2009年2月26日木曜日

09' Season Boston Red Sox by Position Outlook -Starter-

野手編に続いて投手編も先発編とリリーフ編に分けて考察してみます。外野手編はこちら


[Outlook]

ある程度Prospectは豊富ですが、MLBの3本柱、Beckett、Lester、松坂はこれからが全盛期を迎える選手達で、その後にもBuchholz、Bowden、Hagadoneらが控えており、Hagadoneなど先発として上位になれる素材でもブルペンにまわすかという話がでるほどです。いくらProspectがいても困らないのが投手ですが、Beckettと契約延長するなら、ある程度整理していく必要はありそうです。逆にしないならBuchholzの成長は不可欠。

Minorの状況は、AAの先発がやや薄いですが、逆にLo-A以下ではあまり気味。ここ1、2年はDSLから面白そうなProspectが多く上がって来ていますが、上のクラスでどこまで通じるかはよくわからないところ。ドラフト組ではポテンシャルの高い高卒のProspectの中にケガもあって苦しんでいる選手がちらほらと。
またカレッジのリリーバーをスターターにコンバートすることの多いチームで、リリーバーの方が契約金が低めになることから面白い戦略と言えます(浮いた資金を高卒の契約が難しい選手に投入できますし)。Hagadoneをはじめ、昨季もPrice、Weiland、Fifeと今のところ成功かと言われているピックを多くしましたが、彼らが上のクラスでスターターとしてどこまでやれるかによってこの戦略も見直す必要があるかも。
全体的に見ると左腕がやや不足していますので、今季のドラフトではできれば左腕が欲しいところ。あとは100 mphを投げれるような本格派のパワーアームが欲しいですね(ドラフトでは難しいので、できればInt. FAで)。


[ST Invited]
Josh Beckett, Jon Lester, Daisuke Matsuzaka, Tim Wakefield, Jon Smoltz, Brad Penny, Justin Masterson, Clay Buchholz, Michael Bowden, Charlie Zink, Devern Hansack, Kris Johnson, Adam Mills, Junichi Tazawa, Felix Doubront


[MLB]
Starter 1, 2, 3 (Fixed): RHSP Josh Beckett, LHSP Jon Lester, RHSP Daisuke Matsuzaka
Starter 4, 5 (in Competition): RHSP Tim Wakefield, RHSP Brad Penny, RHSP Clay Buchholz
Starter Depth: RHSP/RP John Smoltz (DL), RHSP Michael Bowden, RHSP/RP Justin Masterson, RHSP Charlie Zink, RHSP/RP Devern Hansack

3番手まではBeckett、Lester、松坂で決定。4、5番手は基本的にはWake、Penny、Buchholzで争いますが、万が一彼らで埋めきれないようであれば、Mastersonの先発起用でしのぐのが最も可能性が高そう。順当に行けばWake、Pennyで2枚ということになりますが。
Smoltzは6月復帰の予定。ミッドシーズンまでのスポットスタートはZinkかHansack(AAAで良ければBuchholzも)でやりくりして、夏場以降はBowdenの起用も開始するでしょう。

1〜3番手は少し不確定要素があって読みにくいですが、能力的には十分強めだと思います。Smoltz、Pennyと健康であればここに割って入れるクラスのスターターを抱えているのも強みです。4、5番手も健康次第ですが、Pennyがまずまず戻せて、WakeがNo.5であるならかなり強めでしょう。逆にPennyがこけて、WakeがNo.4になるなら水準レベルに届くかどうかというところ。よっぽど1〜3番手が不調やケガに見舞われない限り、強力なローテーションとなりそうですが、2010年を考えればBuchhozとBowdenがMLBで投げれるようになるかも重要なところです。

速球派のBeckettは昨シーズンはケガなどもあって苦しみましたが、今季もエースとして期待されています。90 mph中盤の速球と大きなカーブを軸にチェンジアップもしっかりしている投手。制球力もある本格派で、ある程度調子が悪くてもかわす術を覚えて来てはいますが、やはりファストボールの球威とコマンドが戻るかが気になるところ。07年の投球を取り戻してもらいたいです。

