2013年12月18日水曜日

ARI and CWS Trade Analysis; Addison Reed and Matt Davidson Trade

ARIがCWSからAddison Reedを獲得。見返りにMatt Davidsonを放出しています。ARIはこの前もオーバーペイ気味にMark Trumboを獲ったけど、14年はかなり真剣にPOを狙うようですね。Reedはあと4年雇えるし、実績も十分。Davidsonは比較的リスクも高く、ARIにとっても、オーバーペイということはないでしょう。一方CWSも来年は再建期だし、調停に入る来オフよりも、今が売り時なのは間違いない。Win-Winの部類に入るトレードかと思います。


[Transaction]

ARI Acquired : RHP Addison Reed

CWS Acquired : 3B/1B Matt Davidson


[Player (to ARI)]

Addison Reed, RHP

CWSの10年ドラ3。San Diego State大では、09年にStephen Strasburgとチームメイトでクローザーを務めていた。プロ入り後は、先発で試されることなく、リリーフとして投げ、プロデビュー翌年にはMLBまで到達。その後の2年間をチームのクローザーとして過ごしている。彼の存在も、チームがリリーフ向きかと言われていたChris Saleを先発で起用しつづける方針を少しは後押ししたかも。

速球は、今年は過去2年から少し落として平均93 mph。超剛速球投手ではないにせよ、90 mph中盤から後半を出せるし、クローザーとしても十分な球威を持つ。また80 mph中盤のスライダーへの評価が非常に高く、投球割合も高い。基本的にはこのツーピッチで押す投手。ややフライボールの割合が高いが、四球もそれほど多くなく、しっかりしたレベルのクローザーと言える。まだ調停前で残り保有期間は4年。


[Player (to CWS)]

Matt Davidson, 3B/1B

ARIの09年ドラ1s全体#35指名。このトレードを取り上げるのは、個人的にDavidsonへの思い入れがあるから。自分がドラフト候補をチェックし始めたのが09年で、そのドラフトでドラ1で指名して欲しいと思っていたのがこのDavidsonでした。彼がBOSの指名順に残ってた時はドキドキしたけど、まさかReymond Fuentes (現SD)という指名になるなんて...。プロ入り以降もちょこちょこチェックしていましたが、ここでトレード。

タイプ的には典型的な三振の多いパワーヒッター。AAで好調で、最も評価が高かった12年を除けば、三振率はほとんどのクラスで25%を超えている。全くのフリースウィンガーではないものの、四球を選びまくる選手ではなく、変化球に弱いため、アベレージに関しては、MLBで3割を打てるようにならないと思うし、パワーに関しても、本来のポテンシャルまで届いていない。現状ではフルタイムでプレーしても20~25 HR程度に留まると見られる。

BOSのWill Middlebrooksと同様、器用な打者ではなく、選球眼の向上が全ての鍵を握ると言っても過言ではないだろう。守備は肩は強いものの、反応、グラブ捌き共に平凡で、しばしば1Bへの転向を噂される。実際ARIでも将来の1Bと見られていたと思うが、Paul Goldschmidtの台頭により、1Bではブロックされていた。1Bとしても申し分の無いパワーポテンシャルを持つが、返す返すも選球眼が進歩するかどうか次第だろう。13年にMLBデビューを飾ったばかり。


[Team Analysis (ARI)]

13年にチームのクローザーを務めた1人であるHeath BellがFA。同じくクローザーの役割を分け合ったBrad Ziegler、J. J. Putzはいるが、一本芯を通せるリリーフが欲しかったのはある。Reedの獲得で左腕のJoe Thatcherと合わせて、後ろを任せられるリリーフ陣は確立された。Reedは、若く健康で、年俸も安く、実績も十分なクローザーということで、かなりの価値がある。Davidson1人で済むなら、むしろ安いものかも。とは言え、格安なのは来年までで、それ以降はケガ等が無い限り、リリーフということで、やや割高にはなっていくでしょう。

一方、放出したDavidsonは、希少なパワーヒッターで、既にMLBに辿り着いている若手ということで、価値は高い。ARIは3BがMartin Pradoを予定しているが、3Bとしてはパワーに欠ける選手ではあり、Davidsonと併用し、いずれは引き継がせるというのがプランだった。また1B控えとしても起用でき、ロスターにはフィットしていた。ただ、1B控えは新加入のTrumboで賄えるし、3BもM-IFを争う、Aaron Hill、Chris Owings、Didi Gregoriusの3人がロスターに残るなら、誰かを回すこともできるし、最悪Trumboも経験がある。Davidsonが絶対に必要とまでは言えない状態だった。

短期的には明らかに戦力アップだし、Davidsonは、選球眼が伸びなければ、MLBに適応できないリスクもある。基本的には満足なトレードでしょう。まぁただ一つ苦言を呈するとすれば、ARIはリリーフをあまり傘下から輩出できておらず、トレードで獲ってくることが多い。現ロスターでも確定カードでは、Josh Colementerくらいで、あとはZieglerもThatcherもトレードで獲得した選手。昨年くらいまで、かなり投手を重視したドラフトをしていたのだし、もう少し自前でリリーフを育てた方が、将来構想も楽になる気がするのですが。


[Team Analysis (CWS)]

チームの生え抜きクローザーを、調停にも入らない内に出すことになったが、やはり大きいのは、上記したように、14年がまた再建期になるだろうという点。この前のHector Santiagoもそうだが、どうせ1年、POを目指せないチームで起用して、残りサービスタイムを減らすくらいなら、高い内に売っておけ、ということなのだろう。C. Saleに関しては、先発ということで、長期契約で引き留めるということも考えられるけど、比較的補填のききやすいリリーフ(Reed)や、先発としての適性にまだ不安もある選手(Santiago)などは"Sell High"するというのはストラテジー的には正しい。

しかも、得たのは、チームが喉から手が出るほど欲していた3Bだ。3Bに関しては、Joe Crede以降、Dayan ViciedoはOFへ転向。2B/3Bで使われていたGordon Beckhamはルーキーイヤー以降鳴かず飛ばず。Brent Morelも消えて行った。昨季は、Conor Gillaspieがしばらく可能性を見せたが、結局は失速。再建期の来年の内に、Prospectを含めて、将来の候補を見出しておきたい。2BにはMarcus Semienが台頭しているので、あとは3Bと捕手だろう。Reedの見返りとしては、もう少し要求できたような気もするけど、リリーフ市場も物凄く盛り上がってはいないし、ポジションとMLBへの近さを考慮すれば、満足のいく見返りなんじゃないかと思う。

0 件のコメント: