2011年8月5日金曜日

DET and SEA; Doug Fister and David Pauley Trade

AL-Centralで地区優勝を争うDETがローテの補強にSEAからDoug Fisterを獲得。ローテのうち、Justin Verlanderはさすがだけど、残りの面子がイマイチで、今季ブルペンから転向したPhil Cokeを外してアップグレードすることにした。また同じく不安定なブルペンにDavid Pauleyも加えて、見返りに4人のProspectを放出した。Fisterの実力はまだどこまで信用できるかはわからないけど、取りあえず先発5番手でイニングを稼ぐ力はありそうだし、出したものはホントのTop Prospectとも言い難いから、個人的にはDETに印象が良い。まぁ球威のない2人の投手がどこまで成績を維持できるかによるが。


[Player (to DET)]

Doug Fister, RHP

SEAの06年のドラ7。12年終了後まで調停に入らず、15年まで雇える。平凡なMinor Leaguerとして09年にMLBデビューし、先発でまずまずの投球を見せたが、正直それが続くと思っていなかったし、10年にSEAがリーグ優勝候補とか日本のメディアが騒いでた時には、彼クラスがローテで?とか思っていたけど、それに反して、1年間しっかりローテを守った。今季もMLBで最も援護に恵まれない先発ではあるが、本人自体はさらに向上を見せている。速球は昨季まで平均88 mphだったが、今季は90 mph弱と少し伸びている。球速のあるスライダー(カッター?)、カーブ、チェンジアップと4球種を投げるが、それ以上にそれらを操るコマンドに優れている。


David Pauley, RHP

ご存知、元BOS。元々は01年にSDにドラ8でピックされた。Dave RobertsらのトレードでBOSへ。09年にOut of Optionsになったこともあり、トレードでBALへ。そのまま消えていくかと思いましたが、10年にSEAに移籍すると、投手有利な環境と、タレント不足が重なりローテに入ると、その席を守り続けた。今季はMichael Pinedaの台頭もあり、ブルペンに移ったが、安定した投球を続け、セットアッパーとなっていた。調停まであと1年かな。速球は平均89 mphとあまり球威がないが、高速シンカーという感じのボールで、比較的ゴロ率が高い。スライダー、カーブ、チェンジアップと一通り投げ、今はチェンジアップがメインのようだ。


[Player (to SEA)]

Charlie Furbush, LHP

DETの07年のドラ4。LSUなんですね。先発・リリーフのどちらにも対応できる。速球は80 mph後半からリリーフなら90 mph前半くらい。スライダー・カーブ・チェンジアップと一通り投げるが、ズバ抜けたボールはない。完成度と制球、そして左腕ということで、比較的三振が奪えるが、最大限育ってローテ下位。基本的には対左からミドルリリーフというレベルの投手。


Casper Wells, OF

DETの05年のドラ14。すでに26歳と年齢を食っており、時々爆発を見せるが、ケガの多さもあり、どこまで数字を信じればいいのか難しいところだ。昨季は93 ABで.323と打ったが、今季は.257しか打ててない。やや早打ちだが、パワーがある。また強肩で、守備もまずまず。上手く定着させることができれば、プラトーン以上になりそうだが、AAAAタイプで終わる可能性も否定できない。


Francisco Martinez, 3B

07年にベネズエラから契約。まだ20歳だが、AAで.282と打っている。コンタクト能力に優れるが、非常に早打ち。パワーも今のところあまり発揮できていないし、3Bとしては育って平均というところかも。一方で、エラーは非常に多いが、強肩に加えて、守備センスも評価される。


Chance Ruffin, RHP (PTBNL)

10年のドラ1s。2世選手。トレード成立時はPTBNLだったが、契約から1年経ったので正式にSEAに送られた。DETはBOSみたいにカレッジのリリーバーをスターターでしばらく育てるということをあまりせず、すぐに上げたがる傾向にある。昨季GCLで少し投げた後、今季はAA/AAAにジャンプしているが、うまく適応している。あとはMLBでどうかだが、過去にはRyan Perryみたいにやや苦しんでいる選手が多い。速球はショートイニングに限られるようになって、90~93 mphと上がっている。これにプラスのスライダーを投げるが、チェンジアップは平均以下だ。制球は今のところ悪くないが、メカニクスが少し変わっているのでMLBでどうか。


[Team Analysis (CLE)]

地区優勝を争う上でローテはなかなか苦しい。Brad Pennyは期待外れだし、Max Sherzer、Rick Porcelloといった飛躍が期待される若手も伸び切れていない。昨季MLBでそこそこやっていたAndy OliverをAAAスタートにして、ブルペンからCokeをローテ5番手として使ってみていたが、あまり期待通りには行かなかった。もっともOliverもAAAで不調気味だが。さすが早上げに定評のあるチームだけに、Top ProspectのJacob Turnerを上げてみたりもしているが、さすがに安定した活躍を望むのは酷だろう。

Fisterの上限は限られるし、Safeco Fieldを出てどのくらいのラインで投げれるのかがわからない。もしかしたら現状の面子とさほど変わらないERA4点台中盤くらいになってしまうことも考えられる。これだと目先の強化にはあまりならないし、例えある程度成績を保ったとしても、3番手以上の働きは期待できないと思う。それでも健康で、イニングを稼げる、まだ調停前の先発を確保したのは悪くない。短期的に現状の先発候補から何枚か余るかもしれないが、いずれも若いだけにトレード価値はあるだろう。

