2014年4月17日木曜日

Former Sox Prospect Review: Jon Lester, LHP

今回は、BOSの大エース、Jon Lester。一昨年あたりから少しパフォーマンスを落としていましたが、昨年のPOからはエースに相応しい姿に戻っています。白血病を克服して戻ってきた選手で、6年間30先発以上を続けている、健康度にも優れた投手陣の柱です。

Photo from New York Daily News

[Player Data]

Name: Jon Lester (ジョン・レスター)
Full Name: Jonathan Tyler Lester
Position: LHSP
Born: January 7, 1984
Birthplace: Puyallup, Washington
Height: 6-4
Weight: 220
Bats: Left
Throws: Left
Drafted: 2nd Round, 2002
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $1,000,000
High School: Bellarmine Prep (WA)
MLB Debut: June 10, 2006 (Boston)
How Left: Traded to Oakland with Jonny Gomes for Yoenis Cespedes and Comp. Round Pick B (July 2014)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

投手として理想的な体格。イニングをしっかり稼げるワークホースタイプの身体をしている。非常に滑らかで理想的なスリークォーターから投げる速球は、常時91~95 mph、最速98 mph。09年の頃は平均で94 mph近くまで出ていたが、現在ではそこから少し落ちている。それでも94~95 mphを投げることはできるし、力が入る試合では今でも97 mphを記録する。ややカット系のムーブがあり、左腕としてはかなり球威がある。またMLB昇格後、磨きを掛けたカッターは、彼の最高の球種というだけではなく、MLB全体でも最高レベル。速球より2~3 mph球速が落ちるが、手元で鋭く変化する。70 mph中盤から後半のカーブも一時期コマンドを失っていたが、基本的には優れたボールで空振りを奪える。やや横の変化もあり、11-to-5に近い変化をする。80 mph中盤のチェンジアップはさほど大きく落ちないが、一部ではMLBでも最高クラスと言うスカウトもいたくらいで、ボールの質は高い。コマンドに関しては、ややアバウトな部分があり、どちらかというとコマンド重視というより、4つの優れたボールを自由に投げ分けることで三振を奪う選手。少し球威も落ちていることもあり、トゥルーなエースであり続けるためには、この面でもう一歩成長が欲しい。牽制は左腕らしく上手いが、フィールディングにはやや難があり、バントや投ゴロの処理は怪しさを感じる。一塁への送球もイップス気味だったことも。


[Background]

HS時代は三度のMVPと三度のエリアオールアメリカンに選出。02年のドラ2での指名だったが、この年のBOSはドラ1指名権が無かったこともあり、$1Mとドラ2では最大のボーナスを払って契約した。06年にMLBに昇格した直後に悪性リンパ腫(白血病)が発覚するも、治療とリハビリを経てMLBの舞台に戻ってきた。


[Profile]

02' : GCLでプロデビューし、1試合に登板。

03' : 高卒2年目ながらLow-A Augustaで投げ、K/BBは悪かったものの、しっかりと投げた。

04' : シーズン前にはTEXにAlex Rodriguezのトレードを打診した際に、Manny RamirezとLesterという要求があったが、Lesterの潜在力を信じてフロントはトレードを拒否。シーズンではHigh-A Sarasotaに昇格。防御率は平凡ながら、奪三振率が伸びた。

05' : AA Portlandで素晴らしいシーズンを送る。同チームには投のLesterとJonathan Papelbon、打のDustin PedroiaとHanley Ramirezがいて、BOSの史上でも最高レベルのチームだったと言える。

06' : AAA Pawtucketでしっかりした成績を残すと、先発陣の故障等もあり、高卒選手としてはかなり早い段階でMLB昇格。ポテンシャルを見せて15試合に先発し、チームの主軸となっていくと思われた矢先に白血病が発覚。治療とリハビリに取り組むことになった。

07' : 治療に成功し、チームに復帰。治療中にかなり体重が落ちたこともあり、本領発揮とはいかなかったが、WS第4戦で先発し、ワールドシリーズを制した試合で勝ち投手となった。

