2012年3月12日月曜日

12' Organization Prospect Ranking by BA, BP, PG, JS, FG

今年もこの季節ですね。各誌から出てくる12' Prospect Rankingのまとめです。BOS以外はひとまとめで。 John SickelsさんのMINからリストが出てきました。(追記)リスト完成。


[AL-East]

Baltimore Orioles - BA, BP, PG, JS, FG : 昨季全体#4のDylan Bundyと一昨季全体#3のManny Machadoはいずれも全体Top10に入り得る最高クラスのProspectだ。もちろんこれだけ高順位のピックだけによりどりみどりではあるが、素晴らしいセレクションをしたと思う。07年のMatt Wieters以降、08年のBrian MatuszはMLBで苦しんでいるが、最終的にはまずまずの先発になるんじゃないかと思うし、09年全体#5のMatt Hobgoodはイマイチだが、ドラ1のピック自体は悪くない。ただ組織は全体的に薄く、これはドラ1以降のピックにあまり力をかけてこなったのと、Int. FAの弱さ、それにトレードもイマイチといったことが重なっているように思う。Jake Arietta、Chris TilmanらもMLBで伸び悩んでいる。昨季比較的上位で指名したJason EspositoやNicky Delmonicoらが伸びるかは重要だ。組織のNo.3のJonathan SchoopはBALには珍しいInt. FA組で、Machadoがいるので2B/3Bでも使われているが、SSを守るし、しっかりしたProspectだ。あとは球威のあるParker Bridwell、2B/OFのL. T. Hoesはまずまずだが、そこまでだろう。

Boston Red Sox - BA, BP, PG, JS, FG : Middlebrooks、X. Bogaerts、Jacobs、Swihart、Cecchiniのような上限の高さで高順位にランクされているProspectが多い。個人的にはBOSはATL、NYM、DETのようなチームに比べると昇格には慎重かと思っているけど、世間一般ではアグレッシブな昇格をするチームという認識のようです。まぁ特に野手は各ポジションごとに全てのクラスにProspectを揃えているから、シーズン中の昇格はそれほどでもないけど、開幕のクラスはアグレッシブになることも多いかも。ただ投手に関してはそこまでアグレッシブなアサインでもないし、もっと成績を残していかないと。

New York Yankees - BA, BP, PG, JS, FG : Top Prospectになって久しいJesus Monteroだが、守備はともかく打撃はMLBでも示し始めている。そのMonteroはDHかもしれないが、昨季から捕手Prospectが多く上位を占めている状況が続いている。Austin Romineは攻守にソリッド。守備は良いとも言い難いがだが、打撃ポテンシャルは期待されているGary Sanchez、J. R. Murphyもいるだけに、使う気のない選手はそろそろトレードされるかも。あとは今季はOFが下層でまずまず。Mason WilliamsはウチのCecchiniを差し置いてNYPLのNo.1 Prospectに選ばれたし、Ravel Santana、Slade Heathcottあたりもツールは見せている。ここ2年のドラ1ではCito Culverは随分守備の評価を上げたし、Dante Bichette Jr.はGCLでデビュー後、期待通りに良く打った。一方投手では、Ivan Novaが想像以上の働きを見せたが、Andrew Brackmanは昨季の高評価が嘘のように、不振に喘ぎ、とうとうMiLFAで放出。Manny Banuelos、Dellin Betancesは今季も高評価だが、個人的には昨季からどうだろうという目で見てはいるが。(追記)Jesus MonteroをSEAにトレード。Jose Camposが交換でリスト入り。