Lesterは昨季大きく成長した若手。左腕としてはかなり球威があり、最速で96 mph程度でます。これにカッターや大きなカーブを交えます。制球力も昨季序盤は少し苦しんだものの、球威が戻ってくるにつれて改善されました。試合終盤でも力のある球を投げれます。今季は左のエースで2番手として期待されています。昨季かなり酷使気味で、少し成績を落とすかもしれませんが、ケガだけは気をつけてもらいたいです。

松坂は勝利数やERAは良かったものの、四球が多く、早い回での降板が目につきました。3番手としては十分な成績を残す可能性は高いですが、やはりもう少ししっかりイニングを消費してもらいたいところです。今季はある程度後ろがしっかりしていそうですし、7回とは言いませんが6回×33登板で200IP程度はクリアーしてもらわないと困ります。あとはWBC参加がどう出るかですね。

Wakeは肩の調子が悪いという情報もあったものの、STでは元気に投げている様子で、これから故障がなければ4、5番手のうちの1席は当確でしょう。ただ以前はいいイニングイーターだったのが、今では1年を通して健康に過ごすとは考えづらくなってきました。

Pennyはリーグ差を考えても、ケガから完全に回復していれば3番手にはなれる投手。現時点で肩のケガはしっかり癒えているようで、調子を戻しきれるかがポイント。多少能力を落としていたとしても5番手としては十分だと思います。制球にやや難ありですが、球威のある速球にカーブ、スプリッターを持っています。未確認ですが、インセンティブにGF条件などが入っているという話もあり、Smoltzが帰って来た際にはブルペンに回る可能性も少しあるのかも。夏に出してしまうということもあり得るかもしれませんが、BOSのスタイルからすれば彼以外のスターター・ブルペンともによっぽど状態が良いという場合に限られそう。

BuchholzはSTでスターター枠を争いますが、よっぽど出来が良くない限り枠を勝ち取るのは難しそう。まずまず球威のある速球に素晴らしいカーブとチェンジアップ、そこそこのスライダーを持ちますが、昨季はファストボールのコマンドに苦戦しました。投球フォームを07年のときのものに戻したそうで、不調の原因がメカニクスだったのなら改善は期待できそう。2010年のシーズンを考えても今季中にしっかりと上で投げれることを示したいですが、ライバルは多いです。

Smoltzはもともとクローザーにまわったこともある選手ですが、先発志向が強いようで、POならともかく、レギュラーシーズンはスターターに入ります。未だに投げれるなら3番手以上の力は持っており、POなど重要な場面で力になることが期待されます。球種は豊富で元々はスライダーとスプリッターが軸でしたが、肩の保護を考えてカーブやチェンジアップも交えるようになっています。かつてはナックルも投げたらしいです。しっかりと復帰するなら1〜3番手に何かあっても代役を務められるし、あまり考えたくはありませんがPapelbonが離脱するようなことになっても代役になれます。

Mastersonは昨季途中からリリーフにまわっていますが、伸びれば上位のスターターになれると言われています。STでは対左も考えてチェンジアップを磨き、スターターとしてしばらく投げる予定です。Smoltzがいない開幕時にWake、Penny、Buchholzの3人で5番手まで埋まらなければスターターを務めることになるでしょう。順当にいけばセットアップ。シンカーが素晴らしい投手ですが、いずれにせよチェンジアップの改善はして欲しいところ。

あとはAAAでスタートしそうなBowdenとAAAで投げて緊急時のスポットスタートに備えるZinkとHansackがいます。Bowdenは急がせることはないですが、夏場にはある程度機会を与えて来季頭からのMLB定着を狙いたいところ。ZinkやHansackもAAAではしっかり投げており、デプスとしては十分でしょう。


[AAA]
Starter 1, 2, 3: RHSP Clay Buchholz, RHSP Michael Bowden, RHSP Charlie Zink
Starter 4, 5 (4 pitchers in 2 spots): RHSP/RP Devern Hansack, RHSP/RP Enrique Gonzalez, LHSP Kris Johnson, RHSP Adam Mills

