TBがSDからLogan Forsytheを獲得。SDでやや浮き気味だったということもあり、ここ数週間各チームがIF控えから併用カードとしてトレードを画策していると言われていた選手。その分見返りとしてはやや高くついた印象で、昨年のTBのブルペン陣で素晴らしい投球を見せたAlex Torresを手放すこととなってしまった。
またJesse Hahnも昇格は遅めだが、球威のある良いProspect。Brad BoxbergerもリリーフのProspectとしてはなかなかの選手だが、左腕という分Torresの方が価値はある。TBが受け取った3人のマイナー選手は無価値ではないが、良くも悪くもForsythe次第という気がする。12年のForsytheならば十分に元が取れるが、13年との間くらいになるようだと、ややTBの出し過ぎと言う印象。
[Transaction]
☆ TB Acquired : UT Logan Forsythe, RHP Brad Boxberger, RHP Matt Andriese, RHP Matt Lollis, 2B Maxx Tissenbaum
☆ SD Acquired : LHP Alex Torres, RHP Jesse Hahn
[Player (to TB)]
☆ Logan Forsythe, UT
SDの08年ドラ1s。09年にマイナーで好成績を残し、一時期はSDの未来の正3B候補とも見られていたが、以降は目立つほどの活躍を見せられず、Chase HeadleyやJedd Gyrkoにその座を閉ざされている。ツール的には目立つものはないが、比較的ボールをよく見る。パワー・スピードは平凡。11年のMLB昇格以降、色々守れる利便性を売りに、ある程度の機会を得てきたが、守備はどこを守らせても今一つ。12年は対左投手相手に素晴らしい打棒を発揮し、対左要員としてもアピールしていたが、13年はそれも後退。ロスター内でやや浮いた存在となっていた。調停前で来オフが初調停。保有期間はあと4年。
☆ Brad Boxberger, RHP
CINの09年ドラ1s。元々リリーフなら即戦力と見られていて、強力なCINのローテ陣の存在もあり、早くも10年にはリリーフ転向。期待通りに高い奪三振率を残していたが、11年オフにMatt Latosのトレードに絡んでSDへトレード。マイナーではその後もしっかりとした成績を残しているが、一時期ほどのインパクトは無くなっているし、MLBでは四球率が悪化しており、定着できていない。常時91~94 mphの速球はムーブもまずまずでしっかりとしているし、小さ目にタイトに変化するスライダーも悪くないが、コマンドが平凡で一皮剥け切れていない。ちょっとしたキッカケでしっかりとしたブルペンアームになる可能性はあるし、TBの環境はそれにはフィットしているかも。まだ調停前で、6年フルに使える。
☆ Matt Andriese, RHP
SDの11年ドラ3。トレード前のランキングでSDの#15だったそう。スタッフよりも制球や投球術で結果を残してきた選手で、12、13年とマイナーでしっかりとした結果を残し、既にAAAで投げている。K/BBが非常に良く、被HRも少ない。優れたコマンドを駆使しているように思われる。90 mph前半のシンカーを主体とした投球で、マイナー上層では支配力を失っており、最大限育ってローテ下位。良いとこロングリリーフで、AAAAプレイヤーで終わる可能性も高そう。
☆ Matt Lollis, RHP
SDの09年ドラ15。Andrieseとは対照的に、6'9"/250 lbsという巨大な体格から90 mph後半の速球を投げる、身体能力に頼った選手だが、全くと言っていいほどセカンドピッチが磨かれておらず、マイナー上層では捉えられている。
☆ Maxx Tissenbaum, 2B
SDの12年ドラ11。Xを重ねるという変わった綴りの選手で、Toronto出身ということもあり、地元枠なのか09年にTORにドラフトで指名されるも契約しなかった。平均以上のツールは無いが、選球眼の良さが売りで、ここまでのマイナーでの2年間は四球が三振数を上回っている。守備は2Bを中心に、内野の全てのポジションを経験しているが、2Bとしては平均以下。
[Player (to SD)]
☆ Alex Torres, LHP