Tampa Bay Rays - BA, BP, PG, JS, FG : Matt Mooreは凄まじいProspectだ。PO初戦で先発して、あのTEXを7回0封。速球・カーブは言うに及ばず、チェンジアップも良いし、コマンドにも長足の進歩を遂げている。来季中にエース格になること必至。No.2はCHCからトレードされてきたHak-Ju Lee。守備・スピードの評価は元々非常に高かったが、今季は打撃でも進化。来季中には、なかなか打てるようにならないReid Brignacからレギュラーを奪うかも。同じSSでは08年全体#1ピックのTim Beckhamが打撃で進歩を見せているが、選球眼には難があるし、守備もMLBでSSは務まらないと言われている。あとは投手とOFが上位を占める。昨季のドラ1Taylor Guerrieriはやや素行面に問題ありだが、11年の高校生投手でもトップクラスのアーム。同じくファイヤーボーラーのChris Archer、Alex Colomeなどもいるし、Alex Torres、Enny Romeroなどしっかりした先発Prospectもリリーフに回すことになるかもしれないほど。OFは10年、11年と高順位でDrew Vettelson、Mikie Mahtookらを獲ったが、両翼としてのパワーにはやや疑問も。11年のドラフトでは非常に多くのピックを持っていて、高校生を中心に指名したが、資金の問題か、超有名選手のピックはなかった。彼らが伸びるかは、スカウトの眼力次第。MLBでもやや不足気味の1B/Cなどに有力Prospectがおらず、Andrew Friedman GMのトレードの上手さを生かして、何とかしたいところ。

Toronto Blue Jays - BA, BP, PG, JS, FG : ドラフトピックの獲得に執念を燃やす、Alex Anthopolous GMの元、Minor全体でもNo.1を争う組織になってきた。本当のTop Prospectはいないけど、デプスに優れ、特に投手の厚さはARIと並んでNo.1だろう。傘下のNo.1はTravis d'Arnaudか。守備も良く、打撃でもAAでMVPに選ばれるほど打った。MLBで中軸を打てるような打者には見えないが、攻守に平均以上のレギュラーになりそう。野手では、d'Arnaud、A. J. Jimenez、Carlos Perezなどを抱える捕手に、今季大きく成長し、Minor全体でもトップクラスの5ツールCFに成長したAnthony Gose、Jake MarisnickのCFは良いが、他のポジションではAdeiny Hechavarriaがいるくらいで、やや歪な構成。個人的には、GoseやHechavarriaはMLBで十分打てるようになるとは思えないし、トレードのうまいGMなので、豊富な投手Prospectを絡めて、Colby Rasmusみたいな若いレギュラークラスを狙いたいかも。投手は昨季ドラ1のTyler Beedeに逃げられたが、Daniel Norrisを獲ったし、10年のクラスでも球威のある、Noah Syndergaard、小柄だが制球に優れたJustin Nicolinoなど無名の選手を見抜いて契約している。ポテンシャルは高いAaron Sanchez、Kevin Comerに完成度高いDeck McGuire、Drew Hutchisonなど本当に層が厚い。Sergio Santosとのトレードで、評価の高かったNestor Molinaを出したけど、さほど響かないだろう。


[AL-Central]

Chicago White Sox - BA, BP, PG, JS, FG : 毎年のことながら薄い。No.1のAddison Reedは素晴らしい速球・スライダー・コマンドのコンビネーションを持つ優秀な投手ではあるが、リリーフ専門だ。TORにあと5年雇えるSergio Santosを出して得たのは、ややOverrated気味のNestor Molinaのみ。彼も下手したらリリーフかも。Carlos Quentinの見返りもやや評価落とし気味のSimon Castro。Jacob Patrickaあたりまでで誰か先発として育ってくれないといくらファイヤーセールしてもリビルドになるか怪しい。あとはOFのTracy Thompsonと今季のドラ1s Keenyn Walkerの2人がまずまずといったくらい。

Cleveland Indians - BA, BP, PG, JS, FG : Francisco Lindorは昨季のManny Machado (BAL)ほどのパワーはないが、SSに確実に残れると言われる守備力を持つ若きSSで非常に羨ましい。Ubaldo JimenezのトレードでDrew Pomerantzを出したのと、Jason KipnisやLonnie Chisenhallなどの卒業もありだいぶ薄くなった。No.2は昨季ドラ2でオーバースロットしたDillon Howardか。高卒としては完成度の高いまとまった投手。昨季リリーフに移ったNick HagadoneはBAではNo.3と相変わらず高く買われている。あとはこれといったProspectはいないが、Kipnisにブロックされてはいるが、Cody Phelpsはまずまずかな。

