BA: 10' BOS Top31 Prospects]

11. Stolmy Pimentel
12. Yamaico Navarro
13. Michael Bowden
14. David Renfroe
15. Drake Britton
16. Madison Younginer
17. Stephen Fife
18. Felix Doubront
19. Will Middlebrooks
20. Che-Hsuan Lin
21. Alex Wilson
22. Tim Federowicz
23. Roman Mendez
24. Luis Exposito
25. Mark Wagner
26. Kyle Weiland
27. Dustin Richardson
28. Ryan Dent
29. Jose Vinicio
30. Brandon Jacobs
31. Peter Hissey

BAのProspect HandbookでTop31まで出ました。Top10までは上と同じ。LinやExpositoはあまり買われていないんだなと。Hisseyは今季は色んなところから、ブレイク候補に挙げられているらしいです。

2010年2月2日火曜日

10' BOS Prospect Ranking

BA、BP、FG、JS以外から出ている、BOSのProspect Rankingのまとめです。やっぱり信用度はちょっと下がるかな。


[THT: 10' BOS Top10 Prospects]

1. Lars Anderson : 彼の09年は忘れたい以外の何物でもないだろう。しかし、AndersonのパワーポテンシャルはMiLBの中でもベストの部類に入る。私はまだあきらめられない。

2. Casey Kelly : マウンドこそが彼の未来がある場所だから、BOSはもはや彼をSSで使う実験をそう長いことしないだろう。彼の年代としては、彼の総合的なレパートリーと磨かれている点は並ぶものがない。

3. Ryan Westmoreland : 例えまだ時期尚早かもしれないとしても、私は「彼のスタートはスターへのキャリアの始まりを予感させる」と言うことを恐れないだろう。彼の本当のブレイクは10年にLow-Aで訪れるかもしれない。

4. Michael Bowden : No.3スターターのスタッフを持っていて、Minorでやることはもうあまりない。しかし、彼のMLBでの短いアウティングは今のところあまり成功とは言えない。

5. Stolmy Pimentel : 球速は増加するだろうし、彼の全体的なレパートリーは印象的だ。彼が上のレベルで投げるのが待ちきれない。

6. Ryan Kalish : 常にダークホース的なProspectとして、一つずつ階段を上ってきた。そして、彼の本当のブレイクはもうすぐ訪れるだろう。

7. Junichi Tazawa : 彼は球速を伴ってはいなかったが、自由に使える多くのセカンドピッチを持ち、そのすべてで素晴らしいコマンドを持っている。

8. Josh Reddick : 彼は平均的なMLBでのC-OFになれる素質を持っているが、彼のパワーへの疑問は彼の株を長い間、正当な評価から隠すかもしれない。

9. Reymond Fuentes : 彼のベストのツールはプラスのスピードで、よいバットスピードとラインドライブパワーを持っているが、つまるところ私は彼がAll-Starのポテンシャルはないと思う。

10. Michael Almanzar : 彼のツールは突然消えうせた。しかし、彼はまだ長い道のりの途中であり、彼の途方もないポテンシャルの域に到達するには、より良い態度で練習に臨む必要がある。

ずいぶんと前に出ていましたが、The Hardball TimesのTop10です。他の組織を見てても、昨年評価されていたProspectと今季ドラフトされた選手が大半で、ちょっと信用度に欠けるかも。 昨年のランキングか?と思えるようなちょっとイマイチな出来。LarsはさすがにNo.1には辛いし、Almanzarはないでしょ...


[Gordon Edes (Yahoo.com): 10' BOS Top10 Prospects]

1. Casey Kelly, RHP
2. Ryan Westmoreland, OF
3. Jose Iglesias, SS
4. Reymond Fuentes, OF
5. Josh Reddick, OF
6. Ryan Kalish, OF
7. Lars Anderson, 1B
8. Derrik Gibson, IF
9. Jose Vinicio, SS
10. Anthony Rizzo, 1B

Yahoo.comのGordon EdesさんのRankingです。今年獲得したProspect (J. Iglesias、Fuentes、Vinicio)の評価が高いですね。


[Keith Law (ESPN.com): 10' BOS Top10 Prospects]

1. Casey Kelly, RHP
2. Ryan Westmoreland, OF
3. Anthony Rizzo, 1B
4. Lars Anderson, 1B
5. Ryan Kalish, OF
6. Jose Iglesias, SS
7. Junichi Tazawa, RHP
8. Derrik Gibson, IF
9. Stolmy Pimentel, RHP
10. Reymond Fuentes, OF

ESPN.comのKeith LawさんのRankingです。Subscribeの関係で見れないので、Top100のリストとSP.comのBBSから引っ張ってきました。結構個人的な好みでRankをつける方で、ReddickがTop10にも入ってません。またNo.7の田澤までが全体のTop100で、これもちょっと過大評価に感じはします。Larsの信望者なので彼が高いのと、Rizzoがそれよりもさらに高い位置に。