2010年6月1日火曜日

Former Sox Prospect Review: Felix Doubront, LHP

続いて、最近とうとうマイナーの最上位であるAAA Pawtucketに昇格した、貴重な先発左腕のFelix Doubrontです。ちなみに愛称は、King FelixことFelix Hernandezにあやかって、Prince Felixだそうです。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Felix Doubront (フェリックス・ドゥーブロン)
Full Name: Felix Antonio Doubront
Positions: LHSP/LHRP
Born: October 23, 1987
Birthplace: Carabobo, Venezuela
Height: 6-2
Weight: 225
Bats: Left
Throws: Left
Drafted: Not drafted
How Acquired: International free agent (July 2004)
Signing Bonus: $150,000
MLB Debut: June 18, 2010 (Boston)
How Left: Traded to Chicago Cubs for a PTBNL (July 2014)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

細身ですが、6'2"とさほど小柄というカンジの選手ではなく、ボールをよく隠すフォームから、速球は91~93mph。10年には少し球威が伸びたとも言われ、最速は94~95 mphほどまで出ている。左腕であることと、ボールの出所が見づらいモーションからMLBの先発としても十分と評価されています。ただコンディション不良やデッドアームもあり、13~14年は球威を落としている。セカンドピッチはしっかりとしたプラスのチェンジアップで、これがしっかりと三振を奪える彼のベストピッチ。79~81 mph程度で、通常の真っ直ぐ落ちるチェンジアップと、利き手側に変化するスクリュータイプのチェンジアップを投げ分けるそう。70 mph中盤のカーブは以前は平均的と言われていますが、10年はかなり向上し、MLBでも三振を奪えるボールに成長した。弱点は、モーションがまだしっかりと固定されておらず、ややコマンドに悪影響を与えているそうです。


[Profile]

05' : 今はBOS傘下のチームはなくなってしまったVSLでプロデビュー。13 GS/64.2 IP/32 H/29 BB/58 K/0.97 ERAという素晴らしい成績。

06' : GCLでUSデビュー。

07' : SS-A/Low-A Greenvilleでそれぞれプレーしますが、ヘルニア等、ケガに悩まされ、イマイチなシーズンを送りました。

08' : 健康面が安定し、Low-Aで23 GS/115.1 IP/115 H/24 BB/118 K/3.67 ERAと素晴らしい成績を残し、ブレイクすると、そのままHigh-A Lancasterに昇格、3試合に先発。シーズン終了後には、Rule 5プロテクトで40人枠入り。

09' : High-A経験3試合ながら、驚きのAA Portland開幕。どう考えても早いと思ってましたが、結果的には21歳にして、AAでフルシーズンを投げ、26 GS/121.0 IP/119 H/52 BB/101 K/3.35 ERAとしっかり成績を残し、傘下の先発投手Prospectの中でも特に左腕ではNo.1と見られるようになりました。

10' : 10年はSTでMLBの打者を相手に好投、AAAで開幕か、と言われたものの、故障者などとの兼ね合いもあり、AAで開幕しますが、8 GS/43.0 IP/39 H/17 BB/38 K/2.51 ERAとしっかり投げ、AAA Pawtucketに昇格。こちらでも順調に結果を残し、6月にはスポットでMLB初先発。数度先発のマウンドを経験したのち、リリーフの惨状もあって、そちらで試されることに。AAAで1試合だけ練習をしたあと、再びBOSに呼ばれ、リリーフとして貢献。ケガで離脱する直前は、Jonathan Papelbon、Daniel Bardに次ぐ信頼度を得ていました。

11' : STで肘を痛めてシャットダウンしたのを皮切りに、ケガに祟られたシーズンに。ややウェイトオーバーだったことも影響したのかも。AAAで不安定な登板に終始。

12' : オプション切れだったこともあり、リリーフに落ち着いてくれれば、という程度の期待だったが、STで先発で起用され、見事にローテを勝ち取り、MLBでほぼ1年ローテを守った。やや被弾が多かったが、序盤から素晴らしい奪三振力を見せつけ、最終的にもイニング以上の三振を奪った。後半戦息切れしたが、9月に入って復調。

13' : STに体重増で現れ、球速も低下。4、5月はボロボロだったが、1試合リリーフで投げると、そこから安定感を増してシーズン中盤は安定してローテを守った。後半はやや息切れ。オフはギリギリのラインでスーパー2にならず。

14' : STには過去最高のコンディションで入ったと言われて期待したが、途中でデッドアームを起こし、冴えないパフォーマンスのままシーズンイン。しばらく先発で投げていたが、不安定なパフォーマンスでシーズン半ばに若手の昇格に合わせてリリーフ降格。先発希望を公言し、リリーフではやる気のない投球に終始した。

