2013年6月11日火曜日

13' Draft Result - By Team Draft Review

今季は各チームのドラフト結果のレビューを書いてみます。全チーム全ピックをきっちり調べることはできないので、ざっくりとチェックしたくらい。勝手に点数付けちゃってますが、間違ってたら他チームのファンの方はゴメンなさい。ディビジョン毎に追記していく予定(BOSは客観的になりづらいので後回し)。


[AL-East]

Baltimore Orioles - BA Top 500のランキング基準で言うと、若干オーバードラフト気味な選手が多いが、Hunter Harvey (Rd. 1 (#22))を筆頭に悪くない選手を指名している。特にHarveyは体格・球威と素晴らしく、今季のHS-RHPの中でも最も上限の高い選手の一人。Stephen Tarpley (Rd. 3)を合わせて、左右で上限の高い選手を1枚ずつ獲ったのは良い。Josh Hart (Rd. 1s)はオフェンス面の上限が限られ、若干オーバードラフトに見える。またChance Cisco (Rd. 2)、Jonah Heim (Rd. 4)とBAでTop 200に入るHS-Cを2人指名したのも目を引く。以降はやや抑え目で、全体的に控え目なドラフトだが、Drew Dosch (Rd. 7)はソリッドなカレッジバットだし、浮いたボーナスでReed Reilly (Rd. 18)を抑えられば合格点というカンジか?現時点では60~65/100という印象

Boston Red Sox - 応援しているチームだけに客観的に評価するのは難しい。Austin Meadows (PIT-#9)が欲しかったこともあり、第1日目の印象は良くなかったけど、Trey Ball (Rd. 1 (#7))は凄く良いとは思わないがソリッドな指名。Teddy Stankiewicz (Rd. 2)の指名は未だに釈然としないけど、ドラ3でJon Denney (Rd. 3)を指名し、しかも思っていたよりも随分安く契約できそうなのは素晴らしい。Myles Smith (Rd. 4)、Corey Littrell (Rd. 5)も順位相応のまずまずの選手。一方でドラ6~10でかなり抑えた指名をしたものの、Jordan Sheffield (Rd. 13)やRyan Boldt (Rd. 22)のスティールに関しては微妙なライン。悪くはないものの、Ball、Stankiewicz、Littrellともう一歩投手が好みのタイプではないし、個人的にはBen Cherington GMの投手のセレクトに関しては未だに信用していない。世間の評価はもう少し上な気がするが、個人的には65~70/100くらい。ただSheffieldと契約できれば75~80/100、万が一Boldtを射止められれば80~85/100に評価アップできる。

New York Yankees - 狙っていると言われていたEric Jagielo (Rd. 1 (#26))を筆頭に3つのドラ1では、Aaron Judge (Rd. 1 (#32))、Ian Clarkin (Rd. 1 (#33))といずれもBAのランキングから言うと順位以上の価値がある選手をピック。Jagielo、Judgeともカレッジの選手としては若干リスクが高い選手だが、その分High Ceilingではある。2巡目以降もMichael O'Neill (Rd. 3)やBrandon Thomas (Rd. 8)など、カレッジのOFに少し偏っているが、取りあえず最初の3人がモノになればそれで十分か。SSが欲しいかなと思っていて、一応Tyler Wade (Rd. 4)は指名したが、もう少し大物が欲しかった感も。ドラ11以降ではCal Quantrill (Rd. 26)が最大で、父のPaul QuantrillもNYY在籍経験があるから、ボーナスが浮いたら契約を狙うのかもしれないが、恐らくはClarkinのところが結構オーバースロットになりそう。Gosuke Katoh (Rd. 2)は少し浮くだろうが、それを含めても$500K以上は下位に回せないかと思う。トップクラスのアームであるClarkinも獲れたし、75~80/100というところか。

