2014年6月10日火曜日

14' Draft Result - By Team Draft Review

今季は各チームのドラフト結果のレビューを書いてみます。全チーム全ピックをきっちり調べることはできないので、ざっくりとチェックしたくらい。勝手に点数付けちゃってますが、間違ってたら他チームのファンの方はゴメンなさい。ディビジョン毎に追記していく予定。(BOSは後回しかな)。


[AL-East]

Baltimore Orioles - Ubaldo Jimenez、Nelson Cruzと、2人のFAと契約し、最初のピックがドラ3だったため、仕方ない面もあるがトップピックがBA #386のBrian Gonzalez (1B, Rd. 3)では厳しい。その次のドラ4のPat Connaughton (RHP, Rd. 4)が最大のProspectだが、北東部出身で、バスケットボールをメインでカレッジ生活を送っているだけに、契約も若干不透明だし、何より才能はあるものの磨かれていない。Massachusetts州出身だけに応援してはいるが。ドラ11以降も大きなボーナスになるようなピックは無し。Brandon Bonilla (LHP, Rd. 25)は左腕ながら97 mphまで出るとかで、素材としては面白いが。20/100以上は付けづらい。

Boston Red Sox - Michael Chavis (IF, Rd. 1)は順位相応かそれより若干上の価値を持つグッドピックだし、Michael Kopech (RHP, Rd. 1)、Sam Travis (1B, Rd. 2)、Jake Cosart (RHP, Rd. 3)も順位相応だろう。ポジション的にもニーズに合致している。ドラ4~10はピンと来ないが、Karsten Whitson (RHP, Rd. 11)、Trenton Kemp (OF, Rd. 15)など、下位でも良い指名をし、契約できそうなのは評価が高い。一方、David Peterson (LHP, Rd. 28)、Jaren Kendall (OF, Rd. 30)なども指名はしたが、契約はムリだろう。自分の中では、Chavisの印象がとても良いし、85~90/100くらいをあげても良いと思うが、通常の目線で考えれば、75~80/100というあたりだろうか。

New York Yankees - Stephen Drewにフィットするチームながら、BOSにどうしてもドラフトピックを渡したくなかったのか契約せずに死守したドラ2では、今ドラフトで最強左腕RPのJacob Lindgren (LHP, Rd. 2)を指名。最大限育てば、左腕クローザーの可能性も持つ選手で、順位的にも悪くない選択肢。多少ボーナスを浮かせられる可能性もあるようで、そうなるとさらにグッドチョイスになる。その後もドラ6まで、Austin DeCarr (RHP, Rd. 3)、Jordan Montgomery (LHP, Rd. 4)、Jordan Foley (RHP, Rd. 5)、Jonathan Holder (RHP, Rd. 6)と投手ばかり指名。Holderもリリーフだし、HSアームのDeCarrを除けば上限は限られるが、NYYのようなチームは即戦力性も求められる。下位指名では、Garrett Cave (RHP, Rd. 17)が割と大物で、Lindgrenのところである程度浮くなら、彼も確保できるかも。60/100くらいだと思うが、Caveと契約するなら+5になるかも。

Tampa Bay Rays - Casey Gillaspie (1B, Rd. 1)はドラフト全体でもトップクラスのカレッジヒッターで、相変わらず貧打に悩むチームにはフィットしている。またCameron Varga (RHP, Rd. 2)も有数のHS-Pで、投手を育てるのが上手いこのチームだけに悪くない。一方、以下はBrent Honeywell (RHP, Rd. 2s)、Blake Bivens (RHP, Rd. 5)はまずまずだが、大物とまでは言えないし、Michael Russell (SS, Rd. 5)もオフェンス面で上限は限られている。エクストラピックまであった割にはもう一歩か。来年再び全体#1が入るかもしれないし、今季はムリをせず無難に契約をまとめるのだろうか。Vargaは良いし、Gillaspieもフィットはしているが、55~60/100というところだろうか。

