元BOSのJed LowrieがOAKにトレード。昨季躍進したOAKの中核を担ったJosh Reddick、Brandon Mossの元BOS勢にLowrieまで加わることに。これは真剣にOAKをチェックする日々が始まりそうです。OAKが少し出し過ぎという意見が多いかな?まぁHOUは残り2年のLowrieを出しても痛くないし、Winなのは間違いないか。
[Transaction]
☆ OAK Acquired : IF Jed Lowrie, RHP Fernando Rodriguez
☆ HOU Acquired : RHP Brad Peacock, 1B Chris Carter, C Max Stassi
[Player (to OAK)]
☆ Jed Lowrie, IF
BOSファンには言わずと知れた、05年のドラ1。調停2年目で、13年は$2.4Mで合意している。14年のオフにFAになる予定。11年のオフにMark MelanconとのトレードでHOUへ。Stanford大出身で、このトレードに絡んだCarterとは同名の別人でBOSでもプレーしたChris Carterなどとチームメイトだった。カレッジ時代は2Bがメインだったが、BOSに入団後、SSのProspectとして台頭。SSとしては非常に優れた打力と選球眼の持ち主で、パワーもMLBのSS全体で上位に入る。
守備に関しては、SSとしてはやや動きが堅く、レンジ・グラブ捌きとやや疑問を呈されることが多かったものの、MLBへの適応期だった08、09年辺りは守備指標で高い値をたたき出し、またその打力のアドバンテージもあってSSで期待され続けている。ケガが相次いだ10、11年はエラーが目立ち、またケガもあってUTのような立場に。ただ再びSSに固定された12年は平均レベルの守備を見せている。
弱点は何と言っても健康面。ケガに加えて、病気が長引くことも多かった。BOSにおいても、何度もブレイクの兆しを見せ、正SSとしての期待をされながらも、そのたびに離脱やそれから来る不振で、チャンスを掴みそこなった。12年も16 HRとポテンシャルを見せつけたが、それでも97 Gの出場に留まっている。
☆ Fernando Rodriguez, RHP
Anaheim時代のAngelsの03年ドラ18。調停前で、あと最低でも5年雇えるが既に28歳になる。09年に1試合だけLAAでデビュー。10年のシーズン後にMiLFAでHOUに移籍。平均で94 mph前後の速球にカーブがメイン。少しチェンジアップも投げる。変化球はさほど効果的でもなく、基本は速球で攻める。奪三振率が高く、12年は71 Gに投げたが、四球率が悪く、被弾も多い。平凡なリリーフという印象。
[Player (to HOU)]
☆ Brad Peacock, RHP
WASの06年ドラ41という下位指名選手。サービスタイムは丸々6年が残っている。平凡なキャリアを歩んでいたが、11年に開花。AA/AAAで高い奪三振率を見せると、MLBデビューを飾った。平均93 mph前後と先発としてはしっかりした球威があり、これに加えてカーブの評価が非常に高い。一方でチェンジアップに関しては未完成で、制球もあまり良くない。
11年のオフには全体でもTop 100に入るProspectと見なされ、Gio Gonzalezのトレードのセンターピースの1人としてOAKへ。しかし12年は制球難でAAAで不振。先発2、3番手の可能性と言われていたように、スタッフの評価自体は高いが、もう一皮剥けないと、MLBでは苦しいかもしれない。
☆ Chris Carter, 1B/OF
CWSの05年ドラ15。こちらもまだ調停前で、あと6年雇える選手。07年に、Dan Harenを欲しがったARIが、一旦Carlos Quentinと交換し、すぐにOAKへトレード。とにかくパワーのある選手で、じっくりボールを選び、打てる球をスタンドに持っていく。その結果、三振は非常に多く、低打率だが、まずまずのOBPと高いSLGを残している。
パワーと選球眼以外のツールには全く欠けるし、MLBへの適応にやや苦しんでおり、かつての期待からは多少評価を引き下げている。多少成長しても、AVG .250も打てるか微妙だが、12年は218 ABで16 HRを放っており、我慢して使えばAdam Dunn (CWS)のようになる可能性も。
☆ Max Stassi, C
OAKの09年ドラ4。ボーナス要求で多少スリップしたが、元々BAのMock DraftではBOSのドラ1での指名と予想されていた選手で、トップクラスのHSの捕手だった。ちなみにBOSは当時同じくHSの捕手だったWil Myers (TB)にも強い興味があったが、ボーナス要求等から敬遠している。元々守備面の評価が非常に高く、守備型と言われていたように、打撃面でやや苦戦しており、まだHigh-Aまでに留まっている。12年は15 HRとまずまずのパワーを見せているが、現状では先はまだ長い。
