2011年7月28日木曜日

TOR, STL and CWS; Colby Rasmus, Edwin Jackson, Jason Frasor, etc Trade

STLに不満を表し、度々トレード要求と噂されていたColby RasmusがTORへ。厳密に言えば、TOR⇔CWSのトレードとTOR⇔STLのトレードですが、Rasmusを得るためにEdwin Jacsonを獲ったので、実質は三角トレードと言っても良いでしょう。どこも動きとしてはわかるが、ここでもCWSはやはりトレードが下手という印象を受ける。逆にTORのAnthopoulous GMは再びトレード巧者ぶりを発揮しました。Rasmusのポテンシャルが開花するかどうかで、TOR-STLの評価は変わりますが、出したものの割に大当たりの可能性があり、大抵の人なら賭けてみたいと思うような動きでしょう。


[Player (to TOR)]

Colby Rasmus, CF

STLの05年のドラ1。今季はまだ調停前。Service Timeがまだ2.000だから来年はまだ調停前?ツール的にはGGとも言われるCF守備に、パワーも兼ね備え、ポテンシャルで言えば、常時All-Starクラスに育つ可能性がある。09年のまずまずのデビューの後、昨季開花し23 HRを放ったが、オフに球団と揉め、トレードの噂が立っていた。モチベーション的な問題もあったのか、今季はやや不調。性格的には少し問題ありかも。


Trever Miller, LHP

96年にデビューで39歳の大ベテラン。今季は$2Mのオプションを行使されている。たまに凄く良い時もあるけど、大体ERA4点前後で安定している。90 mphに届かない速球にスライダー・チェンジアップを組み合わせる左殺しで、最近はIPがGよりかなり少ない。あと何年働くのだろうか?

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Brian Tallet, LHP

1年契約で$0.75M。昨年までTORにいて出戻り。やはり90 mphに届かない速球にスライダー・チェンジアップを投げ、対左というタイプの投手だけど、TORでは先発で使われたり、便利屋的な存在だった。


P. J. Walters, RHP

STLの06年のドラ11。09年にデビューしているが、ちょこちょことしか投げていないので、調停までもまだまだ。来季は4回目のオプションがあるらしい。速球は90 mphにも届かない、平凡以下のスウィングマン。


Mark Teahen, 3B

02年のOAKのドラ1s。3年$14Mで11年が$4.75M、12年$5.5Mが残る。パワーがあって元々期待されていたProspectだけど、早打ちで、期待されたような成績を残せていない。守備も悪い。この選手が何故契約延長されて未だにMLBでポジションを得ているのはよくわからない。


[Player (to STL)]

Edwin Jackson, RHP

01年のLADのドラ6。2年$13.55Mの2年目。今季は$8.35M。平均で95 mph近い速球を持つが、先発投手としては球種が少なく、これとスライダーが9割を占める。またコマンドもイマイチで、良い時は良いが、不安定な傾向も強い。まだそれなりに若く、健康面も安定していることから、妥当なローテ3~5番手という印象。


Octavio Dotel, RHP

93年にNYMとInt. FAで契約。今季は$3.5Mで来季も$3.5M(バイアウト$0.75M)のオプションがある。破棄されれば、オフにType B FAになるかも。Brad Lidge、Billy Wagnerと凄まじい奪三振を奪ったHOU時代が有名。かつては平均95 mphを叩き出す速球のほぼ一本押しで三振を荒稼ぎしていた。今は球速はだいぶ落ちて平均で91 mphというところだが、未だにまずまずのリリーフとしてやっている。


Mark Rzepczynski, LHP

07年のTORのドラ5。調停まであと2年かな。速球は90 mph前後だが、今季はリリーフに移ったからか少し球速が増している。これとスライダーに時折チェンジアップを交える。軟投派で、なんてことないスタッフだが、TORはこういう選手を働かせるのがうまい。先発を押し出されてリリーフに回っており、ミドルリリーフ、対左で時折7回といったくらいの投手だが、長ずればScott Downsのようになるかも。


Corey Patterson, OF

99年にCHCが全体3位で指名し、Prospect時代は5ツールのCFとして将来のスターになるものと思われていた。だがいつまで経ってもフリースウィンガーから抜け出せず、ここ数年はAAAAタイプのOFとなっている。走力は未だに高く、今季はTORで代走などを兼ねた5th OFとして使われていた。11年はMinor契約でTORと契約していた。