Toronto Blue Jays - モックのところにも書いたが、昨季の全体#10でPhil Bickfordに逃げられて非難を受けたが、豊作の今ドラフトの方が結果的に良い選手が得られたかも。そのピックではMax Pentecost (C, Rd. 1)をゲット。彼をどう見るかは少し分かれるだろうし、自分も特段好みではないが、NCAAで4割を打つヒッターで、捕手に残れる選手というのは十分に価値がある。純粋な捕手としては今ドラフトでもNo.1の選手だった。またその上の全体#9では、TJがあってスリップしたJeff Hoffman (RHP, Rd. 1)をゲット。ケガ持ちとは言え、エースのポテンシャルを秘める貴重な選手で、この選手を気兼ねなく指名できたのも、#11のピックがあればこそかと思う。さらにドラ2では、ドラ1で堅いと思われていた、HSのNo.4右腕Sean Reid-Foley (RHP, Rd. 2)をスティール。この3人だけで80/100は堅い。その下では、元々HS選手好きが顔を出して、Nick Wells (LHP, Rd. 3)、Matt Morgan (C, Rd. 4)、Rane Thomas (OF, Rd. 5)と連続でHSからのピック。このあたりは若さ重視で、今すぐの判断は難しいが、可能性は多く得た。ドラ11以降も、Jake Latz (LHP, Rd. 11)など、Illinois州のHS選手3人衆も良いと言われるし、Gunnar Heidt (SS/2B, Rd. 13)もソリッドなM-IFでスティールの可能性がある。そして何よりKeith Weisenberg (RHP, Rd. 38)だろう。Pentecostで少し浮くかもだが、それでもHoffmanやReid-Foleyがオーバースロットになる可能性は高く、さすがにWeisenbergはムリだと思われるが。それでもトップクラスの3日目指名もあるし、85/100は行くだろう。万が一Weisenbergと契約できるなら+10でも良い。個人的にはPentecostのところが、Trea Turner (SS, SD-Rd. 1)ならさらに+5してたかもだが、ここにとっては捕手もニーズだし、悪くはないか。


[AL-Central]

Chicago White Sox - 全体#3まで落ちたとは言え、Carlos Rodon (LHP. Rd. 1)はCarlos Rodonだ。春先はチームの不調に引きずられるように、ややスタッフも落ちていたが、夏前には最速98 mphと完全に取り戻しているし、成績も非の打ち所がない。ここ数年の全体#1ピックにも勝るかもしれない選手をこの位置で手に入れたのだから文句の付けようが無い。さらにドラ2では、ドラ1の呼び声の高かったSpencer Adams (RHP, Rd. 2)を指名し、既にスロットで契約できているのは大きい。ドラフトのHSアーム全体でも、最も上限の高い1人だろう。一方、Rodonの要求に備えたか、以降のピックは若干抑え目。Jace Fry (LHP. Rd. 3)はソリッドだが、上限は平凡。カレッジでRodonとコンビを組んでいたBrett Austin (C/OF, Rd. 4)をピックしたのは面白い。一方、Rodonとの交渉が上手くいった場合を想定したのか、スリップした大物の1人、Bryce Montes de Oca (RHP, Rd. 14)や、そこまでではないが、Connor Walsh (OF, Rd. 12)などを指名している。RodonとAdamsだけで、75~80/100は付けられる。若干のマイナスポイントは、野手はあまり有力な選手を加えられなかったことか。Rodonといくらでまとめるか次第だが、後ろの目ぼしいのもいくつか獲れる可能性があるし、75~80/100というところか。Montes de Ocaと契約するなら80~85/100くらいにもなるだろう。

Cleveland Indians - 大きな話題になっていないかもしれないが、かなり良いドラフトをしたと思う。Bradley Zimmer (OF, Rd. 1)は予想よりも若干スリップした位置で捕まえられたし、昨年ドラ1のClint FrazierがRFになるなら、良いコンビになりそう。さらにそこに優れた選球眼とコンタクトが売りのMike Papi (OF/1B, Rd. 1s)が絡むなら面白い。Bobby Bradley (1B, Rd. 3)も自分がBOSに欲しかったパワーヒッターだ。投手でも、Justus Sheffield (LHP, Rd. 1)、Grant Hockin (RHP, Rd. 2)とHS-Pを左右で一枚ずつ確保。2BにJason Kipnisが、3BにCarlos Santanaがいて、SSはTop ProspectのFrancisco Lindorが控える現在の布陣にフィットする形でバランス良く、未来の新戦力を補強できた。ドラ11以降は抑え目だが、ドラ10までは割とギリギリまで強気で攻めた良い指名になっており、個人的には80~85/100でも良いと思う。

