このシリーズ書くの久しぶりですね(汗)。この冬最初のブロックバスターが成立です。強豪TEXとDETのそれぞれ主軸選手の交換。TEXは余剰のM-IFを使って、弱点の1Bの強化。DETはペイロールを空けつつ、オフェンス面で大きくは落ちない選手との交換。どちらもチーム状況に非常に即しているし、Win-Winのトレードなのは間違いない。どちらのチームも中軸選手を出しながら、同ポジションをこなせる内部の代替案があるというのが決め手だったと思う。ともかくこれでSTLはTEXからSSを譲ってもらうことは無くなりそう。
[Transaction]
☆ TEX Acquired : 1B Prince Fielder, Cash ($30M)
☆ DET Acquired : 2B Ian Kinsler
[Player (to TEX)]
☆ Prince Fielder, 1B
父は阪神タイガースでプレーした後、MLBで二度のHR王のに輝いたCecil Fielder。MILの02年ドラ1全体#7で、1Bとしては低めの身長や運動能力の無さへの懸念も強かったが、MLBを代表するスラッガーに成長した。11年までをMILで過ごしたあと、契約延長せずに、FAでDETから巨額の契約を得ていた。現行契約は12年から20年までの9年$214Mというもので、来季からは毎年$24Mを受け取る。フルのノートレード条項があったが、破棄して移籍へ。
ずんぐりした体格に見合った、優れたパワーの持ち主だが、それ以上に高い打撃技術を持ち、広角にラインドライブを放つ。左投手も苦にせず、打つことに関しては穴の少ない打者だ。一方、走塁・守備には見るべきものは少なく、貢献度は小さい。ここ数年は常にMLBでもトップレベルの数字を残している打者だったが、13年は多くの項目でスタッツを落とし、POでもあまり良い所が無かった。まだ29歳と比較的若く、パワーだけに頼る打者ではないため、成績も戻してくる可能性が高いが、まだ残りの契約も長いため、TEXとしてはリバウンドしてもらわないと困る。
[Player (to DET)]
☆ Ian Kinsler, 2B
TEXの03年ドラ17。それ以前に、ホームステイトのARIに二度もドラフトされているが、契約しなかった。Arizona State大時代はDustin Pedroiaと共にプレーしたが、基本的にはPedroiaの控えだった。06年に、Alfonso Sorianoの後釜として2Bに定着すると、パワー・スピードを兼備した2Bとして徐々に成績を伸ばし、リーグを代表する2Bへと成長。ここ数年は、Pedroia、Robonson CanoとMLBでも最高の2Bの座を争っていた。
現行の契約は13~17年の5年$75M。14、15年が$16Mで、16年が$14M、17年が$11Mと徐々に額が下がる珍しい契約となっている。18年は$10Mのオプションでバイアウトが$5M。目立つほど早打ちではないが、ある程度甘いボールは積極的に打っていくタイプ。パワーは30 HRを二度達成したように、2Bとしてはトップクラスだし、スピードも素晴らしい。2B守備にも高い評価があり、アベレージ面ではPedroiaやCanoには一歩劣るが、十分に走攻守兼ね備えたオールラウンダー。13年も悪くない数字だが、HR、SB共に若干減少傾向にはあり、残り契約からしても、もう一度上向いてもらいたいところ。
[Team Analysis (TEX)]
13年はPOを逃し、OFの多くがFA。13年の終盤戦は頼れる打者が減っていたこともあり、弱点の1つだった1Bの強化に動いた。Kinslerもチームの主軸打者ではあったので、単純な収支ではそれほど大きなプラスという訳ではないが、何と言ってもM-IFは13年開始時でマイナー最高の選手と言われていたJurickson Profarがおり、Elvis Andrusとも契約延長したため、3人に機会を与えるのに苦労していたため、誰かを1人出しても大きな戦力ダウンにはならなかったのがある。
Andrusの守備はもちろん素晴らしく、Profarよりも上だろうが、ProfarのSS守備も十分優れたレベルだし、個人的にはProfarをSSで使った方がオフェンス面でのプラスが、ディフェンス面のマイナスより大きいんじゃないかとも思っているが、Kinslerが少し年齢が上なこともあって、若い二人を残したかったのかも。もちろんDETにはJose Iglesiasがいて、2Bをより欲していたのもあるだろうが、TEXがKinslerの方を優先して出そうとしていたのも確かだろう。
