2009年2月5日木曜日

08'-09' Offseason Boston Red Sox -Part4-

もう動ける部分はほとんどないですし、多分このPart4で打ち止めかなと思いますが、前の記事がだいぶ流れていってしまったので、新しく作りました。Part3はこちら
*赤字は確定した契約およびロスターの動きです。


◯ C Jason Varitek -Re-sign-
08シーズン成績:131G/423AB/AVG.220/OBP.313/SLG.359/13HR/43RBI/0SB

BOSのラインナップで唯一確定していなかった正捕手のポジションは大方の予想通りキャプテンTekとの再契約となりました。1年$5M+1年のオプションで、2010年のオプションはクラブ側が行使なら$5Mで、BOSがこれを破棄しても$3Mのプレーヤーオプションが発生します。2010年には80Gから10G毎に$0.4Mで最大$2Mのインセンティブが付く模様。

Tekは昨年の成績から上積みできないのであれば、打撃に関してはリーグでも最低レベルですが、投手陣への影響を含めた守備面を含めれば、少なくともBardやKottarasよりは上だとは思います。金額に関しては今の市場状態から判断すれば割高で、2年目のオプションは余計だという意見も多いですが、多少の功労手当を含めて許容範囲ではあると思います。2年目もBack-upとしては高いですが、取りあえず今季のように足元を見られて交渉が進まないという状況を防げるという意味ではなくはないとも思います。経験の浅めな選手をレギュラーに据えるなら、ある程度出番をシェアするのには悪くないレベルの力はまだあると思いますし。衰えの面が大きいとは思いますが、取りあえずは昨季より少しは戻せると期待はしたいです。

これで素直に考えれば、あとは控えをBardとKottarasで争うことになります。Bardの方が打撃での実績はありますが、Kottarasも元はまずまずのProspectだった選手で、パワーと選球眼はなかなかのものを持っていますし、左打ちというのもメリットです。個人的にはBardも嫌いな選手ではないですが、今後数年、ある程度併用体制を敷いていけるという面ではKottarasに期待をしたいです。守備ではBardは肩が弱いが捕球はまずまずで、Kottarasの方は肩はそこそこ強いですが、送球面や捕球にはやや難ありという評価。もうひとつ鍵になるのはWakeを受けれるかどうかということで、Bardは以前かなりポロポロやっていました。ただKottarasもZinkなどのナックルを受けては来てはいるものの、Wakeのナックルは別物という意見もあります。結局はスプリングトレーニングで、攻守共にどちらがアピールできるかでしょうね。

一応これで、シーズンに臨める体制はできたものの、来季、もしくは2010年のシーズン終了後には確実に後釜が必要になる訳で、引き続きJarrod SaltalamacchiaやMiguel Monteroをトレードで狙っていくと言われています。傘下の捕手で最大のProspectはHi-AのLuis Expositoでまだ若く、攻守共に可能性を持った選手ですが、彼は2011年の開幕には確実に間に合わないと言われています。次に来るのはAAのMark Wagnerで打撃はやや弱めですが、守備の評価は高く、2011年にギリギリで間に合う可能性もなくはないですが、AAAのDusty Brownと同じく打撃が弱く、現実的には控え捕手タイプです。

これらを考えると今回のTekとの再契約は傘下の捕手が育つまでのつなぎにはやや足りない訳で、2009年から2010年にレギュラーになれる捕手とTekを併用しながら育てたいと言うのが本音でしょう。一応これで少しは強く出られるだろうし、Expositoの可能性を見極めながら、しっかりとした中長期候補を絞っていきたいところですね。


◯ Minor League Contracts

Part2にてMinor LeagueのFA(MiLFA)について少し書きましたが、逆にMiLFAとして契約した選手をざっと取り上げておきます。BOSはあまり昇格を急がせない印象を受けてまして、AAの選手のうち何人かはAAAでスタートしてもいいと思うんですが、多くの選手は昨季終了時のチームでスタートするようで、AAAにはMLBのデプスも兼ねて何人かの選手をMiLFAで獲得したようです。

Pitchers: RHP Marcus McBeth, RHP Jarod Plummer, LHP Billy Traber, RHP Enrique Gonzalez, RHP Fernando Cabrera, RHP Steve Green
Fielders: C Carlos Maldonado, 1B Sandy Madera, IF Nick Green, IF Angel Chavez, SS Gil Velazquez, SS Ivan Ochoa, OF/1B Paul McAnulty, OF Chip Ambres, OF/1B Brad Wilkerson