Detroit Tigers - BA, BP, PG, JS, FG : Jacob Turnerは09年の高卒ながら既にMLBに到達しており、素晴らしいが、一方でDETお得意の早上げの影響で、High-90 mphを投げ、STLのShelby Millerよりも高く評価された高校時代の面影はない。現状ではエースタイプよりも、ローテ中位~下位の先発にしかなれないと言われている。2年先輩のRick Porcelloも変化球を磨かぬままシンカーのみでMLBに上がって苦戦してるし、何とももったいない。Matt Garzaとの交換で、DETは喜んでTurnerを出すと言われているけど、これじゃもらってもどうなんだ。No.2のNick Castellanosはややスロースタートだったけど、やはりポテンシャルが違うのか、徐々に実力を発揮している。09年のドラフトではVitekよりCastellanosを獲って欲しかった。あとはDrew Smylyに、評価を落とし気味のCasey Crossby、Andy Oliverと左腕が上位に来る。いずれもやはり早上げ感がある選手。11年のドラフトも上位がAaron Westlake、James McCannらとパッとしなかったし、今後数年どうするのだろう。

Kansas City Royals - BA, BP, PG, JS, FG : 昨季の最強組織から、Eric Hosmerら多くが卒業したため、No.1の組織ではなくなったかもしれないが、依然としてトップクラスのMinorを持っている。Wil MyersはAAでやや苦しんだけど、ケガもあったようで、評価的にはさほど落ちていない。野手では5ツールのスーパーアスリートBubba Starling、今季のNo.1 Int. FAのElier Hernandez、18歳でLow-Aでしっかり打ったCheslor Cuthbertらがいるし、投手もJohn LambがTJで、Michael Montgomery、Chris Dwyerらがややコマンド面で苦戦をしたが、Jake Odorizzi、Kelvin Herrera、Yordano Ventura、Jason Adamなどスタッフの評価の高い選手が伸びてきている。あとは上が成績を残せるかだけですね。

Minnesota Twins - BA, BP, PG, JS, FG : Miguel Sanoはやや昇格が遅れてはいるが、今季はパワーを見せて素晴らしかった。Sanoの同僚のEddie Rosarioも良く打った。OFから2Bへ移してみるようだ。例年OFは多く抱えるチームで、今季もJoe Bensonが良かったが、あとは08年のドラ1のAaron Hicksなどが伸び悩んでてイマイチ。10年のドラ1のAlex Wimmersも出足は最悪だった。Kyle GibsonもTJ後、以前のローテ上位という評価を失っている。JSのリストでは#24までC+が付いてるけど、贔屓のチームだからか、11年のドラフト組の評価が高すぎると思う。11年のドラ1のLevi Michaelもそんなに大物になりそうではないし。


[AL-West]

Los Angeles Angels - BA, BP, PG, JS, FG : Mike Troutはギリギリだが、一応まだProspect扱い。Jean Seguraは今季のSS転校が注目されたが、守備ではまずまずも、ややケガに悩まされた。評価は未だに高く、将来的にSSは守れなくはないだろうが、基本的には2Bと見られてると思う。あとはやや落ちる。球威のあるGarrett RichardsとJohnny Hellwigは面白いが、先発としては未知数。昨季のドラ3 Nick Marondeなどもスタッフはあるが。昨季のC. J. Cronのドラ1は否定的なファンも多そうだし、特にAlbert Pujolsと契約したためブロックされることに。10年は高校生重視だったが、Kaleb CowartやTaylor Lindseyはまずまずのスタートを切った。

Oakland Athletics - BA, BP, PG, JS, FG : パワーを見せているMichael ChoiceとCFに転向して少し評価を回復したGrant Greenに、今季のドラ1全体#18で手に入れたSonny Grayくらいまでしか目立つProspectがいなかったが、Trevor CahillをARIへ、Gio GonzalezをOAKへ、Andrew BaileyをBOSへ送り一気にMinor層を回復。Cahillのトレードで来たJarrod ParkerはTJがあったが、それでもフロントライン級の期待を残す本格派。それにWASから来たBrad Peacock、A. J. Cole、Derek Norris、Tom MiloneはBAで全員Top10にランクイン。Miloneがそこまで良いかは疑問だが。Parkerにくっ付いてきたCollin Cogwellもまずまず高く評価されているし、良いトレードだった。一方BOSから来たMiles HeadとRaul AlcantaraはいずれもNo.11~20の辺りで、Josh Reddick次第だが、こちらはBOSが少しうまくやったと言われる原因かも。

Seattle Mariners - BA, BP, PG, JS, FG : Taijuan Walkerは、90 mph後半に届く速球に、プラスプラスとも言われるカーブを持つエースの素材。来季High-A~AAで同様の成績を残せば、全体Top10も見えてくる。あとは今季全体#2のDanny Hultzenはさすがに完成度も高く、AFLでもすでに結果を残している、来季Super2にかからない時期までAAで投げた後、MLBに上がってくるだろう。James Paxtonもドラフトで随分回り道をしたが、今のところ素晴らしい。将来的にはリリーフと見られていたが、今のところ先発として十分すぎる成績。Nick Franklinはまずまず打ってるが、10年に23 HRを放ったようなパワーは失せている。AFLでもRising Star GameでMVPには輝いたが、成績的には低調。あとはInt. FA系の選手がまずまずいて、特に10年の市場で最高のタレントと言われたMartin Pegueroなどもしっかりしたデビューを飾っている。BOSからトレードされたChih-Hsien Chiangは、SEAでは低調だったが、BOSでの貯金かBPでは#9で3つ☆。今季のInt. FA No.1投手のVictor SanchezなどInt. FAにはよくお金を使ってますね。(追記)Michael Pinedaを放出し、Jesus Monteroを獲得。Walkerを抑えてNo.1になります。パッケージでJose Camposを放出。

Texas Rangers - BA, BP, PG, JS, FG : Jurickson Profarは18歳にして、Low-Aで素晴らしかったし、SSに残れる守備と2ケタのHRを打てると言われる未来のAll-Star候補。BALのManny MachadoとNo.1 SSの座を争っている。しかし彼を抑えてNo.1はやはりダルビッシュ有。日本史上最高の投手とも言われる彼がMLBでどれくらいやるか楽しみです。TEXはここ数年ドラフトよりもInt. FAに熱心で、キューバ亡命選手Leonys Martinも即戦力になれるということで良い獲得だったし、今季もRonald Guzman、Nomar MazaraのトップクラスのOF2人を$9M近い額で根こそぎとった。ここ数年はRoughed Odor、Leury Garcia、Luis SardinasのようなM-IFのProspectも素晴らしい。昨季はリリーフの確保で多くの投手Prospectを出したが、上もまだ強い上にMartin Perezが控えている。一時期に比べればやや評価を落としているが、現時点でも十分先発3番手以上になれる良い左腕だ。あとはU-Conn.出身のMike Oltはドラフト時はオーバードラフトと言われていたけど、選球眼にパワーを備え、今のところ素晴らしい評価を得ている。あとはMLBでどこまでコンタクトできるかだが。上の状況も含めて本当に隙のない組織だ。ドラフトでは高校生を中心に上位ではやや控えめな指名をしているけど、その中からKellin DeglanやJake Skole、Kevin Matthewsのような選手が伸びてくればさらに驚異だし、Barret LouxをFAで獲れたのは美味しかった。Tanner Scheppersなんかと共にリリーフで早く戦力になるかも。


[NL-East]