LAAの05年のInt. FA。09年夏のフラッグディールでScott Kazmirの見返りにTBへトレード。Wade DavisやJeremy Helicksonといったマイナー全体でもトップを争っていたProspectからは一歩落ちる、セカンドタイアーのProspectと見られていたが、それでもかなりの有望株だった。ただBOSのマイナーのAAAチームと対戦した時は、結構打ち込んでいた印象が強く、比較的四球が多いのもあって、先発上位にはなれないと見られていた。TBの先発陣の豊富さもあり、MLB昇格はリリーフで、ということに。速球は平均で92 mph前後で、ズバ抜けてはいないが、左腕としてはまずまず。チェンジアップが非常に良く、これをアウトピッチにしている。ややボールの出所の見にくいフォームもあり、13年は昇格直後、圧倒的な被打率と奪三振率を見せていたが、終盤戦はやや慣れられてきたカンジ。まだ6年フルに保有できる。
☆ Jesse Hahn, RHP
TBの10年ドラ6。今回このトレードを書くことにしたのも、彼がトレードに含まれていたから。何と言ってもニューイングランドConnecticut州出身のBOSローカルボーイで、HS時代はMatt Harvey (NYM)と同じHSの同級生。Virginia Tech大に進学して迎えた10年のドラフトでは、春先にはドラ1候補と言われていたものの、肘のケガでスリップ。もしそれが無ければ、Harveyと共にドラ1でピックされていたかも。タレントの薄いニューイングランドでは珍しいことだし、同じHS出身ということなら、さらにレアなケース。
TJがあったせいで昇格が遅れているが、90 mph後半の速球に、シャープなカーブと平均以上になりうるチェンジアップを持つ優れた投手Prospect。先発の可能性も持つが、リリーフとしても使えそうな選手で、将来的にはクローザー候補にもなれる。10年もドラ6まで残ったのなら、それまでに指名してもらいたかったなと今でも思っている。ただこのトレードで同地区のTBからSDへ移ったので、上手くニーズが合えば、トレードで手に入れることも可能になったかも。昨オフにRule 5ドラフト対策で40人ロスター入りしている。
[Team Analysis (TB)]
ユーティリティーな選手が多く、どうしてもForsytheが必要だったのかは良くわからない。1B専任のJames Loneyに、OFのMatt JoyceとDavid DeJesusが左打ち、Ben Zobristが両打ちというチーム編成上、それほど対左要員を欲しているようにも見えないのだが。OF/DHあたりで見ると、CFのDesmond Jennings、RFのWil Myersはほぼ固定だが、Joyce、DeJesusあたりと組む右打ちがいても悪くないということなのか?それにしてはSean Rodriguezがいるので間に合っているような気がするが、Rodriguezも長らく期待されながら、今一つ中途半端なままなので、競争させて、下手したらリプレースすることも考えているのかも。
出した中では、Hahnも痛くないことは無いが、現時点で上の投手陣は先発・リリーフ共に非常に強力だし、傘下も投手Prospectは豊富と言うことで、構想に響くことは無いだろう。一方Torresは、左腕リリーフでは、Jake McGeeがセットアップにして、実績で勝るCesar Ramosもいるが、あと6年雇えるし、若い左腕ということで、ややもったいない印象を受ける。昨季終盤戦はやや成績を落としているし、"Sell High"ということなのかもしれないが、元々は先発としてもかなり期待されていたProspectだし、このままMLBでしっかり投げる程度の実力はあると思うのだけど。まぁ、左右を問わなければ、MLBに到達している同じリリーフのBoxbergerを受け取っており、同じくらいのステージにはいるので、短期的にはマイナスは小さいということなのだろうが。
[Team Analysis (SD)]
IFは、2BにGyrko、3BのHeadleyがいて、SSはEverth Cabreraがいる。IF控えとしては、Alexi Amaristaを起用したい意向で、Forsytheは浮き気味だった。13年は不調だったとは言え、一応対左要員としての起用も考えられるが、Headley、Cabreraは両打ちで、Gyrkoは右打ち。対左を得意とするForsytheよりも、左打ちのAmaristaの方がフィットするのは間違いない。
投手有利な環境もあり、リリーフへのニーズは高いとも言い難いが、左腕で保有期間もフルに残っており、既にMLBで可能性を見せているということでTorresは価値がある。BoxbergerもTorresと同等クラスのリリーフになりうるとは言え、Torresに加えて、やはりリリーフとしてはハイシーリングなHahnも取っているのだから差引きでマイナスは無い。出したProspect3枚も大きな損失ではなく、人数は減ったものの、より価値の高い2枚と交換できたという点で申し分ない。
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