Detroit Tigers - ドラ1では大方の予想を裏切って、カレッジリリーフではなく、Derek Hill (OF, Rd. 1)を指名。ただ、その下のセレクションはやはりここらしいなと。Spencer Turnbull (RHP, Rd. 2)は、先発の可能性も持つが、リリーフなら昇格は早いだろうし、Adam Ravenelle (RHP, Rd. 4)もリリーフだ。Grayson Greiner (C, Rd. 3)、Shane Zeile (C, Rd. 5)、Ross Kivett (2B/OF, Rd. 6)、Joey Pankake (3B/OF, Rd. 7)など、レギュラーにはならないだろうが、早めに何らかの貢献を期待できる選手が多い。ドラ11以降はParker French (RHP, Rd. 19)は経験のある選手だが、特に大物はいない。HillはCFディフェンスの非常に良い選手で、その分フロアーは少し高めだが、それでも40/100というのが妥当なところかと。

Kansas City Royals - 個人的にあまり好みではない選手が多いが、それなりにバランス良くは指名している。Brandon Finnegan (LHP, Rd. 1)はリリーフの可能性がやや高めだが、ケガが無ければTop 10ピックの可能性もあった。Foster Griffin (LHP, Rd. 1)、Scott Blewett (RHP, Rd. 2)は共に、上限の高めな選手。Chase Vallot (C, Rd. 1s)は捕手に留まるかはわからないが、ここの指名選手の中では数少ないパワーの可能性。Eric Skoglund (LHP, Rd. 3)も順位相応で、HS-Pの2人とのバランスを取ったグッドピックだと思う。Brandon Downes (OF, Rd. 7)も評価を落としたが、この位置ならスティールになり得る。やや平凡めの50~55/100というところか。

Minnesota Twins - Nick Gordon (SS, Rd. 1)は、自分ならAlex Jackson (C/OF, SEA-Rd. 1)などが欲しくなるが、ここはずっと追っていたそうだし、いつの時代も守備に優れて、打てるSSは貴重。その下は、一転してカレッジリリーフを集中してセレクト。Nick Burdi (RHP, Rd. 2)、Michael Cederoth (RHP, Rd. 3)はドラフト全体でも最速クラスのカレッジアームで、リリーフなら昇格も早いし、クローザーになれる。Sam Clay (LHP, Rd. 4)、Jake Reed (RHP, Rd. 5)、John Curtiss (RHP, Rd. 6)も同じくカレッジリリーフ。どういうストラテジーなんでしょうね?Cederoth、Reedあたりは先発で試すかもしれないが。Tanner English (OF, Rd. 11)も優れたディフェンスを誇るCFでそれなりの価値はある。リリーフだと、いくら良い投手でもやはり点数は辛くなる。40~45/100あたりだろう。


[AL-West]

Houston Astros - 3年連続となる全体#1では、Brady Aiken (LHP, Rd. 1)を指名。HS-Pながら、優れた球威に加えて、セカンドピッチやコマンドの完成度も高い。スロットの大きさもあって、それでもボーナスが浮くのが羨ましい。以降は、Derek Fisher (OF, Rd. 1s)、A. J. Reed (1B/LHP, Rd. 2)、J. D. David (3B/1B/RHP, Rd. 3)とカレッジのパワーヒッターを連続で指名。組織の充実もあって、近い将来にPOに照準を合わせるためと見られる。ややコーナーポジションで重なっている印象もあるが、パワーヒッターは貴重だし、CFのGeorge Springer、SSのCarlos Correaなどと合わせて、優れたラインナップを組めそう。Daniel Mengden (RHP, Rd. 4)、Derick Velazquez (RHP, Rd. 7)もそれぞれの順位ではまずまず印象の良いピック。HS-PのJacob Nix (RHP, Rd. 5)、JC-PのBrock Dykxhorn (RHP, Rd. 6)と合わせてバランスが良い。下位ではMac Marshall (LHP, Rd. 21)が最大。Aikenだけで$1.5M程度浮いたから、ボーナス的には問題無く支払えそうだが、あとは本人のカレッジへの思いの強さ次第。Fisherのリスクの高さなど、いくつか気になるところはあるが、全体#1の価値は大きいし、最低でも80/100くらいは行く。Marshallを捕まえれば90/100でもおかしくない。