Tampa Bay Rays - Nick Ciuffo (Rd. (#21))ももちろんニーズにもフィットしたグッドピックだと思うが、何よりもRyne Stanek (Rd. 1 (#29))だろう。評価を落としたと言え、一時期は全体#1候補だった選手。当然リスクは高いが、こういったギャンブルをできるだけの投手の層があるからこそだろう。Riley Unroe (Rd. 2)も評価上昇中の選手で、SSを探している色々なチームのファンが彼を欲しがっていた。Tom Milone (Rd. 3)も優れたアスリート。パワーヒッターのニーズを埋められなかったのは少し残念だが、ニーズに関係なく、若くてHigh Ceilingな選手を多く指名することに成功。下位ではさほど目立つピックは無し。浮いた分はStanekに費やされそう。85~90/100は付けられる。

Toronto Blue Jays - ドラ1でPhil Bickfordというのも少し驚いたが、それ以降もドラ10までのほとんどが投手。ただドラ2でClinton Hollonというのを含めて、どれもかなりのオーバードラフト感が漂う。Matt Boyd (Rd. 6)は割と好きだが、他はこれはという選手も少ない。Bickfordは$3Mの要求があるそうで、それも含めてリスクは高そう。昨年もD. J. Davisをドラ1で指名していたが、急上昇株だけに実力よりもやや高くつく印象が強い。ただポジティブな要素としては、ドラ10までの特に下位を絞れば、もしかしたら$1M浮くかもしれず、Jake Brentz (Rd. 11)、Rowdy Tellez (Rd. 30)などの選手を捕まえることができるかも。ポジション的にはTellezだが、どちらか1人でもかなりの成果だ。現時点では、15~20/100というところだが、BrentzかTellezのどちらかを捕まえられれば45/100。万が一両方なら65~70/100に跳ね上がる。


[AL-Central]

Chicago White Sox - 多くのポジションにProspectを必要としており、特にやはり投手を重視したい組織というイメージからすると、ドラフト全体でトップクラスのSSだったTim Anderson (Rd. 1 (#17))を最初のピックで指名したのを皮切りに、まずまずバランス良く指名できたのではないか?即戦力の内外野両翼のパワーヒッターはいないが、Trey Michalczewski (Rd. 7)は将来の3B候補になれる。ドラ7で契約できるなら非常に大きい。Jacob May (Rd. 3)もソリッドで、High CeilingだがハイリスクなOFの多い傘下にフィットしている。一方で投手のセレクションは若干微妙感。Tyler Danish (Rd. 2)は評価を下げており、ややオーバードラフトだし、Andrew Mitchell (Rd. 4)はもちろん大スティールになり得る優れたスタッフの持ち主だが、制球難は相変わらずでハイリスク。下位ではAdam Engel (Rd. 19)が最大だが、スピードと守備はともかく、最低限打てるかも怪しい。全体的に抑え目な指名で、Michalzewskiはその分をつぎ込んで契約できるはず。それが前提だが、60~65/100というところか。

Cleveland Indians - 3Bが欲しいので、Colin Moran (MIA-#6)に行くかと言われていたが、Ceiling重視でClint Frazier (Rd. 1 (#5))を獲り、一旦は3Bで使ってみるよう。2人のピック保障絡みのFAを獲り、ドラ2とロッタリーピックを失ったこともあるのか、トップピックに重点を置いている印象。Dace Kime (Rd. 3)、Kyle Crockett (Rd. 4)は、特にKimeは一旦は先発で使うだろうが、リリーフなら即戦力になり得る。体格のあるCasey Shane (Rd. 6)も一時期は評価の高かった選手で、上手くいけばスティールになる。Adam Plutko (Rd. 11)はJuniorだし、少しオーバースロットすれば獲れるかも。球威は平凡で、上限はさほどでもないが、優れた制球とチェンジアップに強豪UCLAでの実績もある。リリーフになりそうなKime、Crockettを上位で獲っているので、良い指名だと思う。全体的に抑え目で、C. Frazierもそこまで大きくオーバースロットにはならないと思うが、Plutkoを獲るなら$100Kでは難しいだろう。Aaron Brown (Rd. 30)、Wil Crowe (Rd. 31)までは手が回らないと思う。C. Frazierを指名しながら、投手を中心に即戦力を加えており、まずまず好ましいドラフトに見える。70~75/100という印象。