3 PTBNLs or cash


[Player (to CWS)]

Jason Frasor, RHP

DETの99年のドラ33。04年にTORでデビューして以来TOR一筋でTORのリリーフを支えてきた。デビューして以来先発がなく、TORでの歴代1位の登板数を記録している。昨オフにType B FAだったが、TORの調停を受諾、そのご調停回避で、11年$3.5M、12年$3.75Mのクラブオプションで契約。平均93 mphの速球とスライダーにスプリッターを持ち、健康面も非常に安定している素晴らしいリリーバーだ。TORでは時折クローザーも務めていたが、やや勝負弱い印象があり、基本的には7~8回セットアップ。


Zach Stewart, RHP

07年のCINのドラ3。Scott RolenのトレードでTORへ移っていた。今季MLBデビュー。91 mph程度のシンカーが良く、ゴロを打たせるし、最速で90 mph中盤に達することから、評価の高かった若手だが、スライダーは平凡。チェンジアップは平均以下であまり進歩が見られず、今季はAAで平凡な成績で、球威も少し落としているようで評価を引き下げている。元々チェンジアップがイマイチでリリーフという声も強かった。


[Team Analysis (TOR)]

Rasmusは大きい。現時点ですでにMLBで十分なレギュラーで、しかもまだ若く伸びしろがあり、さらに安い。この見返り彼を得ただけでまずが成功トレードと言える。一応昨季Roy Halladayを出して得た、Michael TaylorをBrett Wallaceと交換した上で得た、Anthony Goseがいるが、完全にツール先行型で、今季はAAで平凡。ポテンシャルはあるが、来季も良くないと、黄色信号だし、上がってくれば来たで、どちらかをRFで使えばいい。

あとは他チームの余剰を引き受けた形だが、T. MillerとTalletはそれなりに実績があるし、リリーフを多く出したので取りあえず穴を埋める形になるだろう。またTeahenはやっかいを押し付けられた形だが、3BはBrett Lawrieのケガもあり、Edwin Encarnacionらの酷さに耐えきれず、Jose BautistaをRFから再び戻している状態なので、Eric Thamesなんかが落ちてきて、BautistaをRFに戻したいとなれば意味をなすかもしれない。

出したものはProspectとしてはStewartのみで、この美味しいトレードを成立させた。そのStewartにしても徐々に先発としての疑問が強くなっており、さほど痛くない。まだしばらく使えるRzepczynskiを含めFrasor、Dotelとリリーフの戦力を削ったが、今季はほぼPO絶望だし、Rasmusの代わりなら安いものだろう。同じく今季限りのJacksonもTORには意味をなさない。PattersonはRasmusが入るので余剰でしかない。リリーフと同時にここ数年執心していたドラフトピックもいくつか手放したことになりそうだが、来季はハードスロット制が導入されるという噂もあり(多分無理だろうが)、不確定要素が強い。


[Team Analysis (STL)]

Rasmusの見返りにProspectではなく、貪欲に戦力強化に来た。Minorは比較的薄かったが、Shelby Miller、Carlos Martinezの成長で投手は悪くないし、MLBと併せて絶対Prospectが欲しいというポジションもない。NL-CentralはCINの台頭とMILの攻勢で苛烈な地区だし、Albert Pujolsが今季限りかもしれないので、今季に賭ける部分は強いだろう。投手はAdam WainwrightがTJだが、Chris Carpenter、Jaime Garcia、Kyle Lohseまでは良く、Kyle McCllelanもぼちぼち投げているが、もう一歩上を狙うためにJacksonを加えて、McCllelanをリリーフに戻すようだ。一方リリーフもEduardo Sanchez、Fernando Sallasなどの成長があり、苦しいというほどでもないように見えるが。

まぁ、Rasmusは痛いが、これだけ対立してしまってはしょうがない。昨オフには頑なに放出を拒んでいたし、FAまで使って出す、というのも考えられるが、モチベーションの問題か、今季は成績を落としていたし、下手すりゃ数年後にはNon-tenderなんてこともあり得る。また昨冬と状況が違うのは、後釜のCF Jon Jayの成長があった。ポテンシャルの上限は比較にならないだろうが、MLBでしっかり打っており、不調気味のRasmusとなら短期的な戦力ダウンは小さい。他もロスター整理に近く、問題ないだろう。左を2枚出したが、Rzepczynskiなら微妙に戦力アップと思う。ただかなりリリーフの枚数が重なったので、Dotelなどでもう一段動きたいが。


