2008年6月20日金曜日

08'-09'シーズンの陣容について -DF編-

つづいてDF編です。かつての堅守バレンシアはどこへやら。今シーズンこそは相手の歯が立たない鉄壁の守りを再び見せてもらいたいもんです。


[07'-08'シーズン終了時のメンバー]

Raul Albiol (CB)
Ivan Helguela (CB)
Alexis Ruano (CB/RSB)
Carlos Marchena (DH/CB)
Miguel (RSB)
Marco Caneira (RSB/LSB/CB)
Emiliano Moretti (LSB/CB)
Javier Arizmendi (RSH/RSB)
Miguel Angel Angulo (RSH/FW/LSH/RSB)

David Navarro (CB, Mallorcaにレンタル)
Asier Del Horno (LSB, Bilbaoにレンタル)
Curro Torres (RSB/LSB, Murciaにレンタル)
David Cerra (RSB/LSB, Poli Ejidoにレンタル)


[主な下部組織の状況]

David Romban (Bチーム所属, CB/RSB, 1987年生まれ)
Arturo Navarro (Bチーム所属, CB, 1989年生まれ)
Carlos David (Bチーム所属, CB, 1986年生まれ)
Lillo (Bチーム所属, CB/RSB, 1989年生まれ)
Alexis Villar(Bチーム所属, RSB/RSH, 1988年生まれ)
Ivan Garcia (Bチーム所属, RSB, 1985年生まれ)
Jaume Costa(Bチーム所属, LSB/LSH, 1988年生まれ)
Manu Mico (Bチーム所属, LSB, 1986年生まれ)

期待度の高いRombanは来季はトップチームに残れるでしょうか。個人的には彼はもうトップチーム登録でいいんじゃないかとも思いますが。Bチームも昇格したてで彼が抜けるのは痛いかもしれないけど、そろそろ1部で鍛えたい。

彼以外では、Lilloなどは他のチームからレンタル獲得の話が来ているようで、何人かは他チームにレンタル修行、他はBチームに残留という形でしょうね。いずれもユース代表経験を持つ、Arturo, Lillo, Alexis, Jaumeらのポテンシャルに期待して、あまり戦力を重ねすぎず、もしもの際は彼らに経験を積ませるチャンスだと思ってもらいたいくらいです。 そうやって成功してるのがSevillaでありVillarealですから。


[移籍関連情報]
◯ Miguel, Caneira, Morettiの移籍 ー

世界的にも人材不足が叫ばれるSBの多くに移籍の噂が。中でもCaneiraはSporting Club de Portugalへの移籍がほぼ決まりかけと言われました(その後、話が進んでいる様子がありませんが)。堅実で様々なポジションができることから、重宝するタイプですが、CBでは少し弱いようにも思います。06-07シーズンに両SBをマルチにこなしたCurro Torresも帰ってきますし、Emery監督の構想には入っておらず遅かれ早かれ移籍が決まりそう。ユーロにも落選しあまりいいことなかったシーズンですが、Sportingではいつも獅子奮迅の働きをしていますので、どうなるにせよ来季はガンバってもらいたいです。

Miguelは本人も移籍志願を出しており、監督の構想外でもありますので移籍は決定的。今季のパフォーマンスやユーロでレギュラー落ちしている現状から市場価値は下落気味ではありますが、それでも人材不足のポジションであり、José BosingwaやDaniel Alvesといった注目銘柄がすでに売れてしまったこともあり、そこそこ高額の移籍金が見込めそう。RSBを探しているチームを考えるとManchester United 一択かなと。まぁ、彼のように気分でプレー内容が変わる選手には新たなモチベーションが必要かもしれません。

Morettiは母国イタリアから引く手が。Donadoni監督が一向に代表に呼んでくれないせいもあって彼自身もイタリアに戻りたい気持ちもあるでしょうね。ただValenciaでは不動の存在ですけど、イタリアのビッグクラブでレギュラーを取れるかは少し疑問も。噂されるRomaにしても不動のMax Tonetto, 有望株のAntunesにChristian Panucciもいます。CBも一応こなせるし、どうしても来季残留してもらいたい選手です。