Atlanta Braves - BA, BP, PG, JS, FG : MLBの投手スタッフも主力はまだ若いが、さらにその下にもJulio Teheran、Mike Minor、Arodys Vizcaino、Randall DelgadoのBig4が控える組織力はどのチームも羨むだろう。個人的にはMinorとVizcainoの先発の将来性にはやや疑問を持っている方だが、今季のドラ1Sean Gilmartinなど即戦力もいて、しばらく先発に困ることはなさそう。Tyler Pastornickyがレギュラーを窺うSSはAndrelton Simmons、Matt Lipkaもいる。野手の将来布陣を考えても、捕手にはChristian Betancourtがいて、3Bには一昨季のTop Int. FA Edward Salcedo、Brandon Druryと悪くない。ただ上で、Jason Heywardがやや低調だったOFは有望株が少なめ。比較的昇格を急がせるチームだし、もう少し野手はじっくり育ててもとも思うけど。

Miami Marlins - BA, BP, PG, JS, FG : Christian Yelichはコンタクトは良いと言われていたけど、予想以上だった。ドラフト時は1Bかと思っていたけど、OFをしっかりこなしているし、スピードもまずまずあってCFを務めている。とは言え、MLBではLFだろうし、パワーがどこまで付くかが重要。あとは弱い。11年ドラ1のJose Fernandezも体格的にやや伸びしろに欠け、もしかしたらリリーフかも。Marcell Osuna、Matt Dominguez、Chad Jamesらも微妙感が否めない。

New York Mets - BA, BP, PG, JS, FG : 昨季のNo.1 Jenrry MejiaはTJだが、昨季のドラ1Matt Harveyは期待通りだし、Carlos Beltranのトレードで、Zack Wheelerを獲得。Jeurys Familiaもよく伸びた。11年のドラフトでは、これまでと一気に方向転換して、Brandon NimmoやMichale Fulmerのような、伸びしろの大きい高校生を指名してきた。比較的上位の組織になってきたと思う。

Philadelphia Phillies - BA, BP, PG, JS, FG : トレードで放出する度に、次のProspectを輩出してきた優秀な組織だが、Hunter Penceのトレードで上位を放出したところで、さすがに層は少し落ちた。それでもMinor全体の奪三振王を争った、Trevor Mayや、Philadelphiaの地元っ子Jesse Biddleは素晴らしい投手Prospectだ。成績は付いてきていないが、昨季は評価の高かったBrody Colvinもいる。元SEAのドラ1Phillippe Aumont、Justin DeFratusのようなリリーフの即戦力も抱えてる。捕手のSebastian Valleも着実に伸びてきている。今季のPHIのトップピックLarry Greene、Minor全体でもCINのBilly Hamiltonの次くらいにくるスピードを持つRoman Quinnなどドラフトも相変わらず上手い。

Washington Nationals - BA, BP, PG, JS, FG : 過去2年、ドラフト全体1位でStephen Strasburg、Bryce Harperと希代のタレントを指名してきたが、11年のドラフトでも全体6位ながら、ドラフト最高のタレントと言われたAnthony Rendonを指名できた。しかもそれに飽き足らず、Alex Meyer、Brian Goodwin、さらにはMatt Purkeと金に糸目を付けず、多くのタレントを加えた。過去数年ドラフト重視の姿勢は強く、A. J. Cole、Robbie Rayなども下位でスティールしている。ただPurkeは随分落ち着いては来たが、AFLで打ち込まれているし、Goodwinは正直ボーナスの額ほどの力を感じない。Derek Norrisも評価はまだ高いけど、疑問もある。Brad Peacockなどが良く伸びているし、MLBには比較的戦力を輩出しているけど、ドラフトからMinor下層で評価の高かった選手をしっかり伸ばせるかが今後の組織の重要課題になりそう。(追記)Gio Gonzalezのトレードで、Cole、Peacock、Norrisなどを放出。


[NL-Central]