Los Angeles Angels - 久しぶりにドラ1があり、疲弊しきったマイナーに有望株を蓄えるために、まずは投手重視で来た。Sean Newcomb (LHP, Rd. 1)はTop 5の噂もあったくらいで、この位置で得るには申し分のない選手。変化球が磨かれればエースになりうる。Joe Gatto (RHP, Rd. 2)、Chris Ellis (RHP, Rd. 3)、Jeremy Rhodes (RHP, Rd. 4)もしっかりとした投手。ただ個人的にはもう一歩好みではないが。Jake Jewell (RHP, Rd. 5)はここの好むパワーアームのリリーフ。Jared Ruxter (RHP, Rd. 12)、Austin Robichaux (RHP, Rd. 18)も下位指名としては悪くない。Newcombの価値が大半だろうが、平均より少し上の55~60/100というカンジ。

Oakland Athletics - 昨年は最も攻撃的なドラフトを展開したチームの一つだが、今季もドラ10まで、BA Top 500の選手を指名し続けるなど、悪くないドラフトを展開した。Matt Chapman (3B/RHP, Rd. 1)は最後に評価を上げたとは言え、やや意外なピック。Daniel Gossett (RHP, Rd. 2)、Brett Graves (RHP, Rd. 3)など、ドラ5まではカレッジアーム。特にGravesは順位以上の価値がありそう。また、ドラ6では、BA Top 100のSSであるTrace Loehr (SS, Rd. 6)をピック。これは昨年同様かなり攻撃的だが、ドラ10までで大きくオーバースロットになりそうなのは彼くらいだし、問題なく契約できるのはないか。ドラ11以降では、Denz'l Chapman (OF/2B, Rd. 32)が良さそう。ピック順位も低めだし、仕方ないかもしれないが、少し上限は低く感じるので、70~75/100という印象。

Seattle Mariners - Alex Jackson (C/OF, Rd. 1)は投手のビッグスリーの次のNo.4のProspectという地位を固めていた。元々彼を欲しがっていたそうだし、申し分の無いピックだった。さらにドラ2ではGareth Morgan (OF, Rd. 2s)で更なるパワーの可能性を得た。昨季もD. J. Peterson、Austin Wilsonなどパワーヒッターを重視したが、今季もそれをさらに伸ばしに来ている。Wilson、Jackson、Morganの3人がOFを務めるなら、相当のパワーナンバーが期待できるだろう。ただ若干気になるのは、Morganでかなりのオーバースロットになっていること。ややその下の指名が控えめなのも、彼とScott BorasクライアントであるJacksonのボーナス要求が高いことに起因しているのかも。Jacksonはともかく、ややリスクの高めなMorganの方は、高過ぎる印象が強い。Jacksonは素晴らしいが、少し辛めに55/100くらいかなと。

Texas Rangers - 毎年のことながら、ブレずに若さと上限を重視した指名をする。Luis Ortiz (RHP, Rd. 1)はHS-Pの中でもトップクラスの選手で、体格的にも比較的成熟しており、投手の育成の上手いここなら、かなりの確率でしっかりした投手になりそう。Ti'quan Forbes (SS/3B, Rd. 2)ももちろんリスクは高いが、比較的スカウト受けの良い選手だ。こちらは順位的にはかなりのスティールだろう。もう少しディフェンスよりなJosh Morgan (SS, Rd. 3)も獲っており、SSの良い組織にさらに磨きを掛けている。その下は大物はあまりいないが、Jose Trevino (3B/C, Rd. 6)はパワーがあり、特に捕手になるなら面白い。ここはハイリスクハイリターンなドラフトが多いが、希少なポジションの選手も多く指名できているし、65^70/100は付けたい。