Andrus + Profarでは、オフェンス面ではポジションを考えれば悪くないにしろ、長打力はさほど無いし、リーグ平均と比べても大きくプラスを稼げる訳ではないが、Roughed OdorやLuis Sardinasなど後続の若手も良いし、少し成績低下の懸念も出てきたKinslerを出すのも納得はできる。Mitch Morelandもパワーは発揮していたが、やや低打率に喘いでいたし、中軸を打てるほどの力は無い。M-IFの戦力を維持しつつ、中軸を打てる1Bを加えられたのは大きなプラスだろう。ただ$30Mの負担が付くとは言え、巨額の契約を引き受けた訳で、金額に見合った働きをFielderができなくなれば辛くなるが。
[Team Analysis (DET)]
前4人が強力なローテと、Miguel Cabrera、Fielder、Victor Martinezという強力な中軸を擁して13年のPOに臨んだが、BOSの前の敗退。とは言え、決してチーム力に劣っていた訳ではなく、十分にWSを狙えるチーム力がある。この戦力を来季以降にも維持したいところなのは間違いないが、問題は14年オフにFAとなる、13年Cy Young投手のMax Scherzerと契約延長をするにはペイロールの空きが確実に不足しているという点。
Justin Verlander、Anibal Sanchezは、今後数年を抑えてはいるが、エースへと成長したScherzerを失う訳にはいかず、ペイロールを空けつつ、チーム力を下げないということで、今回のトレードへとつながった。Kinslerは今オフにFAとなった、2BのOmar Infanteの後釜としてジャストフィットだし、Infanteも13年は良く打ったが、実績ではKinslerがはるかに上回る。逆に1Bの方は、Cabreraを移すことで埋められる。3B守備の評価も改善しつつあるCabreraだが、打撃に集中させるためにも、1Bで使う方が良いだろう。
また、そうなると今度は3Bが空いてしまうことにはなるが、そのあたりはいくつかの選択肢を考えているだろう。チームのTop ProspectであるNick Castellanosは元々3Bで、そろそろ上で使う段階に来ているので、彼を上げるというのが最も無難な選択肢だが、あまり3B守備の評価は芳しくなく、DETはCastellanosをOFへとコンバートしている。ただコンバートに関しては、上でブロックされていた影響もあったのだろうし、こうなった以上は3Bへ再転向も考えるだろう。
多少適応期間は必要だろうが、Cabreraを3Bで、Martinezを1Bで、という布陣も併用できるだろうし、それほど無茶な案とも思えない。場合によってはSS/3B/LFなどでJohnny Peraltaに戻って来てもらうのも額次第では有力な選択肢だろう。現行でも一応選択肢はあるし、市場にもまだ代役は残るということで、それほど懸念するほどの穴ではないと思える。
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2 件のコメント:
はじめまして。初コメさせていただきます。いつも管理人さんの記事を楽しく読ませていただいています。今回のトレードについては個人的にはwin-winのトレードだと思います。ただ、自分はどっちかというとフィルダーよりキンズラーの方が心配ですね。確かホームとアウェーで結構成績に差がありますから。もちろんフィルダーの契約年数の長さも心配ではありますが。彼は体型的にもモー・ボーンを思い起こさせます。
STLファンさん
はじめまして!コメントありがとうございます。STLは生え抜きが多くて、ホント羨ましいです。ってかChris Carpenter引退しちゃいましたね。大好きな投手だったので残念です。
そうですね~、Kinslerは少し打席数が減った影響もありますが、今季は悪くないにせよ、明らかに成績を落としましたしね。アーリントンから離れることを考えると不安はより大きいですね。
Fielderは戻してくるとは思っていますが、POで元気なかったのがちょっと印象に強く残ってます。まぁでもホントに柔らかい打撃もできる選手だし、TEXに移動すれば、またモンスターシーズンになっても不思議じゃないですね。
またよろしければ色々ご意見ください(^-^)
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