McBeth、Madera、Velazquezは再契約となります。Maldonado、Green、Chavez、Ochoa、McAnulty、Ambresらは言葉は悪いですがAAAの人数合わせに近いと思います。
ちょっと気になるのはTraber、Cabrera、Willkersonあたりか。Traberは球威はないですが左殺し。昨季はNYYでちょっと注目されてましたね。Lopezと少し争ってくれれば。
Cabreraは有名な速球派で奪三振率が高いですが、ここ数年は結構打ちこまれていますね。それでもまだそれなりに若く、リリーフとして高いポテンシャルを持っています。AAAで結果が良ければいざという時の備えになるでしょう。
WilkersonはどうやらKotsayが腰の手術で出遅れるのが決まったための獲得かと思います。ST(スプリングトレーニング)でBailey、Carterらと争って、Lowellの控えを務めることになりそうです。

☆ 2/9追記
RHP Steve Greenとの契約が決まりましたので追記しました。シンカー&スライダー系の投手のようでAAAでブルペンを争うことになりそうです。またRookieクラスのOF Andrew FressaとC Hayato Doueがリリース。


◯ 40-man Roster Move

Varitekとの再契約が正式に発表となり、ロスターへの加入と共に40人ロスターを外れたのは結局 1B/OF Jeff Bailey。DFAの際にMiLFAとなることを選択した上で、BOSと再契約しました。通常、DFAによって40人ロスターから外れてMinor送り(Outright)される場合はWaiverを通す必要がありますが、これを拒否できる権利を持つ(確か、MLB機構に5年以上在籍しているか、1度DFAをすでに受けている)選手の場合はFAとなることができます。

今回はBaileyとMiLFAとして再契約することを前提としてDFAし、40人ロスターから外したんでしょう。通常であればこれは選手側にとってデメリットになりますが、シーズンが始まればSmoltzやKotsayが60日DLに入るので40人ロスターに空きがでますし、Josh BardとKottarasやLittletonとMiguel GonzalezのようにST次第でどちらかはDFAとなるはずなので、Baileyにとってはオフシーズンの間だけ40人ロスターから外されている状態であり、デメリットはなかったためこういう形になったんでしょうね。現在の40人ロスターは以下のように。

40-man Roster
Pitchers: Josh Beckett, Jon Lester, Daisuke Matsuzaka, Tim Wakefield, Brad Penny, John Smoltz, Clay Buchholz, Michael Bowden, Devern Hansack, Junichi Tazawa, Felix Doubront, Jonathan Papelbon, Justin Masterson, Hideki Okajima, Takashi Saito, Manny Delcarmen, Ramon Ramirez, Javier Lopez, Wes Littleton, Miguel Gonzalez, Hunter Jones
Catchers: Jason Varitek, Josh Bard, George Kottaras, Dusty Brown, Mark Wagner
Infielders: David Ortiz, Kevin Youkilis, Mike Lowell, Dustin Pedroia, Jed Lowrie, Julio Lugo, Argenis Diaz
Outfielders: Jason Bay, J. D. Drew, Jacoby Ellsbury, Rocco Baldelli, Mark Kotsay, Chris Carter, Jonathan Van Every


◯ ST Non-Roster Invitees

40人ロスター外にいる選手で、スプリングトレーニング(ST)へ招待された選手のリストが挙がってきました。基本的にはMiLFAで契約した選手とAAクラス以上で今季MLBへの昇格が期待されるProspectで構成されています。

Pitchers: LHP Kris Johnson, RHP Charlie Zink, RHP Adam Mills, RHP Daniel Bard, LHP Dustin Richardson, RHP Fernando Cabrera, LHP Billy Traber, RHP Enrique Gonzalez, RHP Marcus McBeth
Fielders: C Carlos Maldonado, 1B Lars Anderson, 1B/OF Jeff Bailey, 3B Angel Chavez, 2B Nick Green, SS Gil Velazquez, SS Ivan Ochoa, OF Josh Reddick, OF Zach Daeges, OF/1B Paul McAnulty, OF Chip Ambres, OF/1B Brad Wilkerson


◯ Extension

先日エクステンションを行ったPedroia, Youkilisに加えて、左腕のエース Jon Lesterと5年$30Mの長期契約を行いました(内訳は09年$1M、10年$3.75M、11年$5.75M、12年$7.63M、13年$11.63Mとのこと)。2014年も$13Mのオプションがついています。Pedroiaらと同じく生え抜きで、こういう選手がたくさん出て来てくれているのはとてもうれしいことです。今オフのエクステンションに関してはBayやPapelbonの方が優先かと言われていて、Lesterに関しては来オフまでもう1年見るかとも思っていましたが、内容的にもよかったです。

本来なら、今季終了後に調停権を取得、2012年シーズン終了後のオフにFAとなるはずでした。各年度の割り振りは今のところよくわかっていませんが、今の成績を維持するのなら格安に近いかと思います。少し成績を落として、ERAが3点台後半、12~15勝と考えても、2、3番手で健康で1年間投げれるのなら十分と思える額かと。30歳までの期間ですし、ガンからの復帰以降は健康も安定している投手で、このラインを越えてくる可能性は高そうです。