BowdenとZinkは間違いないところで、Buchholzがよっぽど良くてPennyかWakeがよっぽど悪いという状態でないかぎり、BuchholzはAAAでスタートするでしょう。速球の球威・コマンドを磨くということになりそう。あとの2枠をHansack、Enrique Gonzalezに昨季AAのMillsとKris Johnsonが争います。取りあえずはHansackが有力で、MillsとJohnsonは1席を争い、敗れた方はAAスタート。2人とも十分な成績を残した場合はHansackをRPにまわすかもしれません。逆に2人ともがSTでAAAでやるのに満足なパフォーマンスを見せられなかった場合はHansackに加えて、Gonzalezをスターターで使うかもしれません。

BowdenはBOSの投のTop Prospect。球威がやや平凡なため、将来性はローテの3番手程度と言われることが多いですが、制球力に優れ、しっかりしたカーブとチェンジアップを持っています。彼はMLBの選手にしては珍しく、完全なオーバーハンドで投げる投手であり、このメカニクスはあまり評判がよろしくないですが、BOSはここまであえて矯正してはいません。MLBへの適応がスムーズに行けばいいですが、しばらくはAAAと行ったり来たりすることになるかも。

Zinkは日系のナックルボーラー。AAAでの成績から、もう少し通じるかと思いましたが、昨年のMLB初登板では打ち込まれています。Waiverを通過してAAAにアサインされていますが、オプションも残していますし、非常事態に備えたデプスとしては妥当なところ。

Hansackは際立った能力はないですが、ここ数年AAAでしっかり投げており、同じくスポットスターターとしては悪くないです。MLBでは微妙かとも思える選手ですが、少ないサンプルながらもMLBでの成績はまずまずで、リリーフにも比較的対応しているのも利点。JohnsonとMills、それに田澤やHagadoneあたりが上がってくるなら本格的にリリーフ適性を見ることになるかも。

Kris Johnsonは左腕のSP。こちらも球威に少し欠けますが、期待度はまずまずと言ったところで、普通のチームであれば5番手になれるかもというくらいの選手。昨季は序盤の数登板で打ち込まれたものの、以降はAAをしっかりと支配し、連続無失点を続けていました。今季はAAAが主戦場になるでしょうし、少しMLBでチャンスをもらうかも。STではなかなか高評価を得ています。AAAの1枠を奪う可能性は高そうです。

Millsは07年のドラフト組の中ではかなり順調な昇格ペースでここまで来ています。こちらも球威よりは制球などで勝負するタイプ。すでにMiLBのPOでAAAでの登板を済ませていますが、AAでもフルシーズンを過ごしていませんし、AAスタートの可能性が高いか。昇格した直後は打たれるものの、適応能力が高く、今季中にAAAでしっかり投げれるようになるかも。

Enrique GonzalezはいわゆるAAAAタイプの選手。90 mph前半の速球にスライダー、カーブ、チェンジアップと一通りもってはいるがインパクトは薄いです。先発・リリーフのどちらの経験も深いことから使いやすい選手ではあります。基本はリリーフでしょうが、Prospectが上がってくるのが遅れれば多少先発もこなすかも。MLBで戦力と考えられてはいなそうです。


[AA]
Starter 1: RHSP Adam Mills or LHSP Kris Johnson
Starter 2, 3: RHSP Junichi Tazawa, RHSP/RP Ryne Lawson
Starter 4, 5 (5 pitchers in 2 spots): RHSP Travis Beazley, RHSP/RP Chris Province, LHSP/RP Derrick Loop, RHSP Matt Goodson, LHSP Tommy Hottvy, RHSP/RP Blake Maxwell