[NL-East]

Atlanta Braves - 近年カレッジ選手を獲ることが多かったが、今季は上位2ピックでHSの選手をピック。特にHSでも最高クラスのパワーヒッターのBraxton Davidson (OF/1B, Rd. 1)で押さえ、その下は投手中心に、という戦略は割と好み。ドラ2ではハイシーリングなGarrett Fulenchek (RHP, Rd. 2)、その下はカレッジアームを何枚か。Max Povse (RHP, Rd. 3)も悪くないが、Chad Sobotka (RHP, Rd. 4)、Chris Diaz (LHP, Rd. 5)はそれぞれの位置ではグッドピックだと思う。Luke Dykstra (2B/SS, Rd. 6)はこの位置ではスティールだろう。オーバースロットできる分はここに行きそうだが、バランスは良いし、特にドラ1をFA契約で失ったチームの割にはかなり良いと思う。75/100くらい。

Miami Marlins - 史上No.1のHSファイヤーボーラーと言われるTyler Kolek (RHP, Rd. 1)は確かに凄い。セカンドピッチ以降が整えば、Justin Verlander (DET)にもなれる。Carlos Rodon (LHP, CWS-Rd. 1)とどちらが良かったかは、あとから分かってくることであって、現時点でこの選択は文句を言うべきことではないだろう。一方、ロッタリーピックの1つを変なトレードで失ったが、それでも昨季契約できなかったピックを含めて、上位に多くのピックがありながら、以降は例年通りの抑えた指名。Blake Anderson (C, Rd. 1s)、Justin Twine (SS, Rd. 2)はいずれも打力に疑問があり、オーバードラフト感が強い。Brian Anderson (2B/3B/OF, Rd. 3)はそこそこだが、ドラ4のBrian Schales (SS, Rd. 4)に至ってはBA Top 500圏外。Casey Soltis (OF, Rd. 5)は上限があるし、Stone Garrett (OF, Rd. 8)なども位置の割にはアップサイドがある。Ben Wetzler (LHP, Rd. 9)、Dillon Peters (LHP, Rd. 10)なども即戦力になり得る。特にWetzlerはスロットプールギリギリまで攻めるチームならグッドピックと言えるだろう。ただここに関しては、かなり上位で浮かせられそうにも関わらず、下位の大物の指名もなし。渋ちんのオーナーの意向なのか、今季もまたスロットを使い切れなそう。Kolekだけである程度の点にはなるが、それでも45/100というところだろう。

New York Mets - トップピックでは、カレッジNo.1ヒッターとの呼び声も高いMichael Conforto (OF, Rd. 1)を指名。コンタクトを含め、穴の少ない打者で、戦力化も早いと思うが、一方で例年の同クラスの打者と比べるとややレベルが低く、特にLF専門ということで、若干上限が低く思える。ここ3年ほどHSの野手を続けてドラ1で指名してきたし、相性は良いかもしれないが。ドラ2を失っており、ドラ3では今季のNo.1ディフェンシブSSのMilton Ramos (SS, Rd. 3)。グローブだけでMLBまで来るかもしれないが、打撃面から言って、控えが良いところか。下位ではKeaton McKinney (RHP/1B, Rd. 28)を指名しており、ひょっとすると、という気もする。McKinneyと契約できなければ、35~40/100というというくらいだが、もし捕まえられるなら45~50/100くらいにはなりそう。

