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2012年12月18日火曜日

TOR and NYM Trade Analysis; R. A. Dickey and John Buck Trade

ここ数日ほぼ合意という噂が流れていましたが、R. A. Dickeyが契約延長に合意し、正式にTORへのトレードが決まりました。TORはエース格を手に入れたし、残り1年ではなく、3年+オプションということで、まずまずにも見えるけど、さほど競合も多くなさそうだったというところで、ややオーバーペイ気味に見える。


[Transaction]

☆ TOR Acquired : RHP R. A. Dickey (Extension), C Josh Thole, C Mike Nickeas

☆ NYM Acquired : C John Buck, RHP Noah Syndergaard, C Travis d'Arnaud, OF Wuilmer Becerra


[Player (to TOR)]

R. A. Dickey, RHP

TEXの96年のドラ1(全体#18)。01年にMLBデビューするも、MLBでは結果が残せず。典型的な失敗ドラ1として、AAAAプレイヤーを続けていたが、05年にナックルボーラ―に転向すると、キャリアはやや上向きに。08~09年にMLBでまずまずの機会を得ると、10年にNYMへ移籍して開花。12年には38歳にしてとうとうCy Young賞に輝いた。

13年は$5Mと割安の契約があり、14年にFAになる予定だったが、このトレードの際にTORと契約延長し、13'~15'の3年$30M+16年の$12Mオプションという契約内容になっている。ここ数年の成績を残せるのなら非常に割安だし、多少落ちてローテ3番手程度の働きでも十分なレベル。肘の腱が生まれつき1本少ないらしく、02年や07年など何度か全休しており、健康に不安がない訳ではないが、肘への負担も少ないナックルボーラ―だし、ここ数年は健康面も問題を抱えていない。

投球は平均70 mph後半のナックルが75~85%を占める。Tim Wakefieldのそれと比べても球速があり、それでいて変化も大きい。球速の向上にも表れているように、30歳後半にして、ナックルの質はまだ向上している印象。80 mph後半の速球も投げるが、他のボールはほとんど投げなくなっている。成功を収めたNYMを離れるし、本拠地的にも多少は不利になるが、ここ数年のパフォーマンスを見る限りではあまり不安はなさそう。


☆ Josh Thole, C

NYMの05年ドラ13。パワーはあまりないが、守備を中心に、シュアなバッティングで、好守にまずまずの能力を持ち、一時はNYMの次期正捕手とも見られていたが、本格起用となったここ2年では、MLBでは好守に物足りなさを露呈。12年のオフはNYMはTholeに見切りをつけ、他の正捕手候補を探しているという噂が頻繁に出ていた。Dickeyとのコンビ経験が豊富で、大きめのソフトボール用のグラブを付け、しっかりと対応している。


Mike Nickeas, C

TEXの04年ドラ5。06年にVictor DiazとのトレードでNYMへ。10年にMLBデビューしている。Tholeと同じく、パワーレスの捕手だが、右打ちということもあり、12年はTholeのBackupとして起用された。打撃面ではTholeよりもさらに期待できないが、こちらも一応Dickeyを受けた経験があるよう。


[Player (to NYM)]

☆ John Buck, C

前回の投稿参照。


Noah Syndergaard, RHP

TORの09年ドラ1s。09年のドラフトはTORのMinorを向上する大きな転機になった年で、高卒投手を多く指名したが、Aaron Sanchez、Justin Nicolino、Syndergaardと大当たりだった。中でもSyndergaardは、ドラフト時にさほど有名ではなかった選手で、上手く発掘したことになるし、TORファンの間でも愛着のある選手だったのではないかと思われる。

6'5"と非常に優れた体格から、常時92~97 mphの速球を投げる。先発投手ながら100 mphも記録している。若いが、比較的制球も整っている。速球の凄まじさに対し、セカンドピッチ以降の進歩がやや遅れている選手だったが、チェンジアップは良いピッチだし、12年はカーブも大きな進歩を遂げた。どちらもプラスのピッチになると見るスカウトもいる。


☆ Travis d'Arnaud, C

PHIの07年ドラ1s。09年オフにRoy HalladayのトレードでTORに移籍。Top Prospectながら、2度目の移籍となる。飛び抜けたツールは持たないが、好守に平均以上で、現在はMinor全体でも、Mike Zunino (SEA)とトップと争う捕手Prospectと見られている。ここ2年はAA/AAAで好成績を残しており、いつでもMLBで使える状態だったが、TORにはJ. P. Arencibiaがおり、ブロックされる形でMLBデビューはまだだった。