ややProspectは手薄なクラス。MillsかJohnsonのどちらかはここでスタートする可能性が高いですが、それ以外では田澤がいるくらい。Weiland、Price、Fifeと言ったカレッジ出のProspectやDoubront、HagadoneあたりはHi-Aでの結果次第で早めに上がってくるかもしれませんが。
他はAFLにも送られたLawsonはほぼ確定か。あとの2枠はBeazley、Goodson、HottvyといったローレベルのProspectに加えて、もしかしたらProvinceあたりを引き上げるかも。Loop、Maxwellは基本的にはリリーフだと思いますが。

田澤はAAスタートが確定しています。このレベルではまずまず投げると思いますが、MLBスタイル(球数制限や5人ローテ、あとはボール)になれることと、できれば2シームを覚えたい。変化球はこのクラスでは多少進んでいるくらいかもしれませんが、先発としてやっていくなら制球をもっと磨くか2シームを覚える必要があると思います。

LawsonもProspectとしてはローレベル。先発・リリーフをこなせる選手で、ここまではリリーフが多かったですが、昨季AAに引き上げられて以降は先発でまずまず投げています。Hi-Aから多く上がってこればリリーフにまわりそう。

Loop、Maxwellらも似たようなスウィングマンタイプで、残り2枠をBeazley、Goodson、Hottvyらと争うでしょう。どちらかといえば、Hi-Aでしっかりリリーフとして投げていたLoopとMaxwellはリリーフか?Beazley、Goodson、Hottvyの中ではHottvyは元々そこそこ期待されていましたがケガがち。Goodson、Hottvyは04年のドラフト組ですからアピールしない限りカットされる可能性が高いです。

あとは昨季先発に転向したもののHi-Aでは苦しんだProvinceも少し可能性はあるか。傘下の中では比較的球威のある若手ですが、あまり三振が奪えていません。ただHi-A以下の混みぐあいとカレッジ出ということを考えて、今季も先発を務めるならAAに引き上げてしまうかも


[Hi-A]
Starter 1~4: LHSP Felix Doubront, RHSP Kyle Weiland, RHSP Bryan Price, RHSP/RP Stephen Fife
Starter 5 (4 pitchers in 1 spots): RHSP/RP Chris Province, LHSP Jose Capellan, RHRP/SP Chad Povich, RHSP Chris Jones
XST: LHSP Nick Hagadone

昨季途中に上がってきたDoubrontに加えて、Weiland、Price、Fifeの昨季ドラフト組がいます。SS-Aを支配したWeilandはともかくPrice、Fifeは通常の感覚であればLo-Aを少し経験させたいところですが、Lo-Aがあまりにも混みすぎなのでこちらでスタートしそうです。
残り1枠はProvinceかCapellanかというところ。Provinceはリリーフに戻すかもしれませんし、AAスタートの可能性もあり。となるとCapellanの可能性が高いでしょうか。Povichは恐らくリリーフに戻すでしょう。Chris Jonesはスターター経験の方が深いですが、期待度を考えればリリーフに移るか下手すればカットか。
あとは5月あたりにHagadoneが帰って来れば1枠は彼に譲ることになるでしょう。昨季はLo-Aで少し投げただけですが、彼の能力と年齢にLo-Aの状態を考えればこちらに来るのは間違いないところ。

Doubrontはベネズエラ出身の左腕。昨季はケガも癒えて成績が向上して評価を戻しています。比較的三振を奪える投手。Rule5ドラフト対象であったことから、40人ロスターに入りました。オプション切れへのカウントダウンが始まったことになりますし、今季中にはAAでしっかり投げれるまでにはなりたいところ。昨季は終盤にHi-Aに上がってきて少し投げただけですので、さすがにHi-Aスタートでしょう。

Weilandは昨季のドラ3で、BOSに入団してからスターターに転向し、SS-Aを支配したことで評価を上げたProspect。昨季は投球の80%近くがファストボールで、92-95 mphの手元で沈む速球はコマンドもよく、ほとんど打たれませんでした。今季はオフスピードピッチに磨きをかける必要があります。Lo-Aの状況もあってHi-Aスタートは間違いないところ。昨季ほど打者有利というわけでもありませんし、しっかり投げて欲しいです。