08' : 完全な状態に戻り、いよいよエースとして台頭し始めた。5/19には両親の見守る前でノーヒッターを達成。

09' : 本格的開花の年となった。203.1 IPで225 KとMLB全体でもトップクラスの奪三振マシーンへと進化。

10' : 前年と同様に三振を奪いまくり、被打率はさらに向上。MLB全体でも最も支配的な投手だった。All-Starに初出場し、Cy Young賞投票でもALで4位にランクイン。

11' : 悪くない成績だったが、奪三振率がやや落ちた。2年連続でAll-Starゲームに出場。終盤やや不調気味で、チームの9月の崩壊と止めることができなかった。

12' : コマンドが悪く、エースらしい投球は影を潜めるように。やや不運もあったが、4.82 ERAとエースとは言いがたい成績に。

13' : 序盤は支配力に欠ける試合が多かったが、チームの調子が上がるにつれてパフォーマンスも尻上がりに向上。POではALDS第1戦の初球に97 mphを投げるなど、全開の投球でエースに相応しい活躍。WSではDavid Ortiz、上原浩二と三人がMVPと言ってもおかしくないほどだった。

14' : 開幕前はディスカウントしても良いとまでコメントしたいたにも関わらず、納得して契約延長するほどのオファーをされず。しかし開幕からエースとして獅子奮迅の活躍。奪三振率が元の水準に戻り、長いイニングを軽々投げて試合を作った。三度目のAll-Starゲームに出場。

14' July : 低迷するチーム事情もあり、フラッグディールでJonny Gomesと共にOAKへ。見返りはYoenis Cespedes。

14' : 初めてBOS以外のチームで投げることとなったOAKでもエースとして申し分の無い投球。ポストシーズンでもチームは敗れたが、さすがの投球を見せた。2チームトータルで219.2 IP/2.46 ERA/194 H/48 BB/220 Kと奪三振率が再び9.0 K/9 IPに達し、一方で制球はキャリアハイの2.0 BB/9 IP。Cy Young賞投票でもALで4位にランクイン。万を持してFAに。7年$155Mと巨額の契約でCHCへ移籍。

15' : やや環境の変化に戸惑ったのか序盤は不調だったが、尻上がりに調子を上げ、例年通りの安定した投球で若いチームのローテの軸となった。

16' : 前年Jake Arrietaに奪われたエースの座を奪い返した。防御率は同僚のKyle Hendricksに次ぎ、MLB第二位。103勝のチームをHendricks、Arrieta、John Lackeyと共に支えた。

17' : シーズンを通してローテを務めたが、特に前半戦の早めの交代が多く、久しぶりに200 IPを切った。少し被打率が上がっているが、防御率ほど他のスタッツは落ちてはいないので、ラックもあったのかも。

18' : 32試合にしっかり先発したものの、やはり200 IPを超えられず、また奪三振率が落ちるなど、内容も少し落ちて来ている印象だが、それでもソリッドな防御率で18勝を記録。

19' : 飛ぶボールの影響もあり、少し被打率が上がり、ローテ上位の投手ではなくなってきているが、ソリッドにローテは守っている。

20' : 支配力に陰りが見られ、平凡目なCHCでの最終シーズンとなった。

21' : WASと1年契約。奪三振率の低下が目立った。フラッグディールでSTLへトレード。9月に200勝達成。

22' Jan. : 引退を発表。


[Comment]

今季はオプションイヤーとなっており、オフにFA資格を得ますが、契約延長に失敗することはあってはいけないと思う。そもそもシーズンが始まるまでにまとめられなかったのも失策だと思いますが。FAになってしまえば他チームのオファーを聞く訳だし、残留は五分と五分。ディスカウントしても良いとまで言ってくれた選手が不満に思う額しか提示しないのは問題だし、フロントには誠意ある交渉でしっかり延長してもらいたいと思います。

(14年追記)無能なBen Cherington GMのせいで契約延長もされず、意味不明な見返りでOAKへ。オフにFAで帰ってきてくれるというのを期待しています。

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