またPauleyも同様にクローザーのJose ValverdeとAl Alburquerque以外ERA4点台というブルペンにそれなりの強化となるだろう。Pauleyはさほど球威もないし、Safecoを出て、セットアップというにはやや苦しいようにも思えるが、ゴロピッチャーだし、大崩れはしないのではないかと思う。先発で使う気があるのかはわからないけど、もしもの場合の候補かもしれない。

一方、SEAが要求していると個人的に思っていたレベルの割には見返りはさほど凄まじいとも思えない。FurbushはSEAならそこそこやるかもしれないが、多くのチームならスウィングマン程度と思うし、Wellsは当たれば儲けものというレベル。Martinezも有望ではあるが、3Bに相応しいパワーが付くかは疑問だし、3Bは何と言ってもNick Castellanosがいる。

Ruffinもリリーフだけに凄く痛いというほどでもないと思うし、即戦力のリリーフであるPauleyを得ているのだから、それと一対一でもさほど悪くないという程度だと思う。PTBNLが10年のドラフトの上位3人(Castellanos、Ruffin、Drew Smyly)の誰かと言われていて、DETファンはCastellanosはないだろうと思いながらも少し不安だったんではないかと。


[Team Analysis (SEA)]

Jason VargasやErik Bedardは出すと言われていたけど、Fisterは放出対象ではないとずっと言っていたにも関わらず、蓋を開けてみれば。しかもよっぽどの見返りかと思いきや、2人の今季好成績の投手に対して、得たのはリリーフと先発/リリーフ、それに3Bが実質のところ。Wellsは使ってみるかもしれないが、Safecoで打てるかは微妙なところだし、Greg Halmanとかトレードで得たTrayvon Robinsonなど、その段階のOFは多くいる。

Furbushは取りあえず先発ですぐに使ってみるみたいだし、それなりに投げるかもしれないけど、Fisterから比べればダウングレードには間違いない。Ruffinはポテンシャルで言えばセットアップ以上だし、長い目で見ればPauleyより良いリリーフになる可能性もあるが、昇格を急がせているので、危険性もある。一方MartinezはProspectとしては、Alex LiddiなどSEA傘下の3Bの誰よりも上と言われているし、Prospectとしてはレベルが高いが、まだ20歳でMLBから遠く、当然リスクは高い。パワー面のこともあるし、SEAであるのでなおさらだ。

今季ほぼ絶望で、残り期間の少ないベテランを出すのはわかるが、まだ調停前でしっかり投げている投手を2人も出すのはイマイチよくわからない。来季も再建期なのであれば、それこそFelix Hernandeやイチローまで出して、Prospectをかき集めた方がいい気がするが。FisterやPauleyの成績が保てないと見て、実際にそうなれば、良いトレードだったと振り返られるかもしれないが、現時点ではあまり好印象を受けない。

2 件のコメント:

BF さんのコメント...

お?ポーリー君いつのまにか栄転じゃないですか。よかったね。

フィスターは成績と年俸とFAまでの残り
考えるとこの交換要員じゃもの足りない相手だと思うけど
マリナーズ側もある程度今がピーク
って感じで見てるんですかね。
あまりこう言う調停前のいい先発投手
をプロスペクト獲得のダシに使うて言うのは見ないですよね。
むしろネームバリューのある大物を獲得するために使われる事の方が通常多い気がします。
こう言うポテンシャルのさほどない投手が予想外に磨かれて大成して
上で活躍する姿を見るのは面白いけど
球威がないだけに一旦評価落とすと上がってくるのは難しいと思ったのかな。
にしてもこのチームはイチローやフィギンズのサラリーが来年も重くのしかかりますね。ヘルナンデスのサラリーも来季から大きく上がるしここで出しても不思議はないとも思ったんですが。事実上オールスタークラスって今は彼だけだしお客さんがさらに減っちゃうからかな。
イチローはもう大きな年俸負担したところでどこも欲しがらないんじゃないですかね。すでに5年/10年プレーヤーだと思うけど本人も拒否しそうな気もします。
アクリーは頑張ってると思うけど
スモークは最初良かったのに中盤以降苦しんでますね。
SEAは外野をかなり取ってますね。
マイケル・ソーンダースもとうとう見切りつけられたかな。

ララ さんのコメント...

BFさん

PauleyはSEA出てどこまでやれますかね。上手くいけば、数年は仕事に困らなくなると思うけど。

Prospectは所詮Prospectですしね。残り4年以上もある格安の選手を換えてメリットのある交換相手ならともかくねぇ。RuffinやFurbushは育ってFisterレベルかというくらいですしね。

今でもZuriencik GMの手腕は個人的には疑問ですね。Figinsも獲るなら、その時に年棒負担してでもイチロー出すべきだったと思ってました。今なら欲しがるチーム少ないでしょうね。

SEAは野手は育ちづらいですね。お金はあるんだし、野手はFAでもっとうまく動けばいいんですけど。