Priceは昨季のサプリメンタルのドラ1。こちらもスターターへの転向組です。ポテンシャルに関してはWeilandやFifeよりも上かもしれませんが、完成度では多少劣ります。97 mphに達する速球とハードスライダーの評価は高いですが、先発でやっていくにはチェンジアップを覚える必要がありますし、コマンドもまだまだ磨かれていません。1年間しっかりHi-Aで投げて先発に必要なものを身につけていくことになるでしょう。

Fifeもやはりスターターに転向した昨季のドラ3です。95 mphの沈む速球とカーブの評価が高く、スライダーも良くなると言われていますが、こちらもチェンジアップが未完成。元リリーバーであればこれはある程度しかたがないですが。昨季は2、3イニングを投げることは多かったものの、先発は経験しておらず、いきなりHi-Aというのは少し微妙にも思えるところですが。

あと1枠はCapellanが有力か。昨季はRule5ドラフトでSFに獲られ、その後CINにトレードされていたものの返却されています。ずっと先発でしたが、左腕だしそろそろリリーフに移すのもありかも。その場合はProvinceやPovich、Chris Jonesあたりが争うかもしれません。Prospectとしてはローレベル。

HagadoneはTJ後ですが、経過は良好で、すでに85%まで回復していると言われており、5月復帰が期待されます。BOS入団後飛躍的に球威を上げ、左腕ながら97 mphを叩き出した上に、素晴らしいスライダーを持っており、傘下でもポテンシャルはトップクラス。Hi-Aでイニングを抑えながら少し投げ、良ければAAに引き上げたいところ。球威を戻すことに加えて、チェンジアップの整備とコマンドに磨きをかけるのが今年の目標になるでしょう。


[Lo-A]
Starter 1, 2, 3: RHSP Brock Huntzinger, RHSP Stolmy Pimentel, RHSP/SS Casey Kelly
Starter 4, 5 (7 pitchers in 2 spots): RHSP Caleb Clay, RHSP/RP Hunter Strickland, RHSP/RP Yeiper Castillo, LHSP/RP Jose Alvarez, RHSP/RP Mike Lee, LHSP Fabian Williamson, RHSP/RP Jason Rice
XST: RHSP Austin Bailey, LHSP Drake Britton, RHSP/RP Ryan Colvin

激しく混み合っているクラス。先発で試したいProspectが7、8人はいます。なかでも期待度が高いHuntzinger、Pimentel、Kellyはローテ入りがほぼ確定。残りの2席を争う選手のうちClayは06年のドラ1。ポテンシャルは高いですが、TJがあったりでいきなり先発かどうかはよくわからないところ。Strickland、Castillo、Alvarez、Leeらもポテンシャルはまずまずですが、先発の次に複数イニングを投げながら、先発の枠が空くのを待つことになるでしょうか。
あとはAardsmaとのトレードでSEAから得たWilliamsonはずっと先発でしたが、奪三振率が高くリリーフに移る可能性が高いかなと思います。Rule5ドラフトのRiceはあまり期待はしづらいところ。
あとはDLに入っているProspectが何人かいて、Brittonは昨年末にTJを受けたため、今季中の復帰はキビしいですが、Austin Baileyは4〜5月に戻ってくるかも。こちらも期待度の高い若手ですし、なんとか先発の枠を作りたいところ。Colvinは度重なるケガで散々な成績に終わっており、そろそろ正念場。

Huntzingerは昨季SS-Aでの印象的な投球のあと、Lo-Aで26.2IPで12HRと打ち込まれてしまいました。メカニクスの変更で球威が落ちたというのはよく言われていることで、今季は球威を取り戻すことと、コマンドを改善すること、そしてチェンジアップを磨くことが課題と言われています。球威が戻ってくるなら、MLBでも3番手クラスにはなれると言われています。

Pimentelは順調な昇格ペースでいよいよフルシーズンに挑みます。年齢の割には変化球や制球もアドバンストなレベルにあると言われ、BOSでもTop10~15くらいのProspectです。今季はフルシーズンでしっかり投げられるかということに加えて、ファストボールの球威やコマンド、ムーブに磨きをかけることが必要になります。

Kellyは昨季のドラ1。本人は野手になりたいということで昨季はSSを務めましたが、BOSは投手として獲ったと言われています。取りあえず今季はどちらの可能性も見ていくということで、ローテーションに入って100IP程度を投げたあとSSかDHに移行するようです。HWBあたりに送られる可能性もあるかも。カーブが素晴らしいと言われており、BPのGoldsteinさんらがブレイク候補に挙げているらしいです。野手としてはツールはあるけど磨かれていないという評判でしたが、投手としては年齢の割にはコマンドや制球も洗練されているし、チェンジアップもまずまずというレポートで、プロでどこまで投げれるのかに注目したいです。

Clayは06年のドラ1。TJで結構な時間を費やしてしまいましたが、まだ21歳。こちらもかなりのポテンシャルを持つと言われていますが、高校でもキャリアの多くをOFとして過ごしており、投手としては相当未完成と言われています。取りあえずは1年間健康でしっかり投げることか。

Stricklandは昨季SS-AでHuntzingerが昇格したあと、ローテーションに入ってしっかり投げました。ファストボール、スライダー、チェンジアップといずれもまだリファインが必要と言われており、現時点で多くの三振を奪える投手ではありません。Lo-Aの混み具合からいって、スターターよりはブルペンかとも思える選手ですが、将来的にはスターターに移せる可能性は持っています。

Castilloも昨年SS-Aでまずまず投げた右腕。2年をDSLで過ごしていますが、GCLをスキップしたので、ペースとしては遅くはないと言うくらい。三振を多く奪っているのが印象的で、チェンジアップがいいと言われますが、ファストボールのコマンドにやや苦しんでいるようです。ベネズエラのウィンターリーグでリリーフをやっており、09年は取りあえずこちらに移るか。

Alvarezはまだ19歳の左腕。16歳で契約し、DSL、GCLと順調なペースで上がってきてのフルシーズンでしたが、少し打ち込まれました。今季はもう一度Lo-Aでやることになるでしょう。年齢を考えればまだスターターで使ってもいい選手だと思いますが、他の選手との兼ね合いか。

Leeは昨年のドラ8。まずまずのポテンシャルを持つProspectとされており、かなり大柄で球威もあります。昨季は肩のケガを抱えていて打たれましたが、これはあまり心配はなさそう。スターターになるにはチェンジアップをマスターする必要があると言われており、まずはブルペンから2イニング程度ずつ投げることになりそうです。

Baileyは07年のドラ16。契約が難しいと言われましたが、下位で指名し、オーバースロットで引き抜きました。昨季最初の登板で痛めた肩のケガが長引いているそうで心配です。高いポテンシャルがありますが相当に未完成。
同じくハイポテンシャルなBrittonもTJで今季は投げれそうにないですが、若い投手にケガが相次いでいるので、復帰以降はケガに気をつけて投げて欲しいです。


[SS-A]
Starter 1, 2, 3: RHSP Roman Mendez, RHSP Tyler Wilson, LHSP Hunter Cervenka
Starter 4, 5 (Maybe 9~11 pitchers in 2 spots): RHSP Wang-Yi Lin, RHSP Kyle Stroup, LHSP/RP Richie Wasielewski, LHSP/RP Manny Rivera, RHSP Ryan Pressly, LHSP Cesar Cabral, RHSP/RP Pete Ruiz, RHSP/RP Jeremy Kehrt and draftees

SS-Aからはスターターと言っても3-5IP程度で抑えることが多く、その次に投げる選手まではある程度先発の可能性を見ている形にはなりそうです。ただその中でも期待度の高い選手はスターターを務めるでしょう。まずはRoman Mendez。昨季DSLで印象的な投球をした若手で、今季Pimentelクラスになるかも。それと下位指名→オーバースロットで契約したTyler WilsonとCervenka。2人ともかなりのポテンシャルのようです。
あとは候補が何人かいますが、Manny Riveraはかなり有力です。あとは昨季GCLでスターターを務めた面々(Wang-Yi Lin、Ryan Pressly、Cabral、Ruiz、Kerht)に昨季のドラフト組でそこそこのポテンシャルを持つと言われているStroupとWasielewskiがいますが、今季のドラフト組も入ってくることを考えれば、2番手以降が有力か。

Mendezは07年の6月に契約したドミニカン。Int. FA契約にはいくつかの期間に分けられていますが、中でもEarly (Initial) Signing Periodと呼ばれる6月2日から8月終わり(MiLBのシーズン終了?)までの期間に契約される選手はその年に初めてFA解禁になった選手であることから基本的に有望とされています(例外もいっぱいありますが)。BOSでもPimentelやTejeda、Almanzarらはやはり6月の契約です。この辺も有望視される要因ではあるでしょうね。制球なども優れた選手らしいですが、奪三振率はまずまずぐらいですし、ファストボールを磨く必要はありそうですね。

Wilsonは昨季のドラ13。大柄でまずまず球威があるというレポートです。ドラフト全体でも下位でのグッドピックだと言われており、期待通りの成績が残せるか。

Cervenkaも同様にスリーパーだと言われていますが、こちらはちょっと制球に不安があるとも。それでも左腕ということもあり、期待度は高いです。

Riveraも6月契約のドミニカン左腕。DSLで2年かかっていますが、これは1年目のブルペンでの出来が素晴らしかったため、2年目にスターター転向を行ったからであり、昨季も成績的にはDSLでNo.1でラテンプログラムの最優秀投手になっています。ブルペンにまわる可能性もなくはないですが、成績的には文句なくスターター。


[GCL]
Starter 1, 2, 3: RHSP Swen Hujier, RHSP Raynell Vellete, RHSP Danny Dilon
Starter 4, 5 (Maybe 5~7 pitchers in 2 spots): RHSP/RP Javier Jimenez, LHRP Nestor Lastreto, RHSP/RP Miguel Marquez and draftees

上位で指名するならともかく、4巡目以降の指名であれば高卒投手はまずシーズンに間に合わないでしょう。スターターの半数以上はInt. FA組が占めるはず。昨季DSLで投げた選手の中ではVellete、Dilon、Javier Jimenezらの成績が優秀。いずれも年齢的なものやポテンシャル面でSS-Aではなくこちらに来ると言われています。あとは昨季GCLで少し投げたHuijerやDSLのリリーフで良かったLastretoもいます。Rule5ドラフトのMiguel Marquezは先発で使うほどの選手ではないか?

Huijerは6' 9"と凄まじく長身のオランダ人投手。NYYやNYMも興味を示していたと言われています。どのくらいのポテンシャルなのかはよくわからないところです。

Velleteはまだ17歳と非常に若いドミニカン。17歳にしてDSLでERA3.44を残し、驚きを与えています。あまりにも若いため、SS-AではなくGCLに行くと思いますが、ここで良ければ途中で引き上げることはあるかも。

Dilonも同じく昨季DSLで良かったドミニカン。年齢的にはSS-AかもしれませんがERA2.96は良かったものの奪三振率がやや低くGCLをスキップさせるほどではないか。

Jimenezは2年目のDSLでスターターに本格転向し、こちらもERAは良かったですがK/BBは今イチです。


[DSL]
Starter 1: RHSP William Cuevas
Starter 2, 3, 4, 5 (Maybe 6~8 pirchers in 4 spots): LHSP Israel Perez, RHSP/RP Wilfi Santana, RHSP/RP Juan Rodriguez, RHSP/RP Luis Bastardo and signees

DSLに関してはよくわかりませんが、やはり6月契約のCuevasはある程度の期待がかかります。それに元々は高い期待をされていたIsrael Perez。あとはDSLではリリーフとして良かった選手を次の年にスターターとして使う傾向があるので、昨季まずまず投げた投手達(Wilfi Santana、Juan Rodriguez、Bastardo)もスターターを争うでしょう。

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