◯ 40-man Roster Move

今オフにTEXから(RHRP Beau VaughanとのWaiverトレード)で得ていたRHRP Wes LittletonをWaiverにかけたところMILにClaimされてしまいました。オプション切れの選手でしたが、STで散々に打ち込まれており、また斎藤やMastersonが現時点でリリーフ枠に食い込みそうであることから、25人枠に残れる見込みがなかったためDFAされていました。

もちろんAAAにおいておけるならデプスにはなったけど、元々Mastersonが先発に回ったりするならリリーフの穴埋めとして期待、というくらいだったので、奪われたこと自体はそれほど大きくは響かないです。ただ代償としてまずまず期待度のあったVaughanを支払っていたのは少しもったいなかったというカンジ。


◯ C Josh Bard -Released-

今オフに獲得していたCのBardをリリース。非保証の契約だったため1/6の額($0.27M前後)を支払うことになります。STでは良く打っており、懸案だったナックルボールの捕球も無難にこなしていたため少し不可解な動きです。同じく控えCを争っていたKottarasも同様にSTで良く打っており、BOS的にはもともとKottarasの方を使いたかったのか?とも考えられますが、未だにARIのMonteroの噂もあったりするので、そちらの下地という可能性もなくはないでしょう。いずれにしても左打席で全く打てない正捕手Varitekと組ませることを考えて左のKottaras(もしくはMontero)をとったというのが大きな理由かと思います。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

バリテック、ようやく決まりましたね。
果たして誰が40人から外れるでしょうか。

キャッチャーはバリテックが残ったのなら
彼の元で育てて
みたいという個人的妄想があったのですが
どうやら開幕までは無理そうですかねえ。
まあ常に取引にオープンな状態ではある
と思いますけども。
バードもいいですがコッタラス
もどの程度やれるか見たいですよね。

ララ さんのコメント...

ボストンフィーバーさん

こんにちは〜!まぁ、BOSがキャッチャー欲しいのがわかってて、足元見られてましたから、こういう選択になりそうなカンジはしていましたね(^_^;)

40人ロスターは難しいですが、ジンクやポーリーがDFAされたことを考えればハンサックか、それともどちらにせよリトルトンとミゲル・ゴンザレスの両方は残せないんで、見切りをつけてしまうか...
コッタラスは一応STで様子見したいと思うんですけどね。ただ一応ダスティ・ブラウンもいるので可能性はあるかもしれませんね。
バン・エブリーはコッツェーがケガってことで若干可能性は下がったかなと思います。

キャッチャーは妥当な要求なら今から開幕まででも可能性はあると思いますけどね(^_^;)
ウェイク問題は残りますが、バードはその可能性を考えて非保障にした訳だし、コッタラスもサルティやモンテロあたりが来るんなら、デプスとして抱えておく必要性はさほどでもなくなりますし...

個人的にはコッタラスは結構やるんじゃないかと思ってるんですけどねぇ。ちょっと穴は多いですが打撃だけならモンテロとならそう変わらない成績を残してもおかしくはないかなぁと。

匿名 さんのコメント...

こんにちわ~!

なるほど~。ベイリーと聞いたときは
嘘でしょ~?と思ったんですが
そういう規則があったんですね。
勉強不足でした。
ベイリーはやはり再契約を前提としたものだったんですね。
しかし・・・FAであるならベイリーなら
他のチームで25人枠に入れる可能性
があるチームを選ぶことも出来ると思うのですが・・・。
それだけチームにとって協力的な存在
ということでしょうかねえ。

ララ さんのコメント...

ボストンフィーバーさん

こんにちは〜(^ー^)
スイマセン、ちょっと拙い文章で。あとで時間のあるときにもうちょい文章を整理するつもりだったんですけど(^_^;)

そうですね、ベイリーというのは驚きでしたけど、ただこう動かせるなら取りあえずST終了までは、誰も奪われる可能性がないんで納得ですね。コッタラス他はSTでじっくりアピールしてもらいたいもんです。

ベイリーなら最低プラトーンで十分使えるし、色々守れますからFAになれば当然欲しがるところはあるでしょうけど、今回に関してはベイリーが他に行きたいと言っていたならBOSはDFAしなかったでしょうね。チーム戦略に合意してくれたからこその動きなんでしょう。

ただ実際これだけではベイリー側にはメリットがない訳ですから、多少年棒や他の金銭的な部分で色を付けて再契約したのかなとは思ってますが、それすらもないんでしたら、相当チーム想いの選手だということになりますね。リーダー的な選手らしいですし、今季も頼りにしたいと思います(^ー^)