Philadelphia Phillies - 完全に再建モードで、ドラフト順位も随分上がり、投手を蓄えに来た。Aaron Nola (RHP, Rd. 1)は非の打ち所の無いピックで、上げようと思えば今季中にでもMLBデビューできるとも。Aaron Brown (CF/LHP, Rd. 3)はまずは野手でプレーさせるようだが、投手オプションはもちろんあるし、Matt Imhof (LHP, Rd. 2)、Chris Oliver (RHP, Rd. 4)とベストアベイラブルでカレッジ即戦力を手に入れた。Brandon Leibrandt (LHP, Rd. 6)やNathan Thornhill (RHP, Rd. 13)もカレッジでの実績は豊富で、リリーフなどではもしかすると戦力になるかも。投手の即戦力に偏っているのは気になるが、ここの状況を考えれば、何より投手は必要だし、Nolaを筆頭に上位で即戦力を指名できた。ギリギリだが70/100を付けたい。

Washington Nationals - 噂に出ていた通り、やはりスリップしてきたErick Fedde (RHP, Rd. 1)をピック。TJを受ける直前にはTop 10の噂も出ていた選手で、大きなスティールには間違いない。ただ、上限よりもフロアーの高さと即戦力性が魅力だっただけに、Scott Borasと仲の良いWASが手を出さなければ、もう少しスリップした可能性もある。Andrew Suarez (LHP, Rd. 2)は順位の割にはもう一歩にも思えるが、カレッジ選手としては未完成で、その分上限は高め。Jakson Reetz (C, Rd. 3)はHS-CではNo.1のディフェンダー。これは大きい指名だろう。この2人を合わせて考えれば、ドラ2、3で相応の価値は手にしたと言えるかも。Robert Dickey (RHP, Rd. 4)は腕のトラブルで球速を落としているが、最速は97 mphまで投げられるパワーアームだそう。Austin Byler (3B/1B, Rd. 9)はこの位置としてはスティールのパワーバット。Feddeの要求に対応するためか、ドラ2以降は若干抑え目の指名には見えるが、もしFeddeが思ったより安くなった場合には、Evan Skoug (C, Rd. 34)を狙うかも。ケガから復帰後のFedde次第な面も強いが、現時点では55~60/100というくらいかと思う。


[NL-Central]

Chicago Cubs - 入団後、素晴らしく打ってはいるが、Kyle Schwarber (C/OF, Rd. 1)を全体#4で指名したのは評価が分かれるだろう。昨年も投手が必要と言われる中で、Kris Bryantを選んで、ここまで素晴らしい判断だったとは思えているが。ただ昨年と状況が異なるのは、Jon Gray (COL)が残っていた昨年と異なり、今ドラフトの投手ビッグスリーが消えており、投手から選ぶなら、上限ではやや劣るAaron Nola (RHP, PHI-Rd. 1)を選ぶしかなかったことだ。自分はそれでもNolaかな、と予想はしていたが。また同じOFの可能性を持つ捕手として、Alex Jackson (C/OF, SEA-Rd. 1)も残っており、上限ならJacksonかな、と思うが、Schwarberのフロアーと即戦力性、それにボーナスを削れたことも含めて考えれば、悪くはない判断だったのかも。さらにドラ2では、シニアーNo.1の選手だった、Jake Stinnett (RHP, Rd. 2)を指名し、さらにボーナスを浮かせている。Mark Zagunis (C, Rd. 3)までは、即戦力のカレッジ選手をそこそこの額で抑えたのに対し、ドラ4以降は、Carson Sands (LHP, Rd. 4)、Justin Steele (LHP, Rd. 5)、Dylan Ceese (RHP, Rd. 6)と、$1Mを超える額になりそうなHSアームを立て続けにゲット。スリップしたJames Norwood (RHP, Rd. 7)、Tommy Thorpe (LHP, Rd. 8)、Jordan Brink (RHP, Rd. 11)のようなカレッジアームも加えており、昨年に続き、プレミアムヒッターを獲得しつつ、エース級ではないながらも、投手層を分厚くしている。この2年間、どこかでエースタイプが欲しかった感はあるが、投手は何かとリスクが高いし、リスク分散で少し落ちる投手を多く獲得するのも戦略としては理解できる。Ceaseのように、ケガが癒えれば上限は高い選手も獲れているし、最終的にはかなり満足度の高いドラフトに見える。90~95/100あたりか。