Chicago Cubs - BA, BP, PG, JS, FG : Theo Epsteinさんの補償が気になるCHC。Brett Jackson、Matt Szczur、Trey McNuttとCHCが放出を拒否したTop3にドラフト組のJavier Baez、Dillon Maples、Dan Vogelbachらがやはり上位ですが、他の組織と比べるとやはりもう一つか。後の2人は下位でスティールしているし、昨年は少しドラフトにも力を入れていた。Theoさんがトップに就任したので、これから向上していくとは思います。Welington Castilloは個人的には好き。SP.comで注目されていたJeimer Candelario、Ben Wellsといった素材型はBAではTop10圏外(BPではCandelarioはNo.7)。(追記)Andrew CashnerとのトレードでAnthony Rizzoを獲得。Brett Jacksonの下のNo.2が妥当なところか。

Cincinnati Reds - BABPPGJSFG : Devin Mesoracoは昨季に引き続き、AAAで良く打って評価を伸ばしている。攻守にツールのある選手だが、MLBでどこまで適応できるかはまだわからない。同い年の捕手Yasmani Grandalも打撃はさすがだが、やや守備のツールでは劣るようだ。Billy Hamiltonは序盤打撃に苦しんだが、尻上がりに調子を上げ、100 SBを達成した。Minor全体でも最高のスピードを持つが、SSとは見られていないし、継続的に打つ必要がある。Zack CozartはSSとしては打つし、目立たないがソリッドなProspectで、今季のドラ1Robert Stephensonもスタッフがあるが、あとはやや落ちたか。Yonder AlonsoとTodd FrazierはいつまでProspectなんだろうか。(追記)Matt Latosのトレードで、Grandal、Alonso、Brad Boxbergerを放出。思い切りました。

Houston Astros - BA, BP, PG, JS, FG : Minorの立て直しを狙って、この夏にHunter Pence、Michael Bournを放出したが、後者のトレードではプレミアムなProspectを得られず。来季は全体No.1ピックを持つとは言え、来季どこまで向上させられるだろうか?Penceのトレードで来たJarred Cosartは非常に球威はあるが、結果があまり伴っていない。Jonathan Singletonはしっかり育てば良さそうで、今季のドラ1George Springerは個人的にも楽しみにしているが。Jonathan Villarなど若くて伸びしろのある選手はちょこちょこはいるが、やはりまだ薄いと言わざるを得ない。

Milwaukee Brewers - BA, BP, PG, JS, FG : 数年前は野手に偏った組織だったけど、野手のProspectはあらかた昇格かトレードで抜けた。Wily Peralta、Tyler Thornburgの成長と、Taylor Jungmann、Jed Bradleyという11年のドラフトでもトップクラスの投手を2枚獲りして上位は投手Prospectで固まっている。同じくドラフトで獲った高卒のJorge Lopezも評価が高い。Jungmann、Bradleyはエース級ではないかもしれないが、即戦力だし、しっかり育てば大きい。

Pittsburgh Pirates - BA, BP, PG, JS, FG : 昨季のドラフトでは、多くのチームが契約不可能と見て回避したJosh Bellを$6Mの巨額を費やして口説き落とした。全体No.1のGerrit Coleとも契約。09年に全体No.4でTony Sanchezを指名して批判を受けたが、その後は昨季は全体No.2でJamson Taillon、ドラ2でStetson Allieとやはり大物と契約しており、ドラフトに力を入れてきている。またInt. FAでも一昨季はNo.1の投手Luis Herediaと契約に成功。ただ一方で、G. Coleはコマンドがやや不安で、Taillonまでは計算できるとしても、Herediaは先は長そうだし、Allieはやはりリリーフではと見られている。まだ2、3枚は先発Prospectが欲しい。また野手でもAndrew McCutchen、Jose Tabataに、彼をLFに追いやるかもしれないStarling Marte、ツールは平凡と言われるがRobbie Grossman、Bell、今季MLBに定着したAlex PresslyなどOFは比較的豊富だが、T. Sanchezが失敗気味の捕手も含めて、内野が弱い。地元出身のNeal Walkerは2Bとしてはまずまずだが、08年全体No.2のPedro Alvarezも順調にいってない。