[Team Analysis (CWS)]

相変わらずトレードの下手なチームだ。AL-CentralでDETで3差とまだ戦える位置にいるにも関わらず、しっかりした先発を出して得たのはリリーフと、リリーフになりそうなProspect。Mark Buehrle、Gavin Froyd、Phil Humber、Jake Peavyに、Jon DanksがDL帰ってきたから、枚数的に1枚余剰になっていたのは確かだが。それでもJacksonはSTLが出す理由の70%だろうから、何故STLにJacksonで直接トレードを仕掛けなかったのか?Matt Thorntonあたりを付ければ話ができたのではと思うのだが。CFが足りてるならわかるが、Alex Riosは不調だし、Alejandro De Azaなど微妙どころを引き上げて使っている有様だ。

Teahenの契約を引き取ってもらえたのは大きいが、Peavyがどこまで計算できるかわからず、PO戦線に残っている以上、収支でいうとマイナスだ。余っている先発を出してリリーフに替えはしたが、ブルペンもSergio Santos、Chris Sale、Thorntonらを中心にまずまずだし、Frasorは力量的には似たり寄ったりで、大きな上積みとも言い難い。まぁ、得た選手は来季以降も使えるし、来季と両睨みなのかもしれないが。

一応先発は1枚余剰が出ているし、Minorに落としたりできない面子ばかりではあるので、残り半年のJacksonは一番出しやすくはあった。一方Jacksonはまずまずの先発だし、今季を投げたならともかくPeavyも不安定で、現時点で出すのはもったいない感が強い。出すにしても、もう少し戦況を睨みながら待てば、市場から選手が消えていき、むしろ吊り上げれたんでは?逆にTeahenは出したい筆頭だから一応整理できたのは良い。3Bの後釜もBrent Morelがいる。

2 件のコメント:

BF さんのコメント...

お疲れ様です。このシリーズは3つのチームが絡むと書くのも大変そうですね。

カージナルスも一通り頑張ったんでしょうがこういう形で調停前のスター候補の選手を出すことになるのは痛いですね。
トロントはうまくやったなあと言う印象です。
ティーエンの来年の負担はあるものの自分もホワイトソックスは直接交換してラスマス取ったほうがいいと思いました。外野も最弱クラスに弱いしダンも不調になってるのもあるけど左はメチャクチャ薄いチームですしピエールともようやく契約切れますしね。
ビシエドが外野転向してMLB間近だけどまた右ですしね。
まあここの監督もアクが強いしうまくやれるかどうかってのはあるかもしれないが(^_^;)
しかしリオスも昨年はボチボチやれてたのにすごいへこみ具合ですね。
トロントの生え抜き野手ってうまく行ってもこういう年ごとの沈みが激しい選手ばっかりだよなあ・・・。ヒルもリンドもウェルズもそんな感じだし。

ララ さんのコメント...

BFさん

これは正直疲れました(苦笑)。好きだから良いですけど(^_^;) あ、それとCWSの先発数え間違えてて、ちょこっと書き直しました。

自分はRasmusに疑問も持ってるので、世間ほどは好印象ではないですが、一般的な価値基準で言うとTORの勝利でしょうね。

STLは育成うまいし、ずっとProspectを出血してるにも関わらず、チームが崩壊することなく、毎年上位に留まっていて良いチームだなと思います。

今季もエースがいないにも関わらずこれだけやってますしね。Rasmusがいなくなっても、しっかり埋めて戦い続けるんじゃないですかね。

CHCと言い、CHCのチームはあんまし良い印象ないですね。出し惜しみしてんのかと思えば、変なトレードするし、FAでも失敗多いし。ドラフトもパッとしないし。ってボロクソですが(汗)。

TORはフリースウィンガー多いですよね。Travis Sniderみたいに、Minorでは良くても、なかなかMLBで安定しないのもそれが原因じゃないですかね。BOSはその点、時間かかりますが、しっかりディシプリン鍛えてきますよね。