2015年4月7日火曜日

SD and ATL Trade Analysis; Craig Kimbrel, Melvin (B.J.) Upton, Jr., Cameron Maybin, and Carlos Quentin Trade

開幕を目の前に控えて、ビッグディールが成立。この時期というのは珍しいですね。15年はリビルドとなるATLにCraig Kimbrelはあまりフィットしていないし、ギリギリになってATLが要求を下げたためにトレードが成立したというところか。Carlos Quentinはトレード直後にDFAされており、実質ATLが少し金銭負担するという意味。そういやB.J. UptonはMelvinという登録に変わったんですね。


[Transaction]

SD Acquired : RHP Craig Kimbrel, CF Melvin Upton, Jr.

ATL Acquired : OF Cameron Maybin, OF Carlos Quentin (then DFA'd), RHP Matt Wisler, OF Jordan Paroubeck, 2015 draft pick (41st overall)


[Player to San Diego)]

Craig Kimbrel, RHP

ATLの08年ドラ3。ドラフト当時はほとんど注目されていなかったが、ATLスカウトの投手を見抜く眼力の確かさを示した例と言える。サイドハンドから平均で97 mphという剛速球にスライダーの2ピッチだけで相手を捻じ伏せる。ここ5年のMLBで最強のリリーフと言っても過言ではない。既にMLBに上がって来てから5年が経つが、球速は上がる一方。

これまでのマイナー・MLBのキャリアを通じて、2 IPだけの08年のHigh-Aを除けば、常に奪三振率が13以上という驚異的な数字。特に12年はイニング平均2コ近い奪三振率16.7という数字を残した。生え抜きクローザーの宿命か、調停に入って年俸が高騰してきたことから、14年シーズン前に4年$42Mの契約延長。15年$9M、16年$11M、17年$13M、18年$13Mオプション/$1Mバイアウトとなっている。


Melvin Upton, Jr., CF

TBの02年ドラ1全体2位指名。このオフに別個のトレードでSDに移って再びチームメイトとなる弟のJustin Uptonとはドラフト史上最高の兄弟と言われている。ただ兄弟共々、身体能力に頼ってのプレー振りが目立ち、そのツールから期待されたほどの名選手にはなっていない。パワー・肩・スピードのいずれも最高クラスで、CF守備も多少落ちて来ているが、しっかりしている。ただそれ以上に打撃の落ち込みが目立つ。元々ある程度ボールを見る選手でさほど高いとも言えないアベレージを、出塁とパワーで補っていたが、ATLでのここ2年は許容範囲外の打撃に。

年齢的にはまだ30歳になったばかりでキャリアのピークになってもおかしくないのだが、身体ツールにモノを言わせるタイプの選手にありがちな、早めの衰えが来ているように見える。15年$14.45M、16年$15.45M、17年$16.45Mと大きめの契約が残っており、復活を期待したいが、OFにはMatt Kemp、Justin Upton、Wil Myersとオフのトレードの目玉の三人がおり、出場機会が十分にあるかは不明。


[Player to Atlanta]

Cameron Maybin, CF

DETの05年ドラ1 (#10)。この年のドラ1で指名された5人のHS-OF (J. Upton、Maybin、Andrew McCutchen、Jay Bruce、Colby Rasmus)はいずれも非常にProspectとして期待されていたが、その中では最も評価が低かったMcCutchenがMVP級に育った一方、残りの4人は期待の上限に達したとは言い辛い状態。Maybinにしても、パワー面はさほどではないが、5ツールタイプとして期待されていたが、打撃が伸びずに未だに確固たるMLBでの地位を築けていない。

07年にAndrew Millerと共にMiguel Cabrera/Dontrell Willisとのトレード。その後10年にEdward MujicaらとのトレードでSDへ移っている。キャリアイヤーとなった11年オフに5年$25Mと安めの額で契約延長したが、その額の分も働けていない状態。15年$7M、16年$8M、17年$9M/バイアウト$1Mの契約が残る。だいぶ期待度は下がったし、OFを補強したSDでは明確に余っていたが、ATLで継続的に機会を与えられればあるいは。


Carlos Quentin, OF

ARIの03年ドラ1 (#29)。傘下にJ. Uptonという超大物がいたせいで少し浮いていたこともあり、07年にChris CarterとのトレードでCWSへ。これはCWSにとって大当たりとなり、08~11年の間CWSでしっかりしたレギュラーとして活躍した。選球眼は平均的で、アベレージも今一つだが、しっかりしたパワーがあって、平均からやや上のC-OFレギュラーという感じ。ただベースに大きく覆いかぶさるような打撃スタイルから死球が多く、若干出場試合が伸び悩むことも。

Simon Castorらとのトレードで移ったSDでも、打席数はやや少なめながらも12、13年としっかりと打ったが、14年に急落。15年$8M、16年$10M相互オプションという契約が残っているが、トレード直後にDFA。ある程度成績を戻せるならそれなりの契約にも見えるが、15年は再建期のATLではあまり意味は無く、13~15年の出場試合数でバイアウトの額が上昇するという条項を嫌ったのかも。DHのあるALの球団が拾うのではないかと見られる。


Matt Wisler, RHP

SDの11年ドラ7。比較的下位の指名だが、$500Kのボーナスを受け取っており、旧CBA下では多かった進学希望の選手をキャッシュで口説き落とした形だろう。マイナーでも順調にキャリアを築いており、14年はPCLのAAAで少し打たれたものの、全体Top 50のProspectへ成長。オフに多くのProspectを放出したSDでは、傘下に残された中で最上位のProspectだった。

比較的完成されたワークホースタイプの身体から91~94 mph、最速95 mphの速球を投げる。沈みも大きく、これとプラスのスライダーで三振を奪う。チェンジアップもある程度駆使でき、無難なミッドローテタイプの先発になりそう。PCLである程度打たれていることから、個人的にはややオーバーレイテッドには見えるが、14年夏にMLBに昇格して、15年からローテ入りの可能性があることで、再建期のチームには価値は大きい。


Jordan Paroubeck, OF

SDの13年ドラ2。13年のドラフト直前に大きく株を上げた選手で、パワーを中心に各身体ツールに優れた選手ということで、個人的にもBOSが獲ってくれればと思っていた。まだRkクラスなので何かを計算できる段階ではないが、140 AB/8 2B/2 3B/4 HRと、一般的には成長が遅いパワー面の数字を若い段階で既に見せているのは注目。ただ一方で42三振と、Rkクラスでもややコンタクトに問題を抱えていそうなのが不安点。ハイリターンの可能性も持つが、ややリスクの高い選手。


[Team Analysis (SD)]

オフにBOSの元GM補佐だったJosh ByrnesをGMから解任して、TEXのGM補佐だったA.J. Prellerを招聘。すぐに結果が欲しいのだろうが、ここ数年物量作戦で多く蓄えてきた遺産のProspectを大整理して各ポジションに選手を掻き集めている。特にOFはMyers、J. Upton、Kempを獲得しており、かなりコスト的に大きなウェイトを占めているが、そこにさらにM. Upton, Jr.を加えることに。もちろんメインターゲットはKimbrelで、Kimbrelを獲るために仕方なかったのだろうが、あと3年+オプションと大きな額が残るだけにある程度機会を与えざるを得ない。

DLで開幕しているが、復帰すればまずは実績の浅いMyersを補佐するような形で使うのだろうが、Myersがある程度アジャストして来るなら、当然先を見据えてもMyersを使いたくなる。14年は悪かったが、それなりに力のあるWill Venableや、傘下に残った有力ProspectのHunter RenfroeもCF/RFという選手で、今年はともかく、来年以降のやり繰りをどうするのかはかなり疑問。更にVenable以外全員右打ちというのも気になる。

ただこのトレード単体で見れば、M. Upton, Jr.を引き取ることになったとは言え、Maybin、Quentinと不良債権気味のOFを2人整理することにはなっている。M. Upton, Jr.は残り$46M強の契約が残るが、実質Maybin、Quentinの分$23M程度をATLが負担していることになるし、方向性としてはズレてはいない。むしろその前にOFのみ大物3人獲るよりも、そのどれかを実績のほとんどないC-IFのどちらかの補強に当てた方が良かった気もするが。

一方ブルペンに関しては当然大きなグレードアップだ。昨年クローザーも務めたJoaquin Benoitがセットアップに回る。Nick Vicentを始め、昨年の成績的にはまずまずの選手が揃っているが、投手有利の本拠だけに特にポッと出の選手も多く、安定して活躍できるかは疑問な面もある。セットアップ・クローザーくらいはがっちり固めておいても損は無い気もする。

出したものはWislerが当然痛い。James Shields、Andrew Cashner、Tyson Rossとローテの上位三枚は16年まで契約が残るが、Ian Kennedy、Brandon MorrowとオフにFAになることを考えるとタイムライン的には保有期間の長いWislerが後釜に座ってくれれば理想的だったのだが。ただ下位ローテを埋めるのはさほど難しくはないし、特にPetco Parkを本拠に構えるだけに、ある程度の選手でやり繰りできるというのもある。

新GMになってここ2、3年で勝負と考えているのだろうし、POを目指すなら、若い選手の適応に当てる余裕もあまり無いかもしれない。ドラフトピックやParoubeckの上限も勿論無視はできないが、宝くじ的な部分も強い。余剰のOFを2人も整理できたし、またペイロールを上げることにはなったが、Wislerもエースになるようなタイプでは無さそうであることも考慮すればそれなりに方向性としてはこのオフの動きにあっているかもしれない。


[Team Analysis (ATL)]

オフはファイヤーセールに終始し、弱かったマイナーも他球団からのProspectの獲得でだいぶ様変わり。Kimbrelもずっと噂になっていたが、要求が高かったのか、ここまでまとまらなかったが、ここに来てついに動けた。リリーフではあるが、MLB有数のクローザーということで、今回得たパッケージは、少し要求を下げたのだろうという見方が強いが、Kimbrelもかなりのハイコストだし、M. Upton, Jr.の整理をできたことを考えれば、この時期までずれ込んだにしては無難に動けたという印象。

OFはQuentinはDFA。M. Upton, Jr.をMaybinに変えてダウングレードもトータルで$20M以上のペイロールカット。Kimbrelの分と合わせて、浮いたペイロールで、2~3年先を考えて補強できるかと、Wislerの適応がなるかという部分が今後の鍵となる。

2 件のコメント:

赤とんぼ さんのコメント...

こんにちは、

春ですね~!!花火5発!バックも最高でした!このままずっと花火大会で! ところでパンダって冬眠するんでしたっけ?(^^

Porcelloが4年$82.5MILでExtensionだそうです。

ララ さんのコメント...

赤とんぼさん

快勝でしたね(^-^)

やっぱりHRが出ると乗ってきますよね。2戦目もこの調子でお願いしたいところです。

Wikiとかによると、ジャイアントパンダは冬眠しないっぽいですよ。餌がエネルギー効率の悪い笹なので、冬眠したら死にそうです(汗)。

Porcelloの延長は上でちょっと書いてますが、個人的には高いと思います。ただ若くて衰えが来なさそうという意味では一般のFA選手を獲るよりもリスクは低めかもですね。