[Team Analysis (OAK)]
OAKはこのオフ、Stephen DrewがFAでBOSへ。またトレードでCliff PeningtonをARIに放出している。NPBの西武ライオンズから海外FAとなった中島裕之と契約。SSは中島でいくのかと思いきや、Lowrieの獲得となった。Lowrieを獲得する前のIFは、2BがAdam RosalesとJemile Weeksに、ProspectのGrant Greenが候補。SSに中島で、3BがJosh DonaldsonとEric Sogardという布陣だった。
2Bの候補は多いが、SSは控えがRosalesかSogardで、3BのDonaldsonも含めてオフェンスがあまりにも弱かった。Lowrieの獲得により、中島は3Bにスライドするはず。LowrieとDonaldsonの置換で、オフェンス面は向上。中島は元々さほど遊撃守備の評価の高い選手ではなく、MLB初挑戦ということで、かなり不安もあったし、その分リスクはやや軽減されたように見える。
不安はLowrieの健康面と、3Bをしばらく守っていない中島の守備の適応だが、後者はロスター内のどの選手も複数のポジションをこなせ、フレキシブルに対応できるので大きな問題はないか。一方、F. Rodriguezが加入するブルペンは、ビッグネームこそGrant Balfourなものの、昨季ブレイクしたRyan Cookを始めとして層は厚いが、当たれば使えばいいし、ダメなら切れば良く、どうとでもなる。
抜けた方では、PeacockはまだすぐにMLBで使える状態にはないが、一応AAAまで来ていたし、若干はデプスを削ったことになる。Bartolo Colonは出場停止で少し出遅れると思うが、Brett Anderson、Jarrod Parker、Tom Milone、A. J. Griffinと続き、昨季のMinor奪三振王のDan Strailyがデプス1番手で控えるが、以降はAndrew Werner、Tyson Rossとやや弱い。MiloneやGriffinなど実績の少ない選手も多いし、候補は多いに越したことはなかったが。
ただそれよりもCarterの離脱が響く可能性が。1B/DHでMoss、Daric Bartonと3人の選手を抱えていたが、Carterはこの中で唯一の右打ち。Bartonはよくボールを見る者の、そもそも1Bとしては打力が許容外だし、同じ左打ちのMossとの補完性も良くない。Mossが12年後半戦の打棒を見せられるなら全く問題ないが、まだ実績の多くない選手だし、やや不安もある。
1B/DHの枚数的にも1枚減ったことになり、豊富なOFからSeth SmithやYoenis CespedesをDHに回すこともできなくはないが、Chris YoungとCoco Crispの両方をラインナップで使うのも、オフェンス面で若干微妙には映る。中島の遊撃守備適応失敗というリスクを減らし、IFの左半分はバランス的にやや改善したが、逆に1Bは薄くなりややリスクが増した形。Lowrieが健康でいることとMossの成績維持があればアップグレードになるだろうが、そうでない場合はマイナス面も考えられる。個人的には成功して欲しいムーブではありますが。
[Team Analysis (HOU)]
1Bは13年に限れば、Brett WallaceとCarlos Penaとすでに2人の候補がいるが、共に左打ちでCarterとの相性は悪くないし、Penaはそもそも13年限り。1Bでは傘下にJonathan Singletonがいて、13年中にデビュー、14年以降のレギュラー定着を考えていただろうが、薬物違反があり、若干スケジュールは後ろにズレた。まだ将来の正1Bと考えられているだろうが、そういったこともあったし、何より13年からDHのあるALに移ったので、ここの候補は多くても良い。
一方Lowrieは13年の正SSで予定されていて、Lowrieが抜けた穴を埋めるのはTyler Greeneなど弱いが、あと2年は再建期になりそうなチーム状況からいって、残り2年のLowrieは出すべき選手だった。現時点でのSSの候補には欠けるが、AAにJonathan Villar、Jose Martinez、High-AにGiovanni Mierがいて、何より12年の全体1位でCarlos Correaを獲った。PeacockやStassiも可能性は持っている。
2013年2月5日火曜日
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