☆ 6/26追記
◯ レンタル組の復帰 ー決定

今季、レンタルに出されていた、David Navarro, Del Horno, Curro TorresのValenciaへの復帰が決まったようです。若手ならともかく、十分な経験がある選手のレンタルはあまりいい印象を持てないですが、財政難から誰が抜けるかもわからないValenciaではとりあえず3人ともEmery監督の構想内だそうです。

David Navarroは下部組織育ちのCB。フィジカルと高さに優れる反面、ややスピードが不足しており、時折プレーが粗くなることがあります。それでも昨シーズン後半はMallorcaで定位置を掴んでおり、第4のCBとしては十分満足できると思います。年齢的にもまだ成長の余地はあると思いますし、古巣復帰で気持ちを新たにガンバって欲しいです。

Del HornoはValenciaでは当時のQuiqe監督と折り合いが悪く、レンタルで出されていました。元々層が薄い上に、Caneiraの移籍がほぼ確実、レギュラーであるMorettiの去就が不透明といったLSBの事情もあり、ある程度(特に日本の)ファンにとっては望まれての帰還という印象です。
素行不良であり、Bilbaoでも若手のKoikiliにレギュラーを奪われたりとかつての期待度は失っているものの、資質的には世界のトップクラスのSBであり今季の開花に期待したい選手です。

Curro TorresはかつてRafael Benitez監督がValenciaに連れて来たSBで日韓W杯でのスペイン代表です。あの当時はスペインの4強にそれぞれMíchel Salgado, Carles Puyol, Curro Torres, Manuel Pabloと代表クラスのRSBがいてしのぎを削ってましたねぇ(ちょっと回想モード)。格段に優れた能力を持たないですが、ディフェンス、オフェンスとも堅実でスタミナがあり、タフなSBという印象が強いです。
Miguelに押されて出場機会を減らし、控えとしてたまに出る試合であまり活躍できなかったことから昨季はレンタル放出。コンスタントに出場機会をもらって輝くタイプの選手だと思いますから控えとしてはどうかな、とも思いますが、DF陣では数少ない栄光の時代を知る選手であり、両サイドをこなせる点からもCaneiraがいなくなるのであればいてくれるとありがたい選手ではないかと思います。



☆ 8/25追記
◯ David Navarro, Caneiraの放出とCurro Torresの長期離脱 ー決定

レギュラーというよりは控え選手の移動という形になります。Caneiraに関してはかなり前になりますが、上記したSportingへの移籍が正式に成立しました。

David Navarroはレンタル復帰が一度は決まりましたが、Albiol, Marchena, Alexis, Helguelaに続く5番手扱いであることと、MallorcaのDF不足によってMallorcaへ再レンタルとなりました。
GKのMoyaの獲得交渉なども少し絡んでいたみたいですが、Mallorcaではレギュラーを掴んでいますし、どうせなら完全移籍にしてあげてよかったのではないかと。Valenciaは若いAlbiolとAlexisがいて、Rombanも昇格してきていますし、Navarroがかなりがんばったとしても復帰して定着というのは考えづらいですし。Mallorcaに払えるお金がなかったのもあるとは思いますが、また来年に同じオペレーションを繰り返すのもどうかと。

Curroはケガで長期離脱。冬までは選手登録されないようです。RSBはMiguelのバックアップはAlexisを筆頭に他のポジションからやりくりしながらCurroの復帰を待つという形で、選手層の面からみてもMiguelが長期離脱しない限りはそれでいいかと思います。取りあえず故障でやや能力を失っている選手だけに、しっかり治して体力的にキツくなる時期までに戻ってきてもらいたいです。



☆ 9/24
[移籍選手]


Marco Caneira (Sportingに完全移籍)
David Navarro (Mallorcaにレンタル移籍)


[今シーズンの陣容]

2.    Curro Torres
4.    Raul Albiol
5.    Carlos Marchena
11.  Asier Del Horno
15.  Ivan Helguela

20.  Alexis Ruano
23.  Miguel

24.  Emiliano Moretti

26.  David Romban (Bチーム登録)


[展望]

CBはAlbiolが絶対の軸になり、相棒は怪我から復帰すればユーロで再びCBとしての評価を上げたMarchenaが有力。MarchenaはDHと兼任で、AlexisとHelguelaでは若いAlexisがリードしていますが、まだポカも目立つところ。Rombanは本来CBですが昨年からRSBでの起用が続きます。Morettiも本来CBをこなすが、Emery監督の構想にはない?