Cincinnati Reds - Nick Howard (RHP/IF, Rd. 1)は、カレッジリリーフということで、通常ならドラ1での指名は若干印象が悪いが、彼に関しては現在カレッジNo.1のリリーフで、評価は上がる一方だし、先発も十二分に務まる選手ということで、しっかりしたピックだと思う。一方、Alex Blandino (SS/3B/2B, Rd. 1)は、元々BOSが#26で興味という噂もあったけど、他のチームの指名の瞬間喜ぶBOSファンがほとんどだったくらいで、若干オーバードラフト感は漂う。本当にSSでプレーできるなら、十分な価値はあるだろうが。Taylor Sparks (3B, Rd. 2)、Wyatt Strahan (RHP, Rd. 3)も個人的には、もう一歩好みのピックではない。Howardがエース級になれば話は別だが、さすがに先発でリリーフと同等のスタッフを見せることはないと思うし、40~45/100というカンジか。

Milwaukee Brewers - 昨年もドラ1が無いながら、良いドラフトをしていると思ったが、今季もかなりアグレッシブなドラフトを見せた。全体#12でKodi Medeiros (LHP, Rd. 1)はかなりオーバードラフトに見えたが、そこで浮かしたボーナスで、スリップしてきた、Jacob Gatewood (SS/3B, Rd. 1s)、Monte Harrison (OF, Rd. 2)と、Top 25も予想されていた選手をゲット。どちらもかなりの荒削りで、ハイリスクには違いないが、3つのピックで、相当の上限を手に入れた。Dustin DeMuth (3B, Rd. 5)もシニアーサインとしては良い指名。ハイリスクだけに評価の幅も大きいが、65~75/100くらいだろうか。

Pittsburgh Pirates - 昨年はSFの上位セレクションが最も意外だったが、今季はPITがそう。Cole Tucker (SS, Rd. 1)、Connor Joe (OF/C, Rd. 2)共にかなりのオーバードラフト感が否めない。Mitch Keller (RHP, Rd. 2)は評価上がり目の選手だし、Trey Supak (RHP, Rd. 3)も悪くはないが。Taylor Gushue (C, Rd. 4)は個人的なお気に入りで、プロでもよく打っている。下位ラウンドでも目を引くようなピックはなく、昨年の攻撃的なドラフトはどうしたのかと思ってしまう。かなり辛いが、25/100くらいかも。

St. Louis Cardinals - 相変わらず、強豪なのに多くのピックを持つ羨ましいチーム。ただ今季はLuke Weaver (RHP, Rd. 1)、Jack Flaherty (RHP/IF, Rd. 1)と、直前の評価からすると、ややオーバードラフトで、ボーナスももう少し削りたかった印象があるが、素質的にはそれくらいの力はあるとは思う。Andrew Morales (RHP, Rd. 2s)はシニアーサインでグッドピックだと思うし、Austin Gomber (LHP, Rd. 4)も順位的には良いピックだろう。Justin Bellinger (1B, Rd. 11)は、BOSのローカルボーイで、個人的にはBOSが指名して欲しかった選手。評価は落ちているが、素質は高いし、是非Duke大に進学して、3年後にBOS入りして欲しいが。全体的にソリッドではあるが、上位指名はほぼ投手で、若干バランス的には難。ここの組織の厚さから言えば、いくらいても良い投手、というのもわからなくはないのだが。50~55/100という印象。


[NL-West]

Arizona Diamondbacks - 全体#16で、Top 10の可能性もあったTouki Toussaint (RHP, Rd. 1)を指名。昨年のBraden Shipley同様に、ベストアベイラブルを貫いた。Cody Reed (LHP, Rd. 2)、Marcus Wilson (OF. Rd. 2s)、Isan Diaz (SS/2B, Rd. 2s)、Matt Railey (OF, Rd. 3)とHS選手ばかりだが、Diazを除けば最も良い選手を続けてピックしているし、ポジションや左右のバランスも申し分ない。Toussaintもオーバースロットが見込まれるが、それでもドラ8までBA Top 500の選手を指名しているし、かなり攻めている。ドラ11以下でも、Jared Miller (LHP, Rd. 11)やKevin Cron (1B, Rd. 14)、Trevor Mitsui (1B, Rd. 30)など、割と好ましい指名に見える。Jacob Bukauskas (RHP, Rd. 20)は確実にムリだが、80~85/100くらいの高評価になりそう。