14' July : CHCへトレード。

14' : トレード直後はしばらく投げずに過ごしたが、8月末に復帰。三振は取れていないし、最終戦は打たれたものの、4試合に投げてまずまずの成績を残した。

15' : 3月にCHCをリリース後、TORと契約。AAAでまずまず投げて復活の足がかりを掴むと、MLBに復帰。PO争い中で席が無くなったTORからOAKへトレードされ、そこでもまずまず投げている。

16' : OAKのSTで良い投球を見せ、開幕ローテの席を掴んだが、開幕直前に肘を痛めTJ。

17' : TJからの復帰イヤーで、OAK傘下でリリーフとしてまずまず投げている。

18' : 韓国リーグへ移籍するも不振でリリース。

19' : MLB/MiLBでの登板は無かったが、オフのPremier-12ではベネズエラチームとして参加し、日本相手にも投げた。

20' : ウィンターリーグでプレー。

21' : 中国のリーグでプレー。

22' : メキシコの独立リーグでプレー。


[Comment]

まだ22歳と若く、基本的には育成段階。今季は少し体重を増やしたみたいですが、それでもやや細く、もう少し身体的に成熟してもらいたいところ。先発を固めているBOSだから、リリーフ転向や、トレードの噂は上がりますが、10年はかなり成長したし、しっかりとした3球種を持ち、MLBで先発としてやっていける可能性のある選手だし、素質を最大限伸ばして欲しいですね。

(12年追記)めでたく卒業になりました。開幕からパッとしない三本柱をよそに、しっかりゲームを作る素晴らしい先発になりつつあります。今後も期待しています。

(14年追記)素質に恵まれながら、精神面の未熟さでそれを発揮できていない。正直見ていて苛立たしい選手だったし、もう出すしかないというところに来ていたけど、トレードをきっかけに才能を開花させられるように祈っています。

2 件のコメント:

ボストンフィーバー さんのコメント...

たくさんの記事更新お疲れ様で~す^^

プリンスフェリックスですかー。
ポテンシャルはキングには及ばないだろうけど本当にプリンスになってくれるなら十分ですね。
やっぱりSPのスカウティングリポートの欄見てもべロシティは昨年書かれていたものよりかなり上がってますね。STでも結構出てたし。ランクもかなり上がって自己最高位じゃないかな。
スポットとして上で投げるチャンスが
あればまた見たいなあ。
でもバックがこのまま残る可能性高い
と思うけど先発だといずれケリーやファイフとの争いに
なるのかな。最終的にはマスターソン枠に収まりそうな気もしますけどもしトレードされなければウェイクの契約最終年かつオプションの最終年(ですよね?)になる来年がおそらく勝負ですかね。松坂は今年良ければトレードの可能性もかなりあるかなと思ってますけどどうでしょうね。
まあ松坂だけでなく結局他の投手の状態にもよるんでしょうけど。

ケイリッシュも無事昇格しましたね。
ナーヴァが最近やや落ち気味ですね。
ハーミダが最近攻守でダメなんでもっと頑張ってくれればリプレイスしたいくらいなんですけどねー・・・・
守備は実際どの程度か分らないけどスウィッチの使いやすさはありますし。

ララ さんのコメント...

ボストンフィーバーさん

こんにちは~!今日は負けちゃったけど、不安箇所が多い割には勝ってて嬉しいですね(^-^)

リリーフはデルカーメンがガンバってて、7回セットアップになってくれればあとは対左で岡島を組み合わせて、ひとまず終盤は何とか形になりそうですね。

ローウェルはぼちぼち出しそうだし、ボンサーか、ハーミダを上手くくっつけて、ちょっといいリリーフとか控えIFが獲れればいいのかな?松坂さん、最近がんばってるけど、Prospectくれるんなら、自分ならよろこんで出しちゃいます(笑)。

ヘルナンデスはちょっとムリとしても、個人的にはファイフよりはドーブロントかな?ケリーは若さや経験値の割には、という点があるのでProspectのランクとしては劣るでしょうけど、MLBの先発としてはさほど実力差はないと思ってます。

ドーブロントはリリーフよりは先発向きで、しっかりした先発になれると思ってますが、オプション回数の問題もありますし、今季後半から、まずはリリーフでMLBに慣れさせるのも悪くないかもしれませんね。

ケイリッシュは無難にやりそうですね。ナーヴァはInternational Leagueは相当に投手有利なので、悪くないと思いますよ。懸案だったパワーも、このリーグですでに7本だからシーズン20発ペースだし、十分だと。

守備は恐らくレンジ面は平凡ですけど、堅実に守るし、肩も弱くはないんじゃないかなぁ。MLBのRFは平均値が相当高いんで、RFとしては平均以下かもしれませんけど。ケイリッシュより少し弱めくらいの印象です。でもハーミダよりは守るんじゃないかな(笑)。