Minorの実績は文句なしだが、個人的には多少懐疑的に見ているProspectの1人で、ヒッティングツールは高く評価されているが、TORのAAAはPCLで非常に打者有利。MLBでは3割は打てないと見るスカウトもいる。またパワー面も20 HR以上打てるとも言われるが、選球眼も平凡で、どの程度コンタクトできるか次第な気もする。守備はMLBでゴールドグラブを獲るレベルではないと思うが、捕球・肩と十分平均以上。常時All-Starとまではいかないと思うが、MLBでも平均以上のレギュラーにはなれるはず。


☆ Wuilmer Becerra, OF

TORの11年のInt. FA。BAのInt. FAのランキングでNo.5とされていた選手で、SSではトップの評価だったが、当時からプロではOFに移るだろうと言われていた。TORは$1.3Mのボーナスを提示して契約。スピードが売り。将来的にはMLBでも20~30 SBできると言われる。プロデビュー1年目の12年はDSLをスキップしたが、ケガがあったのか、GCLで10 G程度の出場に終わった。


[Team Analysis (TOR)]

前回のブロックバスターで、Josh JohnsonとMark Buehrleを加え、ローテはJohnson、Buehrle、Ricky Romero、Brandon Morrow、J. A. Happと5枚揃ってはいたが、RomeroやHappのパフォーマンスやMorrowの健康状態もやや難があり、本気でPOを狙うにはもう1枚欲しいというのは確かだったが、適当なFAで濁すのではなく、またもやブロックバスターで前年Cy Young投手を加えるという方向に打って出た。前回のトレードでも本気なのはわかっていたが、今回のトレードはチームTop 3
Prospectから2人を出しており、本気以上に「何が何でも」という姿勢を打ち出した。

Dickeyはすでに38歳だし、ナックルボーラ―ということで、成績低下の不安はなくはないが、現時点ではそのような兆候は見せていない。これでDickeyがエースに入り、基本的にはHappが外れるはず。ただHapp自体、POが狙えるか微妙な位置だった12年にわざわざトレードで獲っているし、ここで出すよりはMinor(送れるかは知らないが)かブルペンに待機させるのでは?Morrowの健康面も疑問だし、Brett CecilやChad Jenkinsといった先発のデプスもやや微妙な状態。

TholeとNickeasの獲得は、Prospectというような意味合いではなく、純粋にDickeyとの経験豊富な専属捕手を連れてくるということだろう。Tholeだけでなく、パッケージの3人目にProspectではなく、Tholeに何かあった時のためにNickeasを獲ったという部分からも、Dickeyへの期待度は大きさが伺える。

出したもので言えば、d'Arnaudの放出は少し意外だった。d'Arnaudの方が将来的なアップサイドは大きい可能性があるにも関わらず、ArencibiaはTORの投手陣と既にしっかり信頼関係を築いているということで、TORの首脳陣はArencibiaの方を取るかもとは聞いていたが、ローテの半分を入れ替えた訳だし、押し付けられた形とは言え、正捕手経験も深いBuckを得たことで、d'Arnaudを使うつもりなんじゃないかと思ったいたからだ。

ただ一方で、d'Arnaudはソリッドなレギュラーにはなるだろうが、それ以上の可能性という面では評価の分かれる選手だったし、過小評価されがちだが、Arencibiaは好守に悪くない。パワー面では明らかにArencibiaが上で、オフェンスのトータルではArencibiaが凌ぐかも。もちろんd'Arnaudの実績と好守のバランスの良さは捨てがたい魅力なのだが。

Syndergaardの放出は痛い。まだSanchezが残るが、Nicolinoを出した直後だし、Syndergaardは最大限育てば、フロントラインクラスの可能性がある本格派だ。Arencibiaの方をセンターピースでというならわかるが、d'Arnaudのパッケージにこの選手を付けるのはオーバーペイに見える。

Becerraに関しても、最近のTORは若い高卒ドラフト選手をさっさとトレードしてしまうのをよく見るが、価値が上がっていないところで、Ceilingが高い選手を放出するのはイマイチ好みではない。もちろんリスクも大きいし、置いておいても失敗することもあるだろうが、パッケージの下の方で出して、大ブレイクとなっては目も当てられないと思うのだが。

最初は残り1年のDickeyに対して、ということで、d'Arnaud1人でもオーバーペイだという意見を目にしたけど、結果的には契約延長がまとまってそれなりには納得できるようにはなったか。出したものは痛いけど、一応最低3年エースクラスの選手を安めで雇えるということで、戦力の向上幅は非常に大きい。3枚目がBecerraの代わりにもう一歩上の選手になっても良かったから、Syndergaardではなく、一歩落ちるSecond TierのProspect(Sean Nolinとか?)でまとまっていればベストだったのだが。あとはDickey次第ですね。


[Team Analysis (NYM)]