Detroit Tigers - 野手は現状に満足しているのと、あとはFAやトレードで、というカンジなのか、即戦力投手を掻き集めるだけ掻き集めた。ただJonathan Crawford (Rd. 1 (#20))を除けば、上位スターター候補はいないし、そのCrawfordにしてもリリーフの可能性も捨てきれないハイリスクな選手。リスク分散ということなのかもしれないが、ドラ1で獲るならもう少しMid Ceiling/High Floorな選手でも良かった気もするが。Kevin Ziomek (Rd. 2)は悪くないが、Austin Kubtza (Rd. 4)、Buck Farmer (Rd. 5)と、やや評価の分かれる選手だ。Corey Knebel (Rd. 2)も経験豊富な即戦力リリーフ候補だが、13年は今一つなパフォーマンス。野手ではドラ10まではConnor Harrell (Rd. 7)を指名したのみ。それでもリリーフでも上の戦力になってくれれば、というのはここの好む戦略だし、それで成功してきているのだから悪くはないのかな。Dominic Ficociello (Rd. 12)を$100Kで契約できたのは小さなスティールかも。A. J. Puk (Rd. 35)は恐らくムリだろう。個人的にはあまり好みではないが、一定の成果を期待できるし、Jo. Crawford次第ではさらにアップサイドもある。60~65/100くらいは付けられるか。

Kansas City Royals - Hunter Dozier (Rd. 1 (#8))の指名には驚いたし、結果的には全体-#8でSean Manaea (Rd. 1s)を、ドラ1sでDozierをピックしたと思えば、いずれも多少オーバードラフト気味には見えるが、よっぽどDozierのことを気に入っていたのだろう。Cody Reed (Rd. 2)もBAランキングではもうちょっと下だが、評価上がり目で悪くない。Zane Evans (Rd. 4)も捕手は悪くないフィットだが、捕手に残れるのかは不明。下位で言うと、John Sternagel (Rd. 39)はまずまずの大物だが、浮いたボーナスは基本的にManaeaへつぎ込まれるだろう。ドラ1-#8でManaeaを獲ったようなもんだし、もちろん上手くいった場合には大成功になるけど、失敗だった場合はダメージも大きい。Manaeaのスタッフが戻り切らなかった場合は35/100程度にもなるし、逆に本来の姿に戻るなら75/100くらいになってもおかしくない。現状でケガ持ちという点で多少分が悪いようにも見えるしひとまずは50~55/100あたりか。

Minnesota Twins - 全体#4でReese McGuire (PIT-#14)という噂もあったが、結局はKohl Stewart (Rd. 1 (#4))をピック。その代わりではないが、Stuart Turner (Rd. 3)、Brian Navarreto (Rd. 6)、Mitch Garver (Rd. 9)と3人もの捕手を指名している。R. McGuireほどの上限はないが、近未来にJoe Mauerの負担を減らすための併用ができる程度の期待は持てるし悪くない。Stewartに加えて、ソリッドでそこそこの上限もあるRyan Eades (Rd. 2)にハイリスクだが伸びしろの大きいStephen Gonsalves (Rd. 4)というセレクトもなかなか良い。浮いたボーナスはある程度Gonsalvesで消費されそうな気もするが、ドラ29でローカルボーイのLogan Shoreをピックしており、地元出身というメリットを生かして比較的安めに契約できるかもしれない。昨年同様、ドラ10までBA Top 500以内の選手で固めており、それでいてスロット的にも物凄く苦しそうには見えない。よいドラフトをしていると思う。Minorも各ポジションで比較的強いことを考えれば、投手と捕手に絞った指名も悪くない。80/100は付けれるし、Shoreと契約できるなら85/100でも良い。


[AL-West]

Houston Astros - 昨年は回避したMark Appel (Rd. 1 (#1))を今季は予想通りピック。Seniorではあるが、$6.35Mとかなりの額で合意。それでも全体#1のスロットの大きさもあり、$1M程度は浮いている。今季は投手を強化したかったのか、Appelに加えてAndrew Thurman (Rd. 2)、Kent Emanuel (Rd. 3)と即戦力のカレッジ投手を上位3ピックで指名。あまり個人的には印象の良い選手ではないけど、BAランキングからすればソリッドなピック。一方その後のドラ4、5ではConrad Gregor、Tony KempというVanderbilt大コンビをかなりのオーバードラフトでピック。Appelのボーナス要求に備えたのだろうか?2人ともカレッジでの実績はあるが、上限という意味では今一つ。既に$1.5M近く浮いている割には下位で大物の指名も無く、若干アップサイドに欠けるドラフトとなっている。Appelはともかく、全体#1ピックと有数のボーナスプールを持つ割には平凡なドラフト。Appelだけで40/100は行くだろうが、全体でも45/100程度の印象しかない。

Los Angeles Angels - Josh Hamiltonとの契約でドラ1が無かったため、ドラ2では残っていた中で最高クラスだったHunter Green (Rd. 2)をピック。以降はGreenの要求に対応するためか、投手を中心に抑えた指名。ドラ11で元々評価の高かったJonah Weselyをピックして既に契約できているのはスティールになる可能性がある。元々ピックもスロットも少ないため仕方ない面はあるが、GreenはHS-Pということでハイリスクだし、現時点では35~40/100以上は付けづらい。

Oakland Athletics - 最もアグレッシブな指名をしたチームの1つ。Billy McKinney (Rd. 1 (#24))も良い指名だが、それ以降もドラ10まで全員がBA Top 500圏内の選手を指名。特にドラ5でBobby Wahlに特攻したのが凄い。ドラ2~3ではカレッジ選手を中心に少しボーナスを浮かせて下位でスリップした選手をスティールという戦略だろうが、Chad Pinder (Rd. 2s)はSSになれるなら非常に良いし、3Bとしてもまずまず。Ryon Healy (Rd. 3)もパワーがあって、1Bとしては上位の選手。Dillon Overton (Rd. 2)もソリッドな投手でストラテジーは良い。Chris Kohler (Rd. 3s)、Dustin Driver (Rd. 7)もBA Top 200のHS-Pを左右で1枚ずつという指名。Dylan Covey (Rd. 4)と、球威があるKyle Finnegan (Rd. 6)もハイリスクだが、ドラ3以降で獲るなら大きなスティールになり得る。ドラ10以降でもドラ19でA. J. Vanegasを指名するなど積極的。ただ現状で5%のスロットオーバーまで考慮しても$800K弱しか余裕がなく、指名順位を大きく上回るBAランキングを持つWahlとDriverの2人をこれで射止めることができるのかはやや疑問。Vanegasは現実的にはさすがにムリだろう。Wahlまで契約できれば90~95/100だが、Wahlに失敗してもバランスの良い指名だし85/100はいく。

Seattle Mariners - チームが必要としているパワーバットを上位3ピックで加えることができたし、申し分のないドラフトだった。トップピックでTop 10の予想もあったD. J. Peterson (Rd. 1 (#12))を指名した上に、ハイリスクハイリターンだが素質はやはりTop 10クラスで有数のパワーを持つAustin Wilson (Rd. 2)を全体#49で指名。ドラ3ではHSのパワーヒッターのTyler O'Neill。A. Wilsonのボーナス要求に備えてだろうが、以降はやや抑え目だが、必要な野手を中心にバランス良い指名ができた。チームのニーズに非常にフィットしているし、上位集中型ではあるが80~85/100程度を付けたい。

Texas Rangers - Top 20の噂もあったAlex Gonzalez (Rd. 1 (#23))は、即戦力性も高く、良いピック。Travis Demeritte (Rd. 1 (#30))はSSになれるなら素晴らしいし、3Bとしても好守強肩の良い選手だが若干オーバードラフト気味。以降もAkeem Bostick (Rd. 3)が目立つくらいだが、彼にしてもかなりのオーバードラフトとなっている。Sam Wolff (Rd. 6)は球威があって、シニアーサインとしては良いと思うが、全体的にかなり抑え目なドラフト。すでにドラ10までのほとんどの選手と契約済で、$500K以上浮いているが、ドラ11以降で$100Kを大きく超えるような大物も見当たらない。A. Gonzalezもエースタイプではないし、悪くはないが良いドラフトというほどでもないか。50~55/100というくらいだろう。


[NL-East]

Atlanta Braves - 個人的にはあまりピンと来ないドラフト。近年はカレッジ投手をドラ1で指名することが多いが、今季もJason Hursh (Rd. 1 (#31))を指名。球威はあるし、投手を育てるのが上手いチームだけに、大きく開花することもあり得るとは思うが、体格が小さめなのとTJ経験者のため、リリーフと見られることも多い。投手ではCarlos Salazar (Rd. 3)は非常に優れたアームの持ち主でドラ3としてはまずまず。あとはポジションバランスは良いが、Victor Caratini (Rd. 2)などややオーバードラフト気味の指名が目立つ。GMの息子のKyle Wren (Rd. 8)は縁故指名だろうとは思うが、この位置ならまずまず。ただオーバードラフト気味な指名が多い割にはHurshとの契約のみを残して既に$200K強のオーバースロットとなっており、Stephen Wrenn (Rd. 28)も難しいだろう。多少厳しめだが、HurshとSalazarが先発に育たない可能性も大きめだし、35~40/100というところか。

Miami Marlins - カレッジ選手を中心に、ボーナスを抑えられる選手を指名するという噂もあったけど、高順位とPITからLottery Pickをもらったこともあり、大きなプールを生かしてまずまずの指名。Colin Moran (Rd. 1 (#6))は個人的には、どうもあまり気に入らないけど、3B候補がいないチームに取ってはセーフティーで価値のあるピック。Matt Krook (Rd. 1s)もリスクは大きいが、ポテンシャルは豊富な今クラスのHS-LHPの中でもトップクラス。Trevor Williams (Rd. 2)、Colby Suggs (Rd. 2s)共にやはり個人的にはあまり好きではないけど、ソリッドな即戦力先発下位候補とセットアップ以上のリリーフ候補ということでまずまずか。以降もK. J. Wood (Rd. 4)などバランスの取れた指名だが、多少抑え目な印象は受ける。Moranがどの程度になるかが読めないが、スロット近辺だするとChandler Eden (Rd. 36)はムリだろう。プールの割には今一つには見えるけど、即戦力も多いし、平均を少し超えて55~60/100というくらいか。

New York Mets - Dominic Smith (Rd. 1 (#11))は今クラスでも最高レベルのヒッターになり得ると言われているし、High Ceilingなタレントを集めていた最近の傾向を踏襲した良いピック。Andrew Church (Rd. 2)、Ivan Wilson (Rd. 3)、Casey Meisner (Rd. 4)とBAランキングからするとややオーバードラフトだけど、Ceiling重視を貫いた指名だし、ポジション的にもBrandon Nimmo、Gavin Cecchiniといったここ数年の上位ピックを含めてバランスが取れている。L. J. Mazzilli (Rd. 4)も早めのピックとなっているが、ボーナスを下位に振り分けることも含めて悪くない。Jared King (Rd. 5)、Matt Oberste (Rd. 7)も若いHS卒選手たちへのつなぎになれる即戦力で、ドラ5以下の指名としては非常に良い。投手が上に揃ってきたことを踏まえての指名ということもあるかもしれないが、ニーズにもフィットした良いドラフトだと思う。70~75/100。

Philadelphia Phillies - ここは毎年割と個人的に印象の良いドラフトをしているし、今季もそうだった。J. P. Crawford (Rd. 1 (#16))は個人的には多少オーバーレイテッドな選手に見えるけど、これまでの評価通り好守で平均以上のSSになれるなら十分な価値がある。Andrew Knapp (Rd. 2)は若干オーバードラフトだけど、今季のNo.1カレッジ捕手ということで、即戦力性を考慮すればすごく悪いというほどではない。さらに若い捕手としてJake Sweaney (Rd. 4)も獲っており、二段構えとなっている。また身体能力の高いCord Sandberg (Rd. 3)は大きなスティールだ。Jan Hernandez (Rd. 3)やTrey Williams (Rd. 7)も順位の割には上限は高く、スティールになる可能性がある。Oregon State大の左右両腕のBen Wetzler (Rd. 5)、Dan Child (Rd. 18)も磨かれてはいないが、特に後者は契約できれば伸びしろは大きい。Jason Monda (Rd. 6)もソリッドなピック。下位ではJoey Martarano (Rd. 13)が契約できるのかがやはり気になる。現状で5%のボーナスプール超過分を含めて$500K弱浮いており、ドラ10までで大きくオーバースロットになりそうな選手も残っていないので可能性はあるかも。Cavan Biggio (Rd. 29)はムリだろうが。80/100程度かな。

Washington Nationals - 全チーム中指名順位が最下位で、しかもドラ1がなく、ボーナスプールも最少。さすがに指名は難しいものになったが、Jake Johansen (Rd. 2)の指名はさすがに驚いた。球威は凄まじいが、BAランキングが示す通り、上手く戦力にするにはハードルが高い。Drew Ward (Rd. 3)も上限は高いが、当然ハイリスク。Garrett Hampson (Rd. 26)や何と言ってもKarsten Whitson (Rd. 37)も指名はしてみたが、裏取引でもない限り契約はムリだろう。プールが小さいだけに仕方ないが、20/100くらいになるだろう。ただJohansenやWardが上限まで伸びたり、万が一Whitsonと契約できるなら、50~70/100くらいまで跳ね上がるだろうが。


[NL-Central]

Chicago Cubs - 傘下は野手Prospectばかりで、エースとして期待できる本格派投手が欲しかったし、Jonathan Gray (COL-#3)を指名すると思っていたけど、結果的にはKris Bryant (Rd. 1 (#2))を指名。もちろんBryantを上と見たのだろうけど、多くの識者からはGrayの方が上位とされていたし、COLとの契約額を見ても、Bryantより安くなりそうな印象。素直にGrayを指名しておくべきだったんじゃないかと。以降ではそれを埋め合わせるように、Rob Zastryzny (Rd. 2)、Tyler Skulina (Rd. 4)、Trey Masek (Rd. 5)、Scott Frazier (Rd. 6)と、Jacob Hannemann (Rd. 3)を除いてカレッジ投手を中心に指名。Skulinaは個人的にドラ4ではスティールだと思うし、MasekもBAランキングから言うとかなりのスティール。Zastryznyや復活すればS. Frazierもそこそこ上限は高め。投手は何と言ってもリスクがあるし、Bryantは非常に希少なパワーバットということで、このようなストラテジーになったんだろうけど、3B/RF/1Bといったあたりは他にも候補があるし、Grayは非常に希少なエースの可能性。指名した投手は地味ながら実力派ではあるし、しっかりと投手の層を厚くしたけど、フロントラインというカンジの選手はいないし、Grayを指名しなかったことは個人的にはマイナス。65~70/100というカンジかな。

Cincinnati Reds - ここ数年High CeilingなHS-Pの指名が目立ったけど、今季はカレッジ選手の指名が多かった。Phillip Ervin (Rd. 1 (#27))はベストプレイヤーアベイラブルで良い指名。Michael Lorenzen (Rd. 1s)は投手としての指名で、90 mph後半の速球を持つ、セットアップ以上になり得る選手だが、リリーフではあるし、若干オーバードラフトにも思える。Ben Lively (Rd. 4)は割と良いと思うけど、他はややパッとしない。Willie Abreu (Rd. 14)、Brett Morales (Rd. 24)、Zack Collins (Rd. 27)などのスリップした有名選手を積極的に指名しているけど、現状だと彼らとの契約は難しそう。全体的にはもう一歩で45/100くらい。

Milwaukee Brewers - ドラ1が無かったが、上位2ピックでDevin Williams (Rd. 2)、Tucker Neuhaus (Rd. 2s)と個人的に好きな選手をピック。Barrett Astin (Rd. 3)、Taylor Williams (Rd. 4)はリリーフかもしれないが、ソリッドなカレッジ投手。下位ではあまり大物というカンジの選手はいないけど、既にドラ10までの契約を終えて、浮いているのも$100K以下なのでこんなもんだろう。ドラ1が無かったにしては、上位2ピックは素晴らしいし、多少贔屓目もあるが65/100程度かな。

Pittsburgh Pirates - BOSがスルーしたAustin Meadows (Rd. 1 (#9))を最初のピックで指名し、そのピックで指名するという噂の強かったReese McGuire (Rd. 1 (#14))を2番目のピックで指名。これだけでほぼ満点を付けられる。左腕が欲しかったし、Blake Taylor (Rd. 2)のピックも素晴らしい。あとはJaCoby Jones (Rd. 4)、Adam Frazier (Rd. 6)とソリッドに野手を補強。投手の若手は比較的揃ってきたという手応えを感じているのかも。それなりの金額は浮いているが、下位での大物の指名は無し。Meadowsとの契約に備えているのかもしれないけど、そんなに掛かるのかな?昨年はWalker Buehlerを筆頭に結構な数のそういった選手を指名していたのに。どこかでもう1人くらいHigh Floorなしっかりしたカレッジ投手が欲しかったカンジはあるけど、85~90/100は堅い。

St. Louis Cardinals - Marco Gonzales (Rd. 1 (#19))は若干オーバードラフトにも見えるけど、Top 20に挙げているサイトも多いし、Rob Kaminsky (Rd. 1 (#28))と、只でさえ分厚い先発候補に、左を2枚加えた。傘下のバランス的にSSがそろそろ欲しいかなと思っていて、Tim Anderson (CWS-#17)は残っていなかったけど、Oscar Mercado (Rd. 2)にChris Rivera (Rd. 7)と元々はこのクラスでもNo.1、2だった2人のSSを獲得。Mason Katz (Rd. 4)もSeniorで安く契約できそうということも含めて良いピック。右腕もMike Mayers (Rd. 3)にNick Petree (Rd. 9)と地味ながら好印象の指名。ドラ10まででKatzを除いて契約済で、あと$500K程度は使える可能性があるが、後ろのラウンドでの大物の指名は無し。目を見張るような指名は無かったけど、ニーズだったSSといくらいてもよい投手に絞って印象の良いドラフトをしたと思う。80~85/100あたりか。


[NL-West]

Arizona Diamondbacks - Braden Shipley (Rd. 1 (#15))は個人的には多少オーバーレイテッドされている気がするが、Top 10の噂も強かったし、素晴らしいスティールだろう。Aaron Blair (Rd. 1s)も体格・球威を兼ね備えるしっかりしたローテ候補だ。以降も指名順位がBAランキング相応のしっかりしたピックが多い。Justin Williams (Rd. 2)は本気でSSで使うのかはわからないが、1B/OFのDaniel Palka (Rd. 3)、CFのMatt McPherson (Rd. 4)、SSのJamie Westbrook (Rd. 5)とバランス良く指名。即戦力のリリーフとしてDaniel Gibson (Rd. 7)、Jimmie Sherfy (Rd. 10)をドラ7より後ろで抑えたのも素晴らしい。80~85/100

Colorado Rockies - 個人的に今季のドラフトでトップ評価をしている。BAでNo.1のタレントJonathan Gray (Rd. 1 (#3))が落ちてきたことは大きかったが、それをかなりのUnder Slotで契約したのも素晴らしい。浮いた分で早速Dom Nunez (Rd. 6)をスティールしている。まだ5%超過分を含めて$1M近く使えるし、Kyle Serrano (Rd. 29)は厳しいかもしれないが、Alec Hansen (Rd. 25)、Tomas Hatch (Rd. 32)、Andy McGuire (Rd. 36)のあたりから、もしかすると2人獲れるかも。ドラ2以降でもAlex Balog (Rd. 2s)、Sam Moll (Rd. 3)はソリッドな投手で、特にBalogはドラ1後半の噂もあっただけにスティールだ。Ryan McMahon (Rd. 2)も上限の高い選手で、ドラ1がKris Bryant (CHC-#2)でなかっただけに良い指名。Terry McClure (Rd. 8)も身体能力の高いOFだ。ドラ12までの全員を含め、最もBA Top 500圏内選手を多く指名したチームだし、しかもその多くと契約できそう。95~100/100を付けられるし、万が一Serranoを口説き落とせば、文句無しの100/100となるだろう。

Los Angeles Dodgers - 長期契約で多くの枠が埋まっており、しばらくPOに向けて戦うことから即戦力投手の指名を重視したのか。Chris Anderson (Rd. 1 (#18))、Tom Windle (Rd. 2)は若干評価を落とし気味だったが、どちらも素晴らしい体格と球威を持つ。場合によってはリリーフとしても活躍できそう。Cody Bellinger (Rd. 4)はかなり高くついたが、個人的も好きな選手。Brandon Trinkwon (Rd. 7)もソリッドなUT候補。ただBellingerを除いて、ややオーバードラフト気味な指名が多い割には既に$400K以上オーバーしており、もうちょっと上手くやれたんじゃないかという印象はある。40~45/100くらいだろうか。

San Diego Padres - Hunter Renfroe (Rd. 1 (#13))、Dustin Peterson (Rd. 2)、Jordan Paroubeck (Rd. 3)、Mason Smith (Rd. 4)と評価の上がり目の選手を積極的に指名。特にOFの3人はいずれもパワーポテンシャルが期待でき、チームにフィットしている。SSが欲しかったし、D. Petersonの指名は良いけど、SSに残れるかはやや疑問。これほどOFを指名するなら、ドラ1でJ. P. Crawford (PHI-#16)なんかでも良かった気もするが。ドラ10以内の残りの指名は若干抑え気味だが、Connor Jones (Rd. 21)、Chris Okey (Rd. 31)、Garrett Williams (Rd. 33)の大物を下位で指名しているのもSDらしいカンジがする。Tony Rizzotti (Rd. 25)がドラ10以降で契約できるなら悪くない。昨年多くのHS-Pを指名しただけに、今季は若い野手を多く指名できたのは良い。個人的にはRenfroeはもう一つ気に入っていないし、70~75/100というカンジだけど、下位の大物を1人契約できるなら85/100にはなるだろう。

San Francisco Giants - 同地区のCOLがNo.1なのに対し、ここが全チームで最低なのは異論が無いだろう。プレドラフトディールの噂もあるが、Christian Arroyo (Rd. 1 (#25))はオーバードラフトもいいところだし、Ryder Jones (Rd. 2)もそれと同じくらい酷い指名。Chase Johnson (Rd. 3)やBrian Ragira (Rd. 4)ももう一歩魅力を感じない。球威のあるDan Slania (Rd. 5)と、Regional Series以降素晴らしい活躍を続けるNick Vander Tuig (Rd. 6)は小さなスティールにはなるかもしれないが。上位でこれだけオーバードラフトな指名を連発した割にはほとんどボーナスも浮いていないし、下位でこれは、という指名も無い。ダントツ最下位の5/100。

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