CBはAlbiolさえ長期離脱しなければ、まずまずの陣容ではあると思います。Alexisの成長とレギュラー定着があればなお良いでしょう。高さ、スピード、1対1ともに身体能力に優れるAlbiolの存在もあり平均を上回ると思いますが、そのAlbiolがまだ若いだけに、駆け引きやラインコントロールは少し不安かも。

RSBはCurroがしばらく使えず、本職は昨シーズン調子を落としたMiguelのみ。Curroもどれだけの状態で帰って来れるかは不明。他の候補はいずれも違うポジションを本職とする、Angulo, Alexis, Rombanあたり。Anguloは守備に、AlexisとRombanは攻撃に難を抱えます。

CLのない今季では、レギュラーのMiguelが本来の調子に戻った上で離脱しなければ、最低限のバックアップはいるという程度。やや不安もあるが、もしもの際は、取りあえず守れはするAlexisが有力か。

LSBはMorettiとDel Hornoの2人。ずっと安定しているMorettiは戦術理解力が高くしっかり守れるSBではありますが、身体能力は特に優れてはおらず、トップクラスのアタッカーにはやや苦しむことも。Del Hornoは今シーズンはEmery監督とも今のところうまくやっているようで、復活が期待されます。

能力的に遜色のないSBを2人抱え、しかも異なるキャラクターを持っているので、Del Hornoがしっかり復活すれば、使い分けも可能だし、どちらかが離脱してもしのげるので大きな不安はないでしょう。もし共に離脱となればBチームのJaumeを招集するかなと思います。



☆ 1/6
[中間査定]

◯ Raul Albiol(16 Game, 1 Goal, 1 Assist)
相棒がAlexis, Helguera, Marchena, Maduroところころ変わる中で、相変わらずコンスタントなプレーで守備陣を支えています。高さ、スピード、1対1の強さを兼ね備えており、カピタンを務めるなど、大黒柱の一人になりつつあります。精神力も強く、多少のケガでも試合に出続ける選手でもあります。
代表にも定着しましたし、あとはもう少しラインコントロールなどの駆け引きや、組み立てなんかを磨いていって欲しいですね。

◯ Alexis Ruano(11 Game, 1 Goal, 0 Assist)
Marchenaがケガで出遅れた序盤戦にAlbiolの相棒を務めましたが、ケガなどもあり少し失速。身体能力に優れ、高さや1対1では強さを見せますが、集中力を少し切らすのか、ポカが若干目立つCBです。Albiolとはいずれ代表でもコンビを組むべき選手だと思いますし、仕切り直して、後半戦再びレギュラー取りにチャレンジしてもらいたいです。

◯ Carlos Marchena(8 Game, 0 Goal, 0 Assist)
ユーロで再び評価を取り戻して迎えた今シーズンですが、ケガで出遅れた影響もあるのかパッとしないパフォーマンスに終始しています。今シーズンは正式に第1カピタンとなりましたし、本来なら守備陣を引っ張ってもらわなくてはいけないんですが...個人的には、よりDHに適性のある選手だと思っていますが、後半戦はそちらでも出場機会があるでしょうか?