NYMの今オフの目標はDavid WrightとDickeyとの延長と言われていたが、前者とは成功したものの、後者とはまとまらず。TORとの延長内容を見ている限り、この程度もオファーしなかったのかと不思議に思ったが。結局残り1年でチームはリビルドということで、出すしかなくなった。いくつかのチームが興味を示していたけど、NYM側の要求があまりにも高すぎて、多くのチームは二の足を踏んでいた印象。BOSにもX. BogaertsとJ. Bradley Jr.要求とか言われていたし、「ふざけるな」としか思わなかった。

しかし結果的には強気の要求が功を奏し、次期正捕手候補のd'ArnaudにHigh Ceilingな若い右腕のSyndergaardを手に入れた。Syndergaardは2年後には、Zack Wheeler、Matt Harveyと上位ローテを組んでいるだろう。Becerraもハイリスクハイリターンだが上限は高く、育てば大きいし、パッケージで得る分には何もデメリットはない。

Buckの獲得はTORのペイロールを多少肩代わりする形に近く、MIAがTORに押し付けたのと似たような形だけど、リビルド期間の間にd'Arnaudへ徐々に移行していくには申し分ない組み合わせとなる。まぁ自分はTORでそうなると思っていたけど。この2人を獲得するなら、TholeとNickeasは余剰でしかなかった。

Dickeyと延長できないのなら出すしかなかったし、例え延長が可能であったにせよ、リビルド期間のチームであることを考えれば、38歳で成績下降の危険もある選手を囲うよりは、複数のHigh Ceilingな若手を得た方が良いに決まっている。NYM側としては何も文句のないトレードだろう。

2 件のコメント:

jac さんのコメント...

Anthopoulosはもういますぐにでも解任してほしいですね。Mooreなんかよりも無能。
最初はArencibiaとGoseのパッケージで拒否されて、それでd'ArnaudとSyndergaardを出すなんて、相手の条件を丸呑みです。こんなに出すなら他の選択肢もあるのに、こんなにほしい選手を出してくれるならMYMのフロントは笑いが止まらないでしょう。

Dickeyは今季はいいですが過去2年の奪三振率は平凡でせいぜいローテ3番手くらいが妥当な選手。絶対的エースではありません。そんなに選手にHalladay級のパッケージを差し上げるのは無策にもほどがあります。

いくらナックルボーラーとはいえ、Wakeも最後に200IPを投げたのは38歳で、年齢というファクターを無視し続けている気がします。少なくとも3年目なんかはもう期待ほど働いてはなれないものかと。

来季を考える上でも、捕手だけでなくDHでも使えるBuckやd'Arnaudを出して打てない盗塁阻止率も低いTholeでは野手のデプスが弱くなりますし、Lindを常時使うといっているようなものですから、トータルで考えるとそんなに戦力アップにならないと思います。

BOSはあれこれ動いていますが有望株をださない姿勢は評価できますね。トレードするにしても、そのまま使うにしてもいろいろ選択肢があります。仮に今回の主な契約が失敗してもやり直せます。

一方のJaysはもうどうしようもありません。来季がだめなら終わりのチーム。有望株も相当少ない、Reyesらの大型契約はずっと続く。来季はいいですが、それ以降のことを考えると恐ろしい話です。TorontoのファンでなくただのMLBのファンならそれでも来季勝負をかけるべきだ、なんてことも言っていられますが。

ララ さんのコメント...

jacさん

Dayton Mooreと方向的には似てますけどね。Shieldsの方が実績があって良いような気もするけど2年だし、Myers > d'Arnaudだと思うけど、Syndergaardまでつけちゃったしな~。

Dickeyは元々三振を獲りまくる投手ではないですし、成績的に多少ダウンする可能性は高めかもしれませんね。ただ投球内容からすると、加齢による衰えはまだ心配するほどではないと思っていますが。

右打ちの多いラインナップだし、d'Arnaudや特にBuckをムリにDHで使うのはあまりピンと来ないですが、DH/1Bもアップグレードを狙いたい感はありますね。

個人的には特に上位の数人を除けば、必要なトレードにはしっかりProspectを消費してかまわないとは思いますが、必要以上に出し過ぎたり、今回のHanrahanのように、必要ない部分のために出すのは気に入らない。

まぁBOSは安全サイドに安全サイドに動いているので、大失敗はしないだろうけど、奇跡が起こらない限り、WSはおろかPOも遠いと思います。そうなるならいくら大失敗しなくても、GMとしてはダメですよね。

TORの有望株はまだ薄くはないと思いますが、BOSと同じく素質先行型の下層のProspectがほとんどになっちゃいましたね。

今回の動きは、Ubaldo Jimenezを獲った時のCLEなんかと少し被ります。せっかくMinorを築き上げたのに、若干勝負を焦ってしまっているような。もちろんうまく行くなら正しい動きと言われるんでしょうが、失敗するとCLEの二の舞ですね...。