Colorado Rockies - 昨季は個人的にNo.1のドラフトをしたと思っているチームだが、今季はそれに比べるとやや抑え目か。ドラ1は肘の不安でスリップするかも、とも言われたKyle Freeland (LHP, Rd. 1)を結局は指名。ローカルボーイだし、多少ボーナスが浮いたことを考えれば、悪くはない指名だとは思うが、少しミソが付いたし、即戦力性も売りなので、TJの可能性が高めと考えると少し微妙感も。Forrest Wall (2B, Rd. 1s)は優れたヒッターだが、肩を痛めており、2Bというのは少し価値を引き下げる。パワーヒッターではないし。ただここはSSはTroy Tulowitzkiの後もTrevor Storyなど候補がいるので、2Bは2Bで使いようはあるが。Ryan Castellani (RHP, Rd. 2)も可能性は多く持つが、若干オーバードラフトには見える。Grahamm Wiest (RHP, Rd. 14)はソリッドなカレッジ投手で悪くないが、ドラ11以下も特に大物はなし。40/100ぐらいで及第点に届かないかも。

Los Angeles Dodgers - Top 20は堅いと思われたGrant Holmes (RHP, Rd. 1)は全体#22では大きなスティール。エースの上限とプレゼントスタッフを持つ本格派で、例年ならTop 10で指名されてもおかしくない。ただかなりのオーバースロットが予想されるし、下位は抑えた指名となっている。Alex Verdugo (OF/LHP, Rd. 2)は意外にもOFとしての指名。トップクラスのピュアヒッターだそうだし、投手への転向の方が容易だろうから、それもありかもしれないけど、LHPとしての評価が高かった。Jeff Brigham (RHP, Rd. 4)、A. J. Vanegas (RHP, Rd. 11)はパワーアームで、リリーフの即戦力として期待できる。下位ではVanegasを除けば、Jimmy Allen (2B, Rd. 24)が最大だが、大物というほどではない。上位2枚を除けば今ひとつではあるが、全体20位以下の指名順位で、Holmesのようなプレミアムアームは通常手に入らないし、それだけで60/100くらいにはなりそう。

San Diego Padres - Trea Turner (SS, Rd. 1)は、カレッジのSSとしてはレアな、オフェンス面での上限も高い選手。その意味で、非常にハイシーリングかつハイフロアーで全体#13でも十分な価値がある。Michael Gettys (OF/RHP, Rd. 2)もハイリスクだが、春先はTop 10の候補と言われていた。ツールはドラフト全体でも最高クラスで上手く磨けるなら素晴らしいスティールになる。Zech Lemond (RHP, Rd. 3)も先発の可能性は持つし、最低限リリーフにはなるだろう。野手2人の後だし、悪くないピックに見える。例年のごとく、契約はムリだろうが、一応Cobi Johnson (RHP, Rd. 35)のような大物も指名はしているし、Logan Jernigan (RHP, Rd. 15)も磨くことができれば可能性は持っているパワーアーム。75~80/100かな。

San Francisco Giants - Tyler Beede (RHP, Rd. 1)の名前が呼ばれた時は、非常に悲しかった。ドラフト直前の試合で好投したことで、予想よりも少し早く呼ばれた印象もあるが、その後はまた不安定な投球を見せている。それでもMassachusetts州が生んだトップタレントだし、投手育成の上手いここにピックされたのは良かったと思う。本来の素質のフロントライン級へと成長して、FAでBOSに来てもらいたい。以降はやや地味目なピックが続くが、Aramis Garicia (C, Rd. 2)はメイクアップにも優れるバランスの良い捕手。Dylan Davis (OF/RHP, Rd. 3)はパワーがあるが、やや粗い。Austin Slater (OF, Rd. 8)などは順位の割には良いと思うが。Beedeのプロでのパフォーマンス次第だが、45~55/100くらいか。

0 件のコメント: