2013年11月24日日曜日

STL and LAA Trade Analysis; Peter Bourjos, David Freese, and Fernando Salas Trade

STLとLAAの間でトレード。いずれもチームでは同ポジションを務められる、より上位の選手がおり、出しても構わない選手ではあったが、LAAが3Bを明らかに欲していたのに対し、STLは同ポジションにJon Jayがいた。Peter Bourjosの守備を考えれば、アップグレードにはなると思うが、打撃はやや不安定で、アップグレードの幅は読みづらい。Freeseの成績リバウンドにやや不安があるLAAより、豊富な選手層とユーティリティーな選手の多いSTLの方が、守備では確実に計算できるBourjosを加えたという点で、少しリスクは低めかな。STLよりのWin-WinからWin-Evenくらいのトレードに見える。


[Transaction]

STL Acquired : CF Peter Bourjos, OF Randal Grichuk

LAA Acquired : 3B David Freese, RHP Fernando Salas


[Player (to STL)]

Peter Bourjos, CF

LAAの05年ドラ10。父のChris BourjosはSFでプレーした元MLB選手。非常に守備に優れたCFで、MLB全体でもトップクラスのCF守備を誇る。CFでも優れた守備を見せる、チームの顔のMike TroutをLFに追いやるほど。スピードも十分だが、他のオフェンスツールに関しては、飛び抜けてはいない。パワーは無いことはなく、フルで出場すれば2ケタHRを打つ力はあり、AVGも最低限は残せる。出塁マシーンではないが、早打ちという訳でも無い。アグレッシブな守備スタイルもあり、少しケガが多い印象だが、まだ若く、安定して試合に出られれば、一段上の成績を残す可能性もある。今オフが初調停で、残りの保有期間は3年。


Randal Grichuk, OF

LAAの09年ドラ1全体#24指名。LAAはこの年、ドラ1が2つ連続であり、Grichukより1つ後のピックでTroutを指名している。Troutが順調にマイナーの階段を登って行ったのに対し、やや遅れを取ったが、ここ2年はHigh-A、AAでまずまずの成績を残している。パワーポテンシャルを高く評価されており、基本的に両翼タイプ。守備はさほど評価が高くなく、早打ちであることもあり、プラトーン要員になる可能性が高いと見られているが、薄いLAAでは傘下でNo.2のProspectだった。今オフにRule 5ドラフト対策で40人枠に入っている。


[Player (to LAA)]

David Freese, 3B

SDの06年ドラ9。07年にJim Edmondsのトレードの見返りでSTLへ移籍。11年にWSでMVPに輝いたのがここまでのキャリアでハイライトとなっている。飛び抜けた売りはないが、攻守共にバランスの良い選手。12年はキャリアイヤーで20 HRを放っているが、BABIPが高めであったことも考慮すると、パワー面の押しはやや弱め。13年はケガの影響からか、守備のスタッツを落としている。今オフが調停2年目で、13年の年俸は$3.15M。残り保有期間は2年。


Fernando Salas, RHP

STLの07年のInt. FA。10年にMLBデビューを飾ると、11年にはRyan Franklinの不調を受けて、代役クローザーを務めるなど活躍したが、12年は腎臓結石の影響もあり乱調。13年はWBCのメキシコ代表に選ばれたが、チームでは若手の台頭もあり、登板数も減った。速球は90 mph前半。スライダーとチェンジアップを投げ、特にチェンジアップを決め球としている。今オフが初調停で、残り保有期間は3年。


[Team Analysis (STL)]

現在、MLBでも生え抜き率の最も高いチームで、輩出した優れた先発陣を中心に、安定したチーム力を誇っている。今回のトレードの目的としては、どうしてもCFが欲しかったというよりは、やや余剰となってきたFreeseを、調停で割高になる前に放出してしまいたいというのがあったのだろう。現にLAAのFreeseの問い合わせに対し、当初はErick Aybarをトレードに含めることを要望していたよう。ただ最終的には、Aybarには、Shelby MillerやMichael Wachaなどの若手投手を要求されたようで諦めて、SSはJohnny Peraltaへと方針転換したよう。

Freeseの放出に伴って、Matt Carpenterを本来の3Bに戻し、既にMLBでも才能を示しているKolten Wongを2Bで使う。3Bが薄くなったのは少し気になるが、Matt AdamsやPeraltaも3Bを務められることから、大きな穴にはならないだろう。Carpenterの2B守備は向上しているし、優れた3Bがいるなら、Carpenterを2Bで使った方が、オフェンシブな布陣にはなると思うが、Freeseとの比較であれば、高いコンタクト能力を誇るWongでも互角以上の可能性がある。

一方、得たBourjosは、上で書いたように、ディフェンス面では明らかにアップグレード。Carlos BeltranがFAとなり、こう動いた以上、再契約の意志はあまり無さそうだが、Top ProspectのOscar Taverasをどこかで使いたい。SSのトレードのトレードバイトになる可能性もあったが、Peraltaと契約濃厚な以上、その可能性は小さくなった。

LFにMatt Holliday、CFにBourjos、RFにAllen Craigがレギュラーとなり、そこにTaveras、Jay、Shane Robinsonらが絡む。Bourjosを加えなくても、CFでTaverasとJayを併用しながら、Craigを1Bにして、TaverasをRFで使うパターンも組み込んで行けば良いのではないかとも思っていたが、TaverasもRF向きとは言われているし、右打者のBourjosの方がTaverasのコンビ面では若干フィットする。OF全体で総合的に見て、アップグレードなのは間違いない。Salasは既にSTLではほとんど価値は無いし、Grichukも大きな見返りではないが、パワーの可能性は価値がある。


[Team Analysis (LAA)]

LAAは、夏のトレードでAlberto Callaspoも放出してしまっており、Chris Nelsonなども結局失速。3Bを明確に欲していた。Bourjosは優れたCF守備を誇る生え抜きで、悪い選手ではもちろんないが、チームにはTroutがおり、またJosh Hamiltonも年齢とケガのリスクから、LFが最適となっている。Troutはさほど肩が強くなく、RFにはあまり向いていない。Bourjosを残すなら、Troutを我慢してRFで使うか、BourjosをRFに回すかだが、BourjosをRFで使うというムダなことをするくらいなら、トレードに出して、他のRFを狙った方が良いということなのだろう。

RFには成長株のKole Calhounもいるし、Bourjosには劣るが、TroutのCFディフェンスもかなりのレベル。OF全体で見て、大きく戦力を落とすということはない。Bourjosがややケガが多かったことも考えればなおさらだろう。ただどのみちこう動くのであれば、やや売り時を逃した感は否めない。現時点でも、Bourjosはそこそこ他チームに人気のある選手で、1年前なら、もっと良い見返りを得られたんじゃないかな。Freeseも悪くない選手ではあるが、上手くやれば今でももう少し良いパッケージを狙えた感もあるし、明らかに"Sell Low"になってしまっている。

Freeseの成績リバウンドも、これまでのBABIP等を考慮すれば若干不安もある。Salasも有用な投手ではあるが、残り年数、実績共に、スペシャルな選手ではない。余剰気味の選手を使って、穴を埋めたという点では、前進だとは思うが、もう一歩冴えない動きに見える。また、Grichukも、比較的豊富なOFのProspectではあったが、薄い傘下では上位に入るProspectであり、貴重なトレードバイトではあった。まだ先発など、アップグレードが欲しいポジションもあるし、スローイン的に放出するのはもう少し考えた方が良かったんじゃないかと。

2 件のコメント:

STLファン さんのコメント...

個人的には今回のトレードはSTLがやや有利だとおもいます。フリースは調停で年俸が あがるし元々けがの可能性が高い選手ですからウォンが昇格してきた以上カーペンターを本職の三塁に戻せばフリースを放出しても問題ありませんでした。サラスも余剰戦力でしたし本人のためにもより活躍するチャンスがあるチームへの放出はいいと思います。見返りの2人の選手ですがボージャスは守備面で大きなアップグレードが見込めますしグリチャックもパワーを活かしてピスコッティとともにホリデーの後釜になれるように切磋琢磨してもらいたいですね。ちなみにタベラスにはより打撃を活かすためにもセンターではなくライトのレギュラーになってほしいです。

ララ さんのコメント...

STLファンさん

最初パッと見た時は、どっちもどっちかな、と思ってたけど、チームのデプスチャートとかを見ていると、STLがちょっと上手いのかなと。

正直、この前STLを応援している方にコメントをいただいた直後ということで、この記事をあげるのは若干怖さを感じていたのですが、大まかにはズレていなかったのかな、というところでちょっと安心しました(笑)。

Taverasは、通常のチームであれば文句なくRFのレギュラークラスを与えられてしかるべきだと思うけど、選手層豊富なSTLということで、完全なレギュラークラスでのスタートにはならなそうですが、全マイナートップクラスと言われる実力は確かだと思うし、上手く機会を生かして定着してもらいたいところですね。