St. Louis Cardinals - BABPPGJSFG : 少し前までは、MLBの戦力のためにTop Prospectを惜しみなく放出するチームで、やや薄いという印象だったけど、今季は投手を中心に多くのProspectが伸びてきた。Shelby Millerは右の本格派で、Minor全体でも、最もエース級に育つ可能性の高い選手。Carlos Martinezは、Carlos Matiasと名前を偽っていて、一度は合意したBOSが契約を破棄した選手だけど、そんなことを忘れさせる成長ぶり。フットボールもプレーしていた、凄まじいアスリートのTyrell Jenkinsもフロントラインの可能性を持つ。前半戦MLBのリリーフで活躍したEduardo Sanchezや、POにかけての救世主となったLance Lynnなど素晴らしい。野手でも、ここ2年のドラ1Zack CoxとKolton Wongはややパワーに疑問符があるが、打力は確かで即戦力。


[NL-West]

Arizona Diamondbacks - BA, BP, PG, JS, FG : 今季からLAAに移ったJerry DiPotoさんはARIで素晴らしいMinor組織を作り上げた。ここ数年多くのピックを持っていたのもあるが、今季のドラフトでは特に、Trever Bauer、Archie Bradleyというここ数年でもトップクラスの投手を2人もピックしたし、その後でもAndrew Chafin、Anthony Meo、Evan Marshall、Kyle Winklerと素晴らしい指名。Bradleyは前年に全体#6でBarret Louxをピックした挙句、逃げられたと非難を浴びたが、それより大きいものを得た。またここ数年でDan Haren、Edwin Jacksonなどをトレードして得た、Dan Hudson、Ian Kennedy、Tyler Skaggs、Pat Corbin、David Holmbergなどがいずれも上手く伸びており、スカウト・育成の充実が伺える。Josh Collmenterのような平凡なスタッフの投手までMLBで活躍している。昨季の傘下No.1のJarrod Parkerすら先発の座は安泰ではないほどの投手王国となった。一方野手の方は、個人的にお気に入りのMatt Davidsonは1Bかもしれないが、パワー・アベレージをしっかり残してて良いが、1Bであれば先行のPaul Goldschmidtがいるし、3Bは同期のBobby Borcheringもいて、1B/3Bはややダブついている。あとはA. J. PollockやChris Owingsはまずまずだが、CFやSSで平均以上のレギュラーになるには、やや攻守に物足りない。(追記)Trevor CahillのトレードでParkerらを放出。

Colorado Rockies - BA, BP, PG, JS, FG : Dan O'Dowd GMは優れたGMだと思うが、近年のドラフトは冴えない。06年は全体#2でEvan Longoria (全体#3でTB)を差し置いてGreg Reynoldsを、07年は全体#8でCasey Weathersを獲っていずれも失敗。その後も、08年にChristian Friedrich、09年に高校生No.1左腕だったTyler Matzekを指名したが、いずれもMinorで苦しんでいる。Int. FAではUbaldo Jimenezを始め、Jhoulys Chacin、Juan Nicacioらをしっかり育てているし、育成能力が低いとも思えないが。05年にはあのTroy Tulowizkiを指名しているし、10年のドラ1Kyle Parkerもぼちぼちと、野手の指名は悪くない。何にも増して、投手をうまく発掘したいところだろう。その意味では、Jimenezのトレードで即戦力のAlex Whiteと傘下No.1となったDrew Pomeranzを得たのは大きい。あとは昨季のドラ1Tyler Andersonや今季評価を上げたChad Bettisなどがガンバってくれれば。野手は環境もあるのかもしれないが、相変わらず良い組織で、多くの生え抜きを供給し続けている。Nolan ArenadoはAFLでも評価をさらに上げたし、強肩強打のWilin Rosarioも、とうとうChris Iannettaを出して、道を開いている。Tim WheelerもCFにはならないかもしれないが優れた打者で、COLの環境であれば十分な打者になりそう。SSに残れるなら5ツールのスターになりうるTrevor Storyも個人的にはお気に入りだ。