◯ Hedwiges Maduro(5 Game, 0 Goal, 0 Assist)
開幕前は戦力外と言われた選手ですが、DH, CB, 両SBと守備のユーティリティーとして重宝され、最近は放出の声は聞こえません。本来的には攻撃のセンスも備えている選手ですが、ややスピードに欠け、しばらくRSBで使われてた際には酷い守備を見せていましたが、DHやCBではそこそこ働いています。ある程度コンディションが整って来たのかもしれませんし、Helgueraの放出もありましたので、後半戦はより出番が回ってくるかもしれませんね。

◯ Miguel(17 Game, 0 Goal, 0 Assist)
C. Torresがしばらく離脱していたこともあり、開幕からフル回転を強いられてきたRSB。コンスタントに試合にでることでコンディションが上がるのか、やや過密に見える今シーズンは生き生きとプレーしており、持ち前の攻撃力が最近は結構生きています。Quiqueさんの時代は守備面での進歩が大きかったものの、攻撃面ではそのポテンシャルほどのインパクトを与えられませんでしたが、今季はもう一皮剥けるチャンスかと。

◯ Curro Torres(0 Game, 0 Goal, 0 Assist)
やっとケガから復帰してきたものの、Miguelの好調もあり、リーガでは出番がなく、UEFA杯でもやや不安なパフォーマンスを見せてしまい、現状ではバックアップとしても及第点とは言い難いです。
Bチームで輝きを放っているX. Navarroがいますので、早いうちに力を取り戻さないと再び戦力外になってしまうかも。ただ、もう少しまとまって出場時間を得ないとコンディションも上がってこないと思いますし、プレミアのようにリーガもリザーブリーグがあると良いと思うんですけどねぇ。

◯ Emiliano Moretti(15 Game, 0 Goal, 0 Assist)
今季もここ数シーズンと同様、コンスタントなプレーを続けているLSBで、攻撃面では可もなく不可もなくといったレベルですが、バランス感覚に優れ、守備面はずっと安定しています。一応CBもこなせる点も長所で、Emery監督も練習試合ではオプションとして試しています。ただ元々スピードに難があり、スピードのあるアタッカーとのマッチアップで苦しむ傾向がありますが、今季はちょうどBarca戦とReal戦を欠場しており代わりに出場したDel Hornoの方がボロボロになりました...

◯ Asier Del Horno(4 Game, 0 Goal, 0 Assist)
昨シーズンもあまり出場機会がなく、今季は先発した試合がBarca戦、Real戦であったこともあって酷いプレーを見せてしまっています。守備の方は元々評価されない選手ですからいいとして(良くないけど)、攻撃面でもパッとした働きができないのは、やはり試合勘の鈍りが感じられます。パス精度なんかはいいんですが、上がりの遅さが目に付いており、タイミングなんかがわからないんでしょうね。才能のある選手だけに、なんとか出場機会を増やして、輝きを見せてもらいたいとは思っているんですが。

◯ Other Players
Ivan Helguera → 冬の移籍選手のパートに記載
David Romban → 故障で長欠、出場なし
Ximo Navarro → 現状でリーガでは出番なし


[冬の移籍期間での移籍選手]

ブラジルのSantos FCより加入したLSB。いくつか席が空いたことにより、素直にトップチーム登録されるようです。どちらかというとLSBよりRSBの方が薄い気はしますが、LSBもDel Hornoがやや不安定だし、金額を考えれば良いのかも。国王杯やUEFA杯もラウンドが進んで、全くの控えだけでチームを構成することはなくなるでしょうから、どこで出番をもらえるかが注目です。

◯ Ivan Helguera との契約解除(1 Game, 0 Goal, 0 Assist)
年齢と出場機会の問題もあって、コンディションを落としていたのは確かだけど、まだ全く付いていけないというような出来でもなかったと思いますが、基本的にEmeryさんとはそりが合わなかったようで、この辺はQuiqueさんとAmedeo Carboniの間のやり取りにも通じるものがありますね。シーズン開始直後からバックアップ扱いとなり、UEFA杯や国王杯では出番があったものの、Marchenaの復帰以後はリーガでは招集外となってました。ロッカールームや選手交代でもぶつかったそうで、結局契約解除となりました。もう少し下位のクラブではまだ存在価値があると思うので、どこかでまた勇姿を見たいと思います。

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