2012年10月4日木曜日

12/10/02 Game161 @New York Yankees

Game 162の開始前にMIAが敗れ、BOSは13年ドラフトは全体#7で確定。やっぱりこの試合だけは、最後勝っておきたかった。来季につなげるという意味でも、NYYに好き放題やらせて終わらないという意味でも。Ellsbury、Pedroiaの電光石火の連打で、2点を先制し、Lesterの早めの降板にも関わらず、9回裏までリードしていたんですが、A. Baileyが全てぶち壊し。


Lester: 速球は大体が91~92 mph。最速94 mph程度。カッターが88~90 mphあたり。カーブは73~74 mph、チェンジアップはほとんど投げなかったが85 mphとかのボールか?球速は出ていない訳ではないけど、やっぱり全盛期からは1~2 mph落ちている。速球も少しカットしており、カッターと厳密な区別は難しいが、とにもかくにもコマンドが悪すぎる。どちらのボールも球威・変化だけを見れば、そこまで悪いようにも見えないが、簡単にカウントを悪くして、甘いボールを投げざるを得ない状況に自ら追い込まれている。

元々、精密なコマンドを駆使するタイプではなかったが、かつては球威、複数の優れたセカンドピッチを持っていて、ある程度アバウトに投げても抑えられていた。一方、今では明らかにストライクゾーンで勝負するのを怖がっている。カーブも以前のタイトな変化はなく、ストライクゾーンから鋭く落ちて、空振りを奪ったのは一度ほどしかなかった。

年齢的には油が乗ってくるはずなのに、なぜこれほど劣化してしまったのか?以前よりかなり太った印象があるし、以前に比べて、後ろに体重が残ったまま投げているようにも見える。とにかく、フィジカルを万全な状態に戻し、球速を取り戻すことが重要でしょうね。ある程度ストライクゾーンで勝負できるようになれば、変化球も生きてくるはず。


Hill: ケガから復帰後、初めて見たが、球速に関してはずいぶん戻っていて、89~91 mph程度。トレードマークのカーブは73~75 mphあたりで、速球とは少し投げ方が違うようにも見えるが、やはり対左には効果的。とは言え、対右でも特に怖がることなく、ストライクを投げこんでおり、ケガの後遺症はなさそう。84 mph程度のボールはチェンジアップ?


Tazawa: TJ後初めて見た。ひげを生やし、見た目ちょっと松坂風になったが、外見同様スタッフも噂通り以前とは全く別のピッチャーになっていた。かつて90 mph前半の棒球を投げて被弾していた速球は、現在は安定して94~96 mphで、沈みながら手元で利き腕側に鋭く変化しており、MLBでも立派にプラスのファストボールと言える。これで追い込み、89~91 mphのスプリッターで三振を奪うパワーピッチングリリーフとなった。低めへのコマンドも安定しており、迫力はともかく、かつてのJonathan Papelbonにそれほど遜色がないかもしれない。

スプリッターは以前はフォークというべきボールだったと思うが、今は球威も十分。落ちるのと同時に、少し利き腕側に変化している。このボールで、MLBデビュー戦でHRを浴びたAlex Rodriguezから、完璧な三振を奪った。ブレイキングボールは今日は投げず。現時点では、Baileyよりはるかに良い投手で、結果論ではあるが、Lesterがもう1イニング投げ、田澤が9回に投げれば勝っていた気がする。

日本では、田澤先発論も出てきているが、ややカクカクしたモーションで、少しケガの懸念が大きいタイプに見える。リリーフでこれだけの投球ができるなら、リスクを冒して先発で試すよりも、しっかりとしたブルペンの後ろのピッチャーとして期待したい。冗談抜きで、Baileyよりも来季のクローザーに相応しいと思う。


Breslow: 速球は89~92 mph。84 mphのスライダーを少し投げたか。絶対的なスタッフがある訳ではないけど、落ち着いていて安心感がある。牽制で刺したのもさすが。来季もミドルリリーフから7回セットアップというところで投げるだろう。来季のブルペン候補は多いけど、ブルペンの精神的支柱として、経験のあるPadillaとは再契約しても良いかなとは思っているが、Breslowがその役でも良いかもしれない。


A. Bailey: 昨日もちょっと見て良くないと思ってたけど、今日も酷かった。とにかくボールが高いし、甘い。とてもじゃないがクローザーを任せるべき選手じゃない。速球は93~94 mph。元々絶対的な球威の持ち主ではないし、Raul Ibanezに投げたど真ん中の甘い球は打たれて当然。79~80 mphのカーブに86~89 mphのカッター。カッターは彼の決め球と言われていて、球速の割に大きく変化し、縦への変化も大きい。高速スライダーと言ってもよいかもしれない。ただどちらの球も、変化するタイミングが早く、打者はほとんど振ってくれていない。


Melancon: Baileyの招いた満塁のピンチにマウンドに送られるなど、1ヶ月前は考えられなかったが。最近ストライドを変えたかで、球威が上昇し、まずまず悪くないスタッフになっているとか。速球は95~96 mphを安定して出していると聞いたが、今日は93~94 mphというところ。81~84 mphのカーブは鋭く縦に変化するパワーカーブ。速球は少し向上しているのだろうが、今日のレベルでは、8回セットアップには弱いかな。


Padilla: 速球系に加え、チェンジアップ(?)と思われるボールが、いずれも沈みながら利き腕側に変化しているようで、厳密に区別がつけにくいが、4シームが91~93 mph、2シーム87~89 mph、84~85 mphあたりがチェンジアップか?速球はシーズンの良い時に比べて少し落ちているかも。Melanconの登板場面は、シーズン半ばまでならPadillaだっただろうが。フルシーズンリリーフで投げたのは01年以来ということもあるのかもしれない。トレードマークの55 mphのスローカーブは、Nick Swisherに完璧に弾き返された。速球系の力が落ちてくれば微妙になる可能性もあるが、あの強心臓はなかなか他にいないし、うまくリリーフ陣を整理できれば、再契約を目指しても良いと思う。


A. Miller: 今も出るたびにハラハラ見させられるが、リリーフとして、やっと1年間MLBに定着することができた。速球は92~94 mphと悪くないが、かつての期待度からすればやや物足りない。80~85 mphのスライダーはサイドハンド気味のフォームもあり、水平方向の変化が大きく、タイトさには欠ける。一応、スライダーである程度カウントを稼げるようになったのは進歩した点。

アームスロットはこころなしか見るたびに低くなっている気もするが、メカニクスは少し滑らかになったか?最も怖い打者のRobinson Canoから、速球で見逃しを奪ったように、長身と長い腕を生かして、対左はそこそこ抑えられそうだが、相変わらず制球はバラついており、現状の速球・スライダーの質では、対左ワンポイント以上には厳しい。

それだとHillと大差ないし、球威では劣るが、ストライクを安定して投げられる分、Hillの方が上かもしれない。来季のブルペンを考えると、Breslowがおり、F. Moralesは先発で争わせるだろうが、リリーフに戻ってくるかもしれない、ということを考えれば、MillerかHillのどちらかは、トレード先を探した方が良いと思う。元々の期待度等からMillerの方が価値が出やすいなら、優先して出しても良いだろう。


Lavarnway: 昨日から、見た打席のほとんどで、ボールゾーンに逃げるブレイキングボールを振って三振。あまりにも状態が悪い。打席で迷っているように見え、スウィングも中途半端。初球、二球目の甘い球を見逃し、簡単に追い込まれる悪循環。本来はこれほど悪い打者ではないはずだし、とにもかくにも、しっかし打てるボールを捉えていかないと。昇格直後に完成された打撃なんて誰も求めてないし、浅いカウントの速球はどんどん振って欲しい。


J. Iglesias: Lavarnway、Kalishと並んで適応できていないと思っていたが、今日見た限りでは、Lavarnwayより少し状態は良い気がする。未だに早打ちなのだろうが、今日の試合に関しては、ボールゾーンを振り回すわけでもなく、それなりにボールを選んでいた。それに加えてスウィングスピードも悪くなく、空振り自体は少ない。これほど打てていない選手の打席には見えなかった。

ただスウィングの大きさの割に打球が弱いというのは確かに感じる。引っ張ってゴロというのも多く、ボールがなかなか上がらず、上がってもラインドライブにならない。身体が小さくても、Pedroiaのようにハンドアイコーディネーションに優れるタイプもいて、必ずしも大きなスウィングがいけないというわけではないが、個人的にはスウィングを短く整え、もう少し下半身をしっかり使う必要があると思う。

守備は、ボールの投げ方が少し変わっているが、守備範囲、動き等さすがというところ。選球眼と引っ張り癖さえ、自らを律してプレーできるのなら、打線が強ければ、我慢してMLBで使っても良いかもと、ちょっと印象は変わった。


David Phelps (NYY): 88~91 mphの2シームと80 mph前後のスライダーがほとんど。ワンバウンドのスライダーを簡単に振ってくれる酷い打線が相手だったこともあり、そこそこ投げていたが、基本的には平凡な投手でしかない。2シームは大きく変化して、両サイド低めに投げている時はそれなりだが、投げ急ぎ気味になると浮いてくる。この程度の投手は簡単に打ち崩せないとダメだろう。


Joba Chamberlain (NYY): 久しぶりに見たが、かつてリリーフで見せていたドミナントな姿からいうと劣化しているのは否めない。速球は92 mphから、最速で97 mphまで出ていたが、かつてのような迫力はない。少し手投げ気味になっているようにも見えるし、コマンドも甘く、以前のように打てる気がしないボールではなくなった。一方、85~87 mphのスライダーは手元でタイトに変化し、今でもナスティなボールだと思う。速球も球速自体はそれなりに出ているし、コマンドが落ち着けば、今でも悪くないリリーフには戻れると思う。


Derek Lowe (NYY): 最後、ちょろっと見ただけだが、87~89 mphのシンカーは低めに制球され、今でもかつての名残がある。スライダー(?)は80 mph程度。NYYはFredy GarciaやEric Chavez、Andrew Jones、Raul Ibanezなど、こういう峠の過ぎたベテランをうまく使ってますね。チームのコアがしっかりしてるのが大きいんだろうな。

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