Los Angeles Dodgers - BA, BP, PG, JS, FG : 高校生の方がMLBに定着しやすいという信念の元、多くの高校生投手を早いラウンドでドラフトしてきたが、昨季まで評価の高かったChris WithrowやEthan Martin、Aaron Millerなどが評価を下げており、Scott Elbertなんかもかつての評価の割にはイマイチ伸びてない。昨季前半戦話題になったJohn Elyも後半戦はさっぱりで、クローザーになりそうなKenry Jansenはともかく、先発ではClayton Kershaw以来、しっかりした選手を輩出していない。今季もNo.1のZach Leeを始め、Allen Webster、Nathan Eovaldi、Garrett Gound、Josh Lindblomに、昨季のドラ1Chris Reedなど、比較的良さそうな名前が多くリストに並ぶが、来季以降も継続的に成績を残せるのか不安がある。野手は一時期ほど良くなく、Dee Gordonが卒業したからなおさらだ。BOSからトレードされたTim FederowiczはPCLでは良く打ったが、BAではNo.10。それでも15年の正捕手にリストされているしガンバって欲しい。

San Diego Padres - BA, BP, PG, JS, FG : BOSから行ったJed Hoyer/Jason McLeodさんの下で多くの若手を蓄えたし、Adrian Gonzalez、Mike Adamsなどのトレードもあった。非常に層の厚い組織となっている。No.1はBOSから移籍のAnthony Rizzo。MLBでは適応できなかったが、パワーは十分証明したし、JSでは上手く育てばRyan Howardとも。同じくBOSから移籍のCasey Kellyは2年目のAAでも平凡でやや評価を下げたけど、それでもBAでNo.3。Reymond Fuentesはパワーを見せられずTop10圏外。ツールとスキルを兼ね備えるRymer Liriano、ここ2年のドラフトのCory Spamgenberg、Austin Hedges、Jedd Gyorkoなどヒッターが上位に名前を連ねるけど、Adamsの見返りのJoe WielandやRobbie Erlinなど、Petco Parkならしっかりとした先発になれそうなのも多く抱えている。ただAAAがPCLにあって、MLB昇格に苦戦する選手も多いし、今季は評価を落としたJeff Deckerなど、継続した成果を残した真のTop Prospectは少ない。(追記)トレードでYasmani Grandal、Yonder Alonso、Brad Boxbergerを獲得。一気に層を増しましたが、AlonsoはRizzoと、GrandalはMLBに定着したNick Hundryと被りますね。早速RizzoにはTBやCHCが興味とか。

San Francisco Giants - BA, BP, PG, JS, FG : Zack Wheelerを出した挙句POを逃し、Carlos Beltranの補償ももらえないとは踏んだり蹴ったり。現在のNo.1はGary Brown。Minor全体でもトップクラスのスピードを誇るCFで、しっかり打って評価を上げた。ただ一方でパワーは限られており、スーパースターにはならなそう。Tommy Josephは恐らく1Bだろうが、パワーがある。今季はドラ1でJoe Panikをピックして、個人的にはオーバードラフト感が強いが、SFのM-IFの弱さを考えると、即戦力だし価値はある。また下位では、ドラフトNo.1カレッジ捕手のAndrew Susacをスティールしたが、守備の良いHector Sanchez共々Buster Poseyにブロックされている。投手で言えば、Wheelerを放出はしたが、Tim LincecumやMatt Cainと延長も考慮しているようだし、現状さほど問題はない。上限は低めだが一応Eric SurkampはMLBで起用段階に来ているし、Theoさんが直々にスカウトしたKyle Crickはポテンシャルが高い。リリーフではHeath Hembreeもいる。

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