2013年12月5日木曜日

Former Sox Prospect Review: Jacoby Ellsbury, CF

今回は、つい先日WS優勝を置き土産にNYYと契約した、Jacoby Ellsbury。傘下のTop Prospectから、チームの主軸へと成長し、二度のWS制覇に貢献。甘いマスクもあり、ファンへの人気も絶大で、BOSの象徴の一人でした。ライバル球団へ移籍してしまうのは寂しいけど、生え抜きがここまでの選手に育ってくれたかと思うと幸せなことですね。NYYでも(BOS戦以外で)ガンバって。

Photo from SoxProspect.com

[Player Data]

Name: Jacoby Ellsbury (ジャコビー・エルズベリー)
Full Name: Jacoby McCabe Ellsbury
Position: CF/LF/RF
Born: September 11, 1983
Birthplace: Madras, Oregon
Height: 6-1
Weight: 195
Bats: Left
Throws: Left
Drafted: 1st round, 2005; 23rd round, 2002 by Tampa Bay
How Acquired: Draft
Signing Bonus: $1,400,000
College: Oregon State
High School: Madras HS (OR)
MLB Debut: June 30, 2007 (Boston)
How Left: Free agency, signed with New York Yankees (December 2013)
Player Link: MLB.com, Fan Graphs, Baseball Reference, SP.com, Youtube


[Scouting Report]

トップレベルのアスリート。スプリンター並みのスピードがあり、そのスピードはディフェンスのレンジにも、ベース上でも生かされている。スピードがあるだけでなく、走塁や盗塁技術にも高い能力があり、MLB昇格後も多くの盗塁と、重要な場面での好走塁を見せる。打撃に関しては、高いコンタクト能力を持ち、リードオフとして申し分ないツールパッケージを持つ。やや引っ張りが多いが、パワーに関しても比較的あり、特に11年は32 HRという大爆発。左打者はHRが出づらい球場でプレーしていることもあるし、パワーレスの選手とは言えないだろう。選球眼に関しては、甘いボールは早いカウントでも打って出るタイプであり、トップクラスではないが、フリースウィンガーではなく、ある程度ボールを見る能力はある。守備はキャリア初期は、やや打球への判断が甘く、LFに移された時期もあったが、経験を積むと共に、スピードを生かした、優れた守備を見せるようになった。現在は平均以上のCFとなっている。ただ肩に関しては、よく比較されるJohnny Damonと同様に弱く、5ツール選手とは言えないレベル。


[Background]

アメリカのネイティブインディアンであるナバホ族の血筋で、同族から初めてのメジャーリーガーとなっている。05年はOregon State大で活躍し、BAからAll-Americanの1st Teamに選出されるなどの高い評価を受けていた。


[Profile]

05' : SS-A Lowellでプロデビュー。AVG .317に、4割を超える出塁率。また35 Gで23 SBを決めるなど、将来のリードオフとしての期待に違わぬ活躍。

06' : Low-Aをスキップし、High-A Wilmingtonへ。フルシーズンレベルでも全く苦戦することなく、High-AのAll-Starゲームにも出場。AA Portland昇格後も、全く成績を落とすことはなかった。秋にはAFLへ派遣。チームから傘下の最優秀ディフェンダーおよび最優秀ベースランナーに選出。NYYへ移籍したDamonの後継者と見なされるように。

07' : AAで猛打を見せると、早々にAAA Pawtucketに昇格。6月にMLBデビューを飾ると、Top Prospectの一人として、Future's Gameにも選出。セプテンバーコールアップでMLBに再昇格すると、打撃で調子の上がらないCoco Crispから徐々に機会を奪い、最終的にPOではレギュラーの座を勝ち取って、WS制覇に貢献した。2年連続で、チームから傘下の最優秀ディフェンダーおよび最優秀ベースランナーに選出された他、BAからマイナー全体のランキングで#13という評価。同期のClay Buchholzと共に、マイナーで最高クラスのProspectと見なされるようになった。

08' : 開幕からリードオフに抜擢され、申し分のない働き。50 SBでリーグ盗塁王に輝き、新人王投票でもEvan Longoria、Alexei Ramirezに次ぎ、ALで3位につけた。

09' : 09年も再びリードオフとして活躍。70 SBを決めて2年連続の盗塁王に。NYY戦でホームスティールを決めたのも記憶に刻まれている。

10' : 背番号を46から2に変更して臨んだシーズンだが、ここまでの守備で、時折スーパープレーを見せてきたものの、守備スタッツは悪かったこともあり、チームはMike Cameronと契約し、EllsburyをLFへコンバート。しかしそれよりも、Adrian Beltreとの交錯により肋骨を痛め、一年間をほぼ棒に振った。

11' : Carl Crawfordの加入があり、CFへ復帰。彼にとっての最高のシーズンとなった。パワーが大爆発し、前述の通り32 HR。30-30を達成し、MVP投票で2位となった。最後の最後で大崩壊をしてPOを逃したチーム状況もマイナスに働いてしまったが、Justin Verlander (DET)よりもWARでは圧倒的に良く、正にMVP級のシーズンとなった。カムバック賞に、シルバースラッガーとゴールドグラブを獲得。

12' : TB戦で、今度は二塁に滑り込んだ際に、Reid Brignacと交錯し、肩を負傷。再びケガに泣いたシーズンとなった。7月に復帰も前年のような華々しいプレーは影を潜め、崩壊に陥ったチームを立て直すことはできず。開幕前は契約延長も噂となったが、ケガもあって交渉でチームとお互いに歩み寄ることはなかった。

13' : FAイヤーは、開幕から再びチームの主軸としてプレー。11年のようなパワーは見せられず、またしばらく戦列を離れた時期もあったが、52 SBと再び大台に乗せ、盗塁王に返り咲き。WS制覇に貢献し、有終の美を飾った。チャンピオンリングを置き土産に、FAとなり、最大8年$169Mの契約でNYYへ移籍。

14' : NYYでの1年目はプレッシャーもものともせず、AVG .270/15 HR/40 SBと期待通りの成績。BOS時代はケガに苦しんだシーズンもあったが、初年度からフル稼働した。今後は選球眼がもう一歩伸びて中軸を打てるようになりたいところ。

15' : ケガ等もあり、成績を落とした、まだ老け込む年ではないし、再起を期待したい。

16' : 前年度と似たような成績。不良債権化しつつある。POを争う後半戦はスタメンを外れることも。

17' : Aaron Judgeなどの若手OFの台頭もあり、レギュラーではなくなったが、試合に出れば、まだ働けることを示した。

18' : オブリークから始まり、リハブ過程で他の箇所を痛めるなど、セットバックで結局全休。

19' : 2年続けて全休。最早存在を忘れられた不良債権に。11月にとうとうリリース。


[Comment]

CFでBOSで大活躍後、NYY移籍と、奇しくもDamonのキャリアをトレースすることとなったが、生え抜きと言うこともあり、やはりファンの多くは彼のことをこれからも温かい目で見ていくんじゃないかと。契約延長することは無かったけど、6年間をBOSに捧げ、素晴らしい活躍をしてくれました。願わくば、DamonよりもNYYでのキャリアも良いものになると良いけど。またBOSはそのCFの系譜をJackie Bradley, Jr.につなぐことになりそうですね。右投げ強肩という点はDamon、Ellsburyとは違うけど、彼らのような大選手へと